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2006年10月18日 (水)

「非・バランス」 魚住直子

「非・バランス」 魚住直子 講談社文庫

発売直後に買ってたんですけど、読むのが遅くなってしまいました。でも読み始めたら1日で読み終えてしまいました。最近の講談社文庫が力を入れてるっぽい、大人も楽しめるティーン向け作品の文庫化シリーズの1つ。

主人公は、小学校のときにクラスで苛められていて、中学入学と同時に引越しをしたので、新天地では、友達を1人も作らずにとにかくクールに生きようと決心した中学2年の少女。家でも学校でもとにかくほとんど口をきかずに、クールに生活していた彼女はあるとき、15歳年上の服飾会社に務める女性と知り合い、打ち解けてく。他人を信じられずに自分の殻に閉じこもっていた1人の少女の成長を描いた作品。

素直に面白かったです。

どんなんい自分は1人で生きるのだとクールに決めても、やはり人間は1人では生きられなくて、でもプライドとかもあって、不安定になってる主人公が心のよりどころを見つけて、感情を爆発させるような場面などとても読み応えがありました。物語も、色々なエピソードが上手く絡まっていて、主要登場人物たちの心の変遷が、色々な伏線とともに、描かれていくのがとても面白かったです。

この物語は現実にはやっぱりファンタジーでしかありえないわけで、リアリティには欠ける作品ではあったんですけど、癒しの物語としてはこのくらいのファンタジーテイストのほうが余韻もあって良いですよね。もともと児童向けに書かれたものだし。

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