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2006年11月

2006年11月29日 (水)

映画「白バラの祈り」

「白バラの祈り ゾフィ・ショル最期の日々」 2005年 ドイツ

第2次大戦中に反ナチ活動で逮捕された女性を描く事実に基づいた作品。最近すっかりドイツ映画が好きになっているけれど、これもまた期待を裏切らない作品でした。

1943年、反ナチの地下組織で活動するゾフィー・ショルは兄とともに大学の構内でヒトラー政権を中傷するビラを撒くところを見つかりゲシュタポによってとらえられてしまう。厳しい尋問に当初は釈放されようと嘘の証言を繰り返していた彼女だが、次第に、自らの信念とまっすぐに向かい合うようになっていく。彼女の逮捕から死刑までの6日間を取調官との対話を中心に描く。

この作品を一言で表現するならば、まさに「凛とした」作品でした。はじめは嘘の証言をしていた彼女が、取調官に向かって自分の考えていることを、まっすぐに語る姿はとても印象的でした。そして、彼女の話を聞く取調官もまた、高圧的な態度ではなく、凛とした彼女にまっすぐと向かい合ってその話を聞いていて、それがまたとても印象に残りました。映画のほとんどが2人の対話なのに全く飽きさないということが、この映画の「上手さ」を物語っていると思います。

「ヒトラー最期の12日間」では、ナチス政権下のドイツにおいて、自らの信条を全うするがあまりに崩壊していていく党員達のその信じる強さと、哀しみがあますところなく描かれていましたが、この映画でも信じるものを持つ人の力強さがとても実感されました。戦争という不条理な状況において、ナチスの行為の愚かさに気づき、はじめはごまかしてはいたものの、最期の最期まで自分の信念を貫く姿が本当に心に残ります。そして、最期まで凛としていた彼女が夜1人になったときにもらした叫び声がまたいつまでも心に響きました。

なんか同じことばかり繰り返して言ってるダメダメレビューですね・・・。

映画の最後近くで、主人公達が自分たちの死は無駄ではないというようなことを述べますが、その死から60年以上が経過し、こうして映画化されたことで、そのときの彼らの思いが現代の我々に伝わったという事実がその言葉に重みを与えているように思いました。

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06年10月11月に聞いたCDから

・ 「DODECAGON」 キリンジ

最近買ったCDの中ではダントツでお気に入りの1枚です。

最近はそれぞれのソロ活動もあって、ベスト盤なんかをぬかせばオリジナルアルバムは3年ぶりのキリンジ。もともとキリンジは好きだったんですけど、今回は待った甲斐がありましたね。1曲目から最後までとにかく全てが良い!これはここにきて、キリンジの代表作とも呼べる傑作を作ってしまったのではないでしょうか。

今回は、これまでにないくらいにエレクトロニックな音を印象的に使っているんですけど、流れるようなメロディの良さ、独特の世界観が光る歌詞などこれまでのキリンジの良いところはしっかりとそのままで、とにかく良いのです。これまでのキリンジに2人のソロ活動の良かった部分が加わったような。

好きな曲。
「ブルー・バード」
ピコピコしてるのがやたらと心地よくて、それに乗っかるほのぼのとしたボーカルがたまらない。キリンジ弟のメロディセンスは抜群です。

「Goleden harvest」
1曲目冒頭からテクノっぽさ全開で新境地開拓を高々と告げる楽曲。そしてここから3曲連続でキリンジ兄のシュールな世界観が大爆発。

「鼻紙」
とにかく印象に残るメロディが美しいバラード。

他も「Love is online」、「ロマンティック街道」なんかも素晴らしいです。ていうかこのアルバム捨て曲なしです。

・「The Information」 BECK

DVDにステッカーにとオマケ要素が満載のBECKの新作は僕の大好きなナイジェル・ゴッドリッチのプロデュース。前作はあまりスキではなかったんですけど、今回はなかなかお気に入りです。ストレートで聞くほどに味わい深い印象です。

DVDには全曲のイメージビデオが収録されているんですけど、どれもこれも似たり寄ったりの映像でずっと続くので、PV集として見ると、あまり面白くないのが残念でした。

・「High Times」 Jamiroquai

ジャミロクワイのベスト盤です。アルバムも結構持ってるので、改めてベストを買うのも気がひけたのですが、新曲が入ってるというのと、PV集のDVDがついていたので買ってしまいました。

曲はこういう形で聴いてみると、昔の曲は声がやたらと若いですね。新旧いり混ぜて聞くことなんかなかったので、新たな発見。そしてなんと言ってもDVDですよ。ジャミロクワイのPVはなかなか凝った面白い作品が多いんですけど、とりわけ名作と名高い「Virtual Insanity」のPVは本当に何度見てもメチャメチャ楽しいです♪

