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2006年9月10日 (日)

映画「ドア・イン・ザ・フロア」

「ドア・イン・ザ・フロア」 2004年 アメリカ

ジョン・アーヴィングの「未亡人の一年」を原作にした映画ということで、気になっていた作品。その割りにあまりヒットしなかったのも記憶に新しいところです。

児童文学作家のテッドとその妻マリアンは海辺にある家で、幼い娘とともに暮らしていた。この家族は数年前に娘の兄にあたる2人の少年を亡くしており、それ以来、皆がキズを抱えており、夫婦関係も上手くいかなくなっていた。ある年の夏、テッドは妻マリアンに別居をもちかける。そんなところに、1人の高校生の少年エディがテッドの助手として夏の間、その家で過ごすことになり、エディは次第にマリアンにひかれていく様になる。という物語。傷を負った家族の行き着く結末とは・・・・。

アーヴィング原作の映画化作品は、「ガープの世界」、「ホテル・ニューハンプシャー」、「サイモン・バーチ」、「サイダーハウス・ルール」とこれまで4作品を観たことがあるのですが、調べてみたところ、この4作が全部のようで、今回を含めて、アーヴィングの映画化作品は全て観ているみたいです。どれにも共通しているのは、本筋がしっかりとありつつも、数々のサイドストーリーが本筋の様々な部分を比喩的に示しながら現れるところでしょうか。特に、この作品は、児童文学作家が作中で書く作品が、様々なものを比喩していたり、考えさせるような場面も多くて、なんとなく見ていると、ふっと分からなくなってしまうような箇所が割りとあったように思います。自分の理解力の問題かもしれませんが・・・。あと、従来のアーヴィング作品にみられた寓話的要素は、作家の書く物語の中には登場するものの、本筋の物語にはあまり見られませんでした。

この作品、「R18」指定になっているものの、そこまで、きわどい場面が多いわけでもありませんでした。まぁ、エディ少年がちょっと(?)変態ではないかと思えるような場面と、それに続く、マリアンの妙に親切(?)な対応は、教育的にあまりよろしくないとは思いますが。

マリアンを演じるキム・ベイシンガーは50歳を越えているとのことですが、いやはや、本当にお美しかったですね。「L.A.コンフィデンシャンル」以来、久々に見たわけですが、ちょっと鬱気味の翳りのある中年女性をとても美しく演じていました。そして、美しさだけではなくて、確かな演技力と存在感もたっぷりと見せ付けられたような気がします。

この映画は、傷を負った夫婦の物語ではあるんですけど、亡くなった子供達と同じくらいの歳のエディ少年はどうしても、彼らとその姿をダブらせずにはいられないのだし、たった一人残された娘は、一生懸命愛を求めるけれど、決して、兄達の代わりにはなれないわけで、そうしたできごとのなかに、この2人の子供達が痛々しいまでの純粋さで翻弄されていく姿がまた、この物語の切なさを盛り上げていましたね。

ところで、この映画に出てくる娘役の女の子、雰囲気がダコタさんに似ているなぁとは思っていたんですけど、エンドクレジットに出てきた名前を見てなるほど納得、エル・ファニングさんだそうで、ダコタさんの妹さんだったみたいですね。

で、見終わった最大の疑問は、原作が「未亡人の一年」の割りに、未亡人が1人も出てこないし、1年の話でもないのはどういうことなのか!?というもの。で、調べてみたところ、なにやら、原作の前半の導入部分にあたるところを映画化した作品だったみたいですね。そのまま後半も映画化してくれませんかねぇ。

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