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2006年9月20日 (水)

「太陽の塔」 森見登美彦

「太陽の塔」 森見登美彦 新潮文庫

なんとなく面白そうだなぁと思い手に取った作品。

京都大学で5回生休学中の主人公。彼は3回生のときに初めてできた2つ年下の彼女に、去年のクリスマスにふられて以来、「彼女の研究」に全身全霊をそそいで、妄想だらけのストーカーまがいの行為を繰り返す。そして、彼女のいない仲間達で結成しているサークル「男汁」の仲間達と男臭い妄想で爆走を続ける日々を描く作品。

最初は、主人公がストーカー!?ということで、ちょっとひく設定でもあるんですけど、次第に彼の妄想街道まっしぐらな独白にはまってしまって、最後まで爆笑しながら一気に読めてしまう作品でした。

京大生ということもあって、ちょっとインテリな香りを漂わせつつ、わざと格調高い文学作品のような口調で語ってみせる主人公がまた面白い!あと、「我々の中では『○○事件』と呼んでいる」という感じで語られる非常にバカバカしい事件の数々も笑わせてくれました。読んでいて、コイツら異常だよ!!!と突っ込みたくなるような彼らの妄想トークなんですけど、こういうバカな会話って実際にしますよね。おいおいとツッコミつつもところどころ共感したりしてよくできた青春小説だと思います。

ゴキブリキューブとか京大生狩りとかあえて男だけで真夏に鍋を企画するとか印象的なエピソードが沢山でてくるんですけど、その中でも、クライマックスの、彼らが言う「クリスマスファシズム」への抵抗として行う、とある歴史的事件の再現がもう無茶苦茶ツボでした。自分は、歴史の授業でもあの事件は妙にツボだったし。

本当に全編を通してバカバカしい妄想で彩られた作品なんですけど、そこにちょっとした切なさを感じるのもこの作品の味わい深いところだと思いました。京都在住で京都の地理に精通していればもっと楽しめたんだろうなぁ。

ところで、これ、ファンタジー大賞を受賞しているんですけど、この作品を「ファンタジー」として解釈するのはどうなんですかね!?割と「ファンタジー」の定義が広い賞なんでしょうか。

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