・「夕凪ブレンド」 スキマスイッチ

本日発売ですね。スキマスイッチはデビュー当初の方が好きなんですけど、のびのびとしたボーカルとピアノがツボなので、今回もしっかりと買ってしまいました。今回、ちょっとシングルが多すぎではないでしょうか・・・。そしてシングル以外の曲の方が断然良いなぁと思ったり。割とレベル高い。でも、「ボクノート」いいよね☆

・「Sweeney Todd」 ブロードウェー・リバイバル版サントラ(輸入盤)

バートンによる映画化も決まり、国内版の上映もある話題のミュージカルの2005年のリバイバル版のサントラ。トニー賞の授賞式でのパフォーマンスを見てから、ずっと気になっていて、先日、DVDのコンサート形式のパフォーマンスを見てからすっかりこの作品の虜になってしまったので、ポイントで買ってしまいました。やっぱこのミュージカル良いよ。

今月はベスト盤ラッシュでしたが、自分はジャミロクワイだけ。オアシスは個人的にマイベストの「Whatever」がベスト盤にも収録されないのがなんとか嬉しい。あと買ってないけど欲しいのはトムヨークのEPかなぁ。

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2006年11月26日 (日)

映画「白夜」

「白夜」 1957年 イタリア

今週BSでやっていたヴィスコンティ特集を録画したものから。原作はドストエフスキー、主演はマストロヤンニ、音楽はニーノ・ロータとかなり豪華な作品。

主人公の青年はある日、橋の上で1人の女性に会い、声をかける。どこか憂いのある彼女はやがて彼に自らの身の上を語り始める。彼女は1年経ったら橋で会おうと待ち合わせした恋人を1年間待ち続けていた。話を聞いた青年は彼女を応援しながらも、淡い恋心を抱き・・・。という物語。メロメロなメロドラマですねー。

この映画、白黒映画の美しさが素晴らしかったです。前日に放送されてた「夏の嵐」のほうが製作年が古いもののカラーで撮られていたので、この映画では、あえて白黒を効果的に使ったのではないでしょうか。ライティングとかが本当に上手い!画面に無駄が無い感じ。そして、雪が半端なく良い。

映画の中でダンスシーンがあるんですけど、確かにダンスは上手いし見ごたえのある場面ではあったものの、この映画全体の雰囲気のなかでこの場面だけがチョット浮いて感じてしまいました。微妙に長かったし。当時はミュージカル映画全盛の時代で長居ダンスシーンのある映画も多かった頃ではありますが。

ストーリーはもう、シンデレラかよ!と突っ込みたくなるような後半の展開から、主人公がかわいそうになってきてしまい、本人にその気はないかもしれないけど魔性の女・・・なんて思いながら見てしまいました。うん、切ない。そして、それを演じるマリア・シェルさんが現代でも十分通じる美しさ。

あと、ニーノ・ロータの音楽がとても印象的でした。

新作ばかり追いかけがちですけど、往年の名作を見るのも良いものです。

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2006年11月23日 (木)

映画「ルート225」

「ルート225」 2006年 日本

以前、原作を読んだときのレビューで(コチラ)、映画化される際には是非観てみたいと書いていた作品が無事映画化されDVD化されたので、早速見てみました。主演は「夜のピクニック」の主演で脚光を浴びている多部さんです。

かなり原作に忠実な映画化だったのであらすじもそのままなんですけど、簡単に。ある日、帰りが遅い1つ年下の弟を探しに出かけた主人公は、近くの公園に1人たたずむ弟を発見する。彼はイジメにあい、Yシャツに落書きをされたため、家に帰りづらくなっていたのだが、なんとか説得して2人で一緒に家に向かって歩き始める。しかし、大通りがあったところには突然海が。何かがおかしいと思い、とりあえず引き返して、改めて歩き始めると、今度は無事帰宅に成功。しかし、家に居るはずの母親の姿は無く、いつまでたっても父も母も帰っては来なかった。基本は今までの世界と同じなのに、死んだはずのクラスメートが生きていたり、疎遠になった友人が親友だったり、両親がいなかったり高橋由伸がちょっとだけ太っていたりとどこかが少しだけ違う世界に迷い込んでしまった姉弟を描く。

原作ものの映画は原作を読んでから見るとガッカリすることが多く、満足はできても、原作を越えたと感じることは少ないのですが、この映画はちょっとスッキリしないラストを含めて驚くほどに原作に忠実に作りながらも、その良いところをググッと凝縮して描き出し、一つの映画として完成させたとても珍しい例ではないでしょうか。非常に満足度が高い作品でした。

異世界もののSF作品ではあるものの、迷い込む世界が、それまで生きてきた世界のすぐ隣にある、少しだけ違う世界という設定になっているため、SFっぽさはそれほどなくて、姉弟の日常を切り取ったような静かな邦画の雰囲気で撮られた映画で、主演2人のあまりにも自然体な演技がキラリと光っていました。

原作を読んだときに一番気になったのは主人公のいかにも現代っ子ですというような独白が小説になった途端とても不自然になってしまう部分だったのだけれど、この映画では、そんな不自然さが完全に解消されていて、弟との漫才のようなやりとりがとても心地よい仕上がりでした。主人公は、常に冷静で、毅然としているんですが、最後のほうで、思わず本心が出てしまうような場面があり、そこでは、こちらもつられて思わずジーンとなってしまいました。

あと、下手をすればちょっとホラーさえ感じさせかねないストーリーなんですが、上記のほんわかとした2人のやりとりに加え、ヨーロッパ映画のような、オシャレなのほほんとしたBGMが上手く使われていたのも、かなり好感度が高かったですね。

原作を読んだ際に、結構賞賛したラストも、まさに自分が思い浮かべたもののままで、なんとも言えない余韻を残してくれました。

実はあまり期待せずに見たんですけど、これはかなりの拾い物でした♪

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2006年11月22日 (水)

映画「ニュー・ワールド」

「ニュー・ワールド」 2005年 アメリカ

ディズニーの「ポカホンタス」と同じ題材の映画ということで、ディズニー好きとしてはとても気になっていた作品です。この映画ではディズニー版の後日談の部分も映画化。冒頭で泳ぐポカホンタスが出てきたときはディズニー版の完全実写リメイク!?なんて思ってしまったんですけど、全然違った趣の作品でした。あと、アニメではメル・ギブソンのイメージができてしまっていたので、コリン・ファレル演じるジョン・スミスに微妙に違和感。

17世紀初頭、イギリスから新大陸にわたってきた船団はヴァージニアに到着する。反逆罪で捕らわれていたジョン・スミス大尉は、船長によって解放され、彼は新大陸の原住民との交渉役に任命される。原住民の王を訪ねる途中、仲間とはぐれたスミスは1人インディアンの村にたどり着き、そこで、処刑されそうになるが、王の娘ポカホンタスによって命を助けられる。スミスは原住民の村で捕虜として生活をする傍ら、ポカホンタスと愛をはぐくむが、次の年の春にやってくる船団とともにイギリスに帰国するという条件で解放される。スミスは、慣れない土地での生活ですっかり変わり果てた仲間たちのもとに戻るが・・・。

上記のあらすじはこの映画のストーリーの核心部分には全く到達してない部分だったりします。2時間ちょっとある映画なんですけど、最初の1時間で2人の出会いが描かれて、後半は怒涛の展開が待っています。

この映画の特徴は、あまりにも美しい映像とあまりにも少ない台詞。それによって退屈だと感じてしまう人も多いのではないかと思いますが、アメリカ映画とは思えないような詩的で叙情性に溢れた作品で、自分は割りと好きな雰囲気でした。たまに手ブレしたような映像が入ったりするのも含めて、「シャンドライの恋」なんかと少し似た雰囲気の映画だなぁと思いました。

ポカホンタスとジョン・スミスの愛のテーマのような感じで流れるモーツァルトのピアノ協奏曲のあまりに切なくそして美しいメロディもとても印象的でした。

この映画のタイトルの「ニュー・ワールド」というのが非常によくできていて、前半はイギリス人、ジョン・スミスが見た新大陸アメリカがまさに「新世界」として展開するのですが、その後、後半で視点がスミスからポカホンタスに移り、今度は彼女が見たヨーロッパ世界が「新世界」として描かれるわけです。そして、さらに、思春期の少女ポカホンタスが大人の女性へと成長していく姿も「新世界」というキーワードでまとめることができるのではないでしょうか。

あと、台詞が少ない一方で、たまに挿入される詩のような独白があるんですけど、これもまた、物語が展開するにつれて、様々な解釈を得ていて、正直理解しづらい部分があるのも事実ですが、なかなか面白かったです。

後半に出てくるクリスチャン・ベイル演じるもう1人のイギリス人男性の圧倒的なまでの包容力というか暖かさがとても印象に残りました。彼が登場して以降は、それがゆえに、生まれる切なさが画面いっぱいに広がったような感じでしたねぇ。

あと、イギリス人たちのやや理不尽ともいえる大陸への上陸を見ていて、そこに現在のアメリカを重ね合わせると、なんとも言えない気分になりますね。

ところで、ジョン・スミスの人生をふりかえってみると、何度も何度も死の危機に直面していて、ポカホンタス同様にかなり波乱の人生ですね。彼の生涯を描いた映画とかあったらそれはそれで面白そうかも。

余談ですが、ディズニー版「ポカホンタス」は曲がとても良いですよね。この「ニュー・ワールド」の美しい映像を見ていて、「カラー・オブ・ザ・ウィンド」で歌われる自然世界を実写で堪能できたのが嬉しかったです。あと、ディズニー版のエンディング曲「If I Never Knew You」がタイトルからして、この映画ともとてもマッチしているのも面白いです。

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「どーなつ」 北野勇作

「どーなつ」 北野勇作 ハヤカワ文庫

書店で見かけてなんとなく気になった1冊。

ある日突然、半径5キロほどの灰色のドーム状のものに覆われてしまったエリア。そこに入るための門を抜けると記憶の一部が曖昧になってしまう。乗り手がその腹部に入り、神経をつなぎ自らの意識をリンクさせることで操作する電気熊、アメフラシによる人工コンピューターを作ろうとする女性、歩く脳、そして、どこかで起こっているらしく、まだ続いているのかどうかも定かではない戦争などを独特のテンポで描き出す連作短編集。

全部で10篇が収録されていて、全体を通して「記憶」というものが大きなテーマとして扱われてます。一見すると、まったくつながりがないような話もあったり、話し手が同じなのか違うのかが曖昧だったり、同じ名前の人物が出てくるが、なんだか雰囲気が違ったりして、読者である自分もそのなんだか曖昧でつかみどころのない「記憶」の世界に放りこまれてしまったような錯覚を感じてしまうような作品でした。話し手が誰なのかすら曖昧になるあたりは、まさに小説というメディアならではの手法ですねー。

表紙のイラストを西島大介氏が描いているんですけど、作風も西島氏の「凹村戦争」などに極めて近い雰囲気でした。ブレードランナーなどの往年の傑作SFに最大限の敬意を払っているところや、SFなんだけれど現実っぽいようなどこかつかみどころのない世界観などよく似ていると思います。

タイトルの「どーなつ」にあるとおり、ぽっかりと穴があいたような、つかみどころのない雰囲気が全体に流れていて、どうもすっきりしないところが多い作品ではありましたが、心の奥の方にひっかかる何かを残す作品でした。

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2006年11月18日 (土)

「風の影」 サフォン

「風の影」 上下 カルロス・ルイス・サフォン 集英社文庫

本国スペインでは空前の大ベストセラーになり、その後、世界各地で翻訳され、数々の受賞記録を持ち、日本語に翻訳されるや、各書評で大絶賛という作品。新聞で池澤夏樹氏が書評を書いているのを読んで、面白そうだなと思い、読んでみました。書評読んだのは、かなり前ですが・・・。

ダニエル少年は、ある日、書店を営む父に連れられて「忘れられた本の墓場」という、大量の本が眠っている場所に連れて行かれる。そこで手にした「風の影」という本に魅せられた少年は、その作者であるフリアン・カラックスという作家に興味を持ち、彼について調べはじめる。出版された本はなぜかどれも入手不可能な状態、そして、作家本人の経歴も謎だらけ。そんな謎を追ううちにダニエル少年の身の回りでも事件が起こる。バルセロナを舞台に1冊の本とその作者をめぐる少年の冒険を描く。

えっと、これだけのベストセラーで、ブログなんかを回っても絶賛の嵐の中、こういうことを書くのは気がひけるんですけど、自分にとって、この本、面白いか、つまらないかで言えば、「つまらない」のカテゴリーに入ります。下巻を同時に買ってしまったので、がんばって最後まで読みましたが、結構苦痛でした。

下巻は物語がかなり動くので、まだ楽しめましたが、上巻は、テンポが遅いのと、あと、作家の謎を追う主人公が、ゆかりの人を訪ねては、チラリと輪郭が出てくるの繰り返しで、そして、その謎自体があまり魅力的なものではなくて、なんだか、じれったさを感じてしまったんですよね。しかも、その謎がさ、結局、主人公が自分で解き明かすってわけじゃないのが、なんとも微妙でした。あと、脇をとりまく人々はかなり丁寧に描かれていて、魅力的な人物もいるのに、一方で、肝心の主人公がなんだかつかみ所の無いキャラで、感情移入できなかったというのもあります。でも多分、ストーリーっていうか、「謎」そのものに全く面白さを感じなかったってのが大きいに違いないです。

あと気になったのが翻訳。新聞のタイトルは「スポーツの世界」とか、なんだか不自然な訳を与えていたりする一方で、ピソとかカフェ・コン・レチェとか明らかにカタカナ語としてなじみのない言葉を原語のままカタカタ表記ってのはちょっと不親切な気がしました。せめてカフェ・オレとかにすればいいのになぁとか思ってみたり。

それでも、バルセロナという街を魅力的に伝えてたり、「本の墓場」というなんとも粋な設定があったりと、部分部分は「おっ」と思うところもポツポツとありましたね。世間では極めて評判が高いようなので、単に僕が作品を理解して読んでなかっただけなのかもしれませんし。きっと、良い本なのでしょう。

ところで、これって「ミステリー」っていうんですか??

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2006年11月16日 (木)

映画「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」

「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」 2005年 米・英・仏

イギリスからやってきた王道ファンタジー映画。何気に豪華なキャストたちが本当に楽しそうにのびのびと演じてるのが印象的な佳作でした。

葬儀屋で働くセドリック・ブラウンは妻をなくし、7人の子供達の世話を乳母に頼んでいたが、子供達はイタズラを繰り返し、次々と乳母たちは仕事を辞めていくという状態。また、セドリックは給料が少なく、亡き妻の叔母から子供達の養育費を援助してもらっていたが、1ヶ月以内に再婚をしなければ、その援助を打ち切ると宣告されていた。そんな折、17人目の乳母が辞めてしまい、街の斡旋所にはもう代わりの乳母がいなくなってしまい、セドリックは困り果ててしまう。そして、ある晩、いつも通り、子供達が大暴れしているところに、ブラウン家の扉をノックする者が。不思議な力を持つナニー・マクフィがブラウン家にもたらした奇跡とは・・・という物語。

この映画、最大の失敗、それは、ポスターやDVDのジャケでしょう。青を基調にして、少年を中心にぐるりと登場人物が配置されて、なにやら、魔法っぽい効果がちりばめられてるって、まんま、「賢者の石」じゃん!これだけ見ると、ハリポタブームに便乗して製作されたB級ファンタジーな印象しかないですよね・・・。キャストも豪華だし、何より、映画としてとても面白かったので、もっともっと上手に展開できたのでは?と思ってしまいました。

乳母をやめさせるイタズラっ子たちのもとに現れる新しい乳母によって、子供達、そして、家族までもが変わっていくというと、40年ほど前だったらジュリー・アンドリュースが歌い踊ってやっていた役どころですよね。「メリー・ポピンズ」と「サウンド・オブ・ミュージック」を足したような設定は、どちらも好きなものにしてはなんとも嬉しいです。

子供達のいたずらはかなり過激で、こんなことまで!と思ってしまうようなものばかりなんですけど、さらりと子供達の本音をきかせることで、悪ガキたちにもすんなりと感情移入するように持っていってくれたので、子供の視点、大人の視点という2つのサイドで映画を楽しめる作りがなかなか良かったですね。ストーリーは教訓的になりすぎることもなく、とても上手にコンパクトにまとめられていて、90分の間、かなり楽しんで見ることができました。エマ・トンプソン、「いつか晴れた日に」も面白かったし、脚本を書かせると、かなり上手いんですね。

で、その脚本も書いているエマ・トンプソンがイボ&だんご鼻&出っ歯という特殊メイクに身を包んで、謎の乳母を演じているんですけど、ハリー・ポッターでの怪演を観た後では、このくらいでは、もはや驚かなくなってしまいましたね。しかし、この方も何をやらせてもステキな女優さんですねー。こんな姿でも魅力たっぷりでした。

そして忘れてはならないのが、子供達の父親を演じるコリン・ファース。彼はなんといっても、Mr.ダーシーなんですが、こういう子供向けファンタジーというのもなかなか良い感じではまってましたね。なんだかとても楽しそうに演じてるのがとても印象的でした。

エマ・トンプソン、コリン・ファースととも「ラブ・アクチュアリー」で、とても印象に残る見事な子役っぷりを見せてくれたトーマス・サングスター少年は、悪ガキのリーダー格を、見事に演じていて、渋々「please」って言う場面なんかとても良かったです。

他の出演者も、ブラウン家のコックは「ヴェラ・ドレイク」での熱演が記憶に新しいイメルダ・スタウトンだし、キーパーソンとなるメイドさんは「トレイン・スポッティング」のヒロイン、ケリー・マクドナルド(ちなみに彼女、僕が一番好きなバンドTravisのベーシストさんと結婚してます☆)。さらに、怖い叔母さんを演じるのは、「美女と野獣」のMrs.ポットこと、アンジェラ・ランズベリー。

イギリス映画を代表するような役者さんたちが、力を抜いて、本当に楽しそうに演じているのがなんとも心地よい作品で、決して大作とは言えないのだろうけど、なんとも心温まる映画でした。

あと、手法としては「レモニー・スニケット」なんかと似てましたが、エンド・クレジットのアニメもなかなか楽しめました。

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2006年11月 8日 (水)

映画「ピンク・パンサー」

映画「ピンク・パンサー」 2006年 アメリカ

実に2週間ぶりの映画レビュー。週2本ペースを続けていたので、かなり久々に映画を観たという感じですね。

クルーゾー警部を主役にする傑作シリーズの21世紀版リメイク。スティーヴ・マーティン、ケヴィン・クライン、ジャン・レノがそろってコメディをやるというのだから面白くないわけがありません。

サッカーの試合会場で起こった殺人&盗難事件の謎を解くため、警察から担当警部に任命されたのは、フランスきっての大馬鹿警部クルーゾー。表向きの捜査を無能な彼に担当させることで、その裏で真の捜査本部が事件を追うという作戦であった。看守役の相棒ジルベールとクルーゾーのドタバタ捜査を描くコメディ。警視庁の主任警部をケヴィン・クライン、クルーゾー警部をスティーヴィ・マーティン、相棒のジルベールをジャン・レノとそれぞれに傑作コメディ出演経験のある実力者を集めて、ヒロイン役には人気歌手のビヨンセ、そして、クライブ・オーウェンも驚きの役で登場という無茶苦茶豪華なキャスト。

ちょっと前のハリウッド産コメディ映画の雰囲気たっぷりの映画で、終止笑いが止まらなかったです。スティーヴ・マーティンはあいかわらず何をやらせても本当に上手くて、そのコメディの才能が如何なく発揮されていました。あの、妙にデフォルメされたフランス訛りの英語でしゃべるだけで、面白いので、台詞があるシーンは全部ニヤニヤしてしまうのに、そこに、派手なアクションなんかが加わるともう完全ノックアウトでした。

フランス訛り英語の時点で民族系、言語系のネタの香がプンプンするんですけど、最後の最後まで、それが非常に上手くいかされた脚本で、上手いなぁ~と感心してしまうくらい。途中出てくるメチャメチャ、イギリス英語のキャラも決して面白い役どころではないのに、典型的過ぎてつい笑っちゃいました。

下ネタもチラホラあるけれど、典型的なバカネタも沢山で、もはや、こちらの期待通りの展開でギャグが繰りひろげられるという爽快感が良いですね。コテコテではあるけれど、ダンスの場面とかは抱腹絶倒でした。

ケヴィン・クラインの活躍がちょっと物足りないとか、ビヨンセの出番が割りと地味だったとか、ちょっと痛々しいギャグが見ていてつらいとかありますけど、基本的にこういうコメディは何も考えずに楽しめたもの勝ちだと思うので、満足です。続編、十分ありだと思うので、ちょっと期待します。90分っていうコンパクトさも良かった。

といいつつ、ちょっと不満を言いますと、オープニングのアニメが地味でした。DVDに収録されてる採用されなかったバージョンのオープニングのほうが僕は好き。3Dのパンサーが思いのほか、良い感じだし、映像もこちらのほうがオシャレ。そして、監督のコメントも未練タラタラ。ピンク・パンサーは幼少のころ、住んでいた外国で、毎週放送されていたアニメシリーズを家族みんなで見ていて、アニメのピンク・パンサーはちょっとした思い入れがあるだけに尚更そう思っちゃいました。

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2006年11月 6日 (月)

「本の読み方」 平野啓一郎

「本の読み方」 平野啓一郎 PHP新書

先日に引き続き平野啓一郎氏の著作ですね。普段、新書はほとんど読まないし、読んでもレビューは書かないんですけど、いつも取り上げている小説家の平野氏の文章ということで、レビューを。

著者が速読ならぬ、遅読「スローリーディング」を提唱するという1冊。小説はいたるところに作家の意図が埋もれていて、それを味わいながらじっくりと読み進めていくことで、より深い読書体験ができるし、やや内容が硬いテキストでも、じっくりと読むことで、内容理解が深まるというようなことを書いています。前半はスローリーディングの方法について語って、後半は実際に色々なテキストを実例にだしての実践編という構成です。

うーん、自分も速読とかで小説を読むってのは、なんとももったないことをしているとは常々思っているけれど、ここでの議論はちょっと極端かなとも感じました。とくに、速読を強く批判して、遅読を奨励するという話の運び方は読者に強くうったえかけるものがあるけれど、そもそも、「速読」って何らかの目的を持ってなされることが多いわけで、日常の読書と並列的に扱うのはどうかなとも思ったりします。まぁ世の中には日常の読書も速読で、一ヶ月に100冊読みます!みたいな人もいるんだろうけど・・・。でもそういう人は恐らく、そんなに深い文学作品は読んでないよね。あと、音読も否定していたけれど、最近流行の音読は、決して日常の小説を読むための手段として提唱されているわけじゃないんだから、それを一概に否定するのもなぁと思います。

あと、もう1つ、とても不満に思った点があります。文中に太字で書かれた部分がチョコチョコ登場して、ここはポイントだということをこれでもかというくらいに主張しているんですけど、そういう太字こそ、「速読」向けの演出なんじゃないかと思うわけです。せっかくスローリーディングを主張しているのだから、読者がちゃんと読んでくれることを期待して、太字とかあえて入れなくても良いのになぁと思いました。

こういう内容の本なだけあって、読者を納得させるような巧妙な議論の進めかたをしているなぁとも思うんですけど、部分部分では納得できるものの、言われたとおりにじっくり読んでみると、1冊の本の中で、実はつじつまの合わないことを言ってたりする部分もあって、そういう点もちょっと気にはなるんですけど、なかなか楽しんで読むことができました。つじつまが合わない部分は、恐らく、平野氏が読者の側に立って書いているときと、作者の側に立って書いているときがあるのが原因なんだと思います。

全般的に言ってることはよく分かるし、良いことも沢山言ってるとは思うのですが、こういう新書を購入するような人って既にここで書かれたことを実践しているような人ばかりなんじゃないかとも思うんですよね。平野氏が書いてるってことで、純文学ファンも多く読むだろうし。なので、普段読書をしないような人たちまで彼のメッセージを届かすってのは結構大変だと思うんだけれど、その割りに大したプロモーションもなされていない様子なので、ちょっともったいない気がします。

さて、これを読む限りでは、平野氏は作品執筆に際して、かなり考えて書いているようなので、先日、「必然が見えてこない」とまで書いてしまった「高瀬川」の官能描写も、単に自分の読みが浅いだけなのかもしれませんね。今後は気をつけてじっくりと作品を読むようにします。スイマセンでした・・・。なんか知らないけど、この新書読んだら、作者本人からクレームがきたような気分になってしまったよ・・・

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2006年11月 4日 (土)

「海に住む少女」 シュペルヴィエル

「海に住む少女」 ジュール・シュペルヴィエル 光文社古典新訳文庫

「猫とともに去りぬ」に続いて、古典新訳文庫は第2回配本にもまた魅力的な作品を持ってきてくれました。これはますます今後の展開が楽しみなシリーズです。

作者は、詩人としても知られていて、フランス語で文筆活動を行っているものの、南米とフランスを行ったり来たりという人生を送っていたという経歴を持っているとのこと。

寓話的な作品を集めた短編集で、どれも独特の味わいのある作品ばかりでした。とりわけ印象に残った作品をいくつか紹介。

「海に住む少女」
表題作ですが、コレが本当に素晴らしい短編でした。海に浮かぶ町に1人で住む少女が主人公で、彼女の日常を描いた作品なんですけど、とても詩的で美しい作品世界で、キラキラと輝くような作品でした。それでいて最後に訪れる暗い余韻がスパイスとしてきいていて、なんとも味わい深かったです。

「セーヌ河の名なしの娘」「空のふたり」
なんとも不思議な死後の世界を描く2作品。天国とか地獄とか言ったのとは全然違う独特の世界。これまた詩的というかなんというか。決して、「美しい」世界ではなくて、これまた暗い余韻の残る作品。

「ラニ」
部族の長になった男にふとした事故から訪れた転落人生。あまりに切なく哀しい物語で、強烈に印象に残りました。

「ノアの箱舟」
この短編集には聖書を題材に取った作品が2つあるのですけど、こちらのほうが面白かったです。ノアの箱舟の裏話を描いた作品ですが、なんとも印象的な冒頭からはじまり、箱舟に乗れなかったものたちの悲哀や、乗れたものたちの箱舟内での様子など、これまたちょっと影のあるイメージで描いた作品。

「牛乳のお椀」
数ページしかない本当に短い作品ですが、これがまたなんとも印象深い作品。短いながらもしっかりと心に何かを残してくれます。

これ以外の作品も馬に変身する男の話やキリスト生誕に立ち会った動物たちを描くなど独特の視点が光る佳作ぞろいでした。どの作品も、共通しているのは、暗い余韻でしょうか。幻想的な世界を描いて、一番最後のオチを暗い方向に落としてくるというのがこの作家の味わいのようです。

あと、とにかく「孤独」を感じさせる切ない作品ばかりでしたね。不条理な場面にポツリと1人取り残されてしまった者たちの悲哀がこれでもかというくらいにどの作品でも一貫して描かれていて、読んでいて決して楽しい本ではないのだけれど、なんだかスーッと心に染み入るような味わい深さがある作品ばかりでした。

詩人というだけあって、どれも、非常に研ぎ澄まされた感性を感じさせる内容で、とにかく全体を包む、雰囲気が美しい作品集でした。うん、これも、フランス語で読めたらもっと楽しめるんだろうなぁと思われる1冊で、自分の語学力の無さが悔やまれました。

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2006年11月 2日 (木)

ブログ開設1周年

昨年の11月2日に、過去に書いていた本や映画の感想を、データベースみたいにしてまとめることができるのではないかと思ってブログを始めて、今日で1年。

1年の間に書いたレビューは156件。大体、2~3日に1つというペースでしょうか。当初はアクセス数も少なかったんですけど、今年の夏頃から急に来訪者が増え始めて、定期的に見ていただいている方々もいらっしゃり、作者としては嬉しい限りです。レビュー以外の記事はほとんど書かないブログなので、自分の気持ちなんかが伝わりにくいのですが、読者の皆様には大変感謝しております。TBやコメントをしていただいた皆様、本当にありがとうございます。つたないレビューばかりですが、今後ともよろしくお願いします。

せっかくなのでこの1年の人気記事TOP10.

1 ユナイテッド93
2 歓びを歌にのせて
3 ディズニー・アート展
4 ダブリン市民
5 猫とともに去りぬ
6 ピクサー展
7 出口のない海
8 春の雪
9 プロデューサーズ
10 ねじの回転・デイジーミラー

上位3つは、TBを沢山していただいた記事で、アクセス数が多いのも納得なのですが、意外なのが第4位。実は検索語句の第1位が「ジェームス・ジョイス」で、どうやらこの記事が検索によくかかっているのが理由のようです。大した感想じゃないだけに、とても恐縮なのですが、読んでもらえるのは嬉しいですね。5位は、割と最近の記事で、ここのところではダントツ1位のアクセス数です。恐らくこれから先ももっと伸びるんだろうね。

さてさて、そんなわけで、これからもがんばって更新していきます。ちょっと余裕があったら、リアルタイムで読んだり観たりしたもののレビューだけじゃなくて、過去に見た作品について書いたり、特集記事みたいなものも書けたら良いなぁとは思うんですけど、なかなかまとまった時間がとれないので、少し先になりそうです。

近頃ちょっと忙しいので、映画を見る余裕がないのが本当に辛い・・・。

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2006年11月 1日 (水)

「高瀬川」 平野啓一郎

「高瀬川」 平野啓一郎 講談社文庫

平野氏は現役作家の中でもかなり好きな作家で、この作品も単行本が出たときからかなり気になっていました。

この作品の単行本には、さらに、ちょっとした思い出がありまして、発売された当初、都内の某書店にてサイン本が数冊平積みされていて、ファンとして買おうか買うまいか悩んでいたところ、その日は持ち合わせが足りなかったために断念。翌日、朝一で買いに行ったものの、すでに売り切れていました。というなんだかとても悔しかった思い出があるので、今回ようやく読むことができて本当に嬉しい限り。(単行本買えよっていう突っ込みは無い方向で!)

全部で4作品が収録された短編集。京都の町を歩きながら、様々なことを回想する「清水」、表題作で、作家と編集者との一夜の性愛を艶かしく描く「高瀬川」、実験的作品「追想」、実母の影を求める少年と恋人と不倫中の女性の人生の交錯を描く「氷塊」の4作品を収録。

芥川賞作品を含めた初期2作であれだけ明治~大正の文学の香を感じさせた作者の短編の作品集、そして、高瀬川といえば著名な文学作品をどうしても思い浮かべてしまうということでかなり期待してたんですけど、なんだか作者の求める方向がちょっと分からなくなってきたというのが本音です。あの特徴的な擬古文ならぬ、擬明治文学な文体はすっかり姿を見せず、なんとも読みやすい現代的な語り口調に。文章が上手いのはエッセイなんかでも分かっていたので、非常に読みやすい作品なんですけど、内容がね・・・。実験に走りすぎてるというかなんというか。

「清水」は正統派な短編作品できれいにまとまっていましたが、続く、「高瀬川」は読んでいてこちらが恥ずかしくなるほどの官能小説なんですね。そして、その官能描写の必然性が見えてこないまま終わってしまったという感じ。しかも妖艶な小説でもないのでちょっと中途半端感がいなめず。でも最後の余韻は嫌いじゃないです。

面白かったのは実験的な後半2作品。実験の手法としては決して新しくはないのかもしれないけれど、なかなか楽しんで読めました。特に「氷塊」はどのように読んだらいいのか一見分からない不思議なレイアウトを含めて、とても手のこんだ作品で、その手法を見事に生かして、妙な緊張感を味わえるなかなか面白い1作。コレを読めただけでも、この短編集を買ってよかったと思います。

若くして注目を浴びた平野氏が次に進む方向を模索しているのがひしひしと感じられる短編集ではあるんですけど、初期作品の文体、作風をもっともっと洗練させるような方向でも十分だとは思うんですけど、どうなんでしょうか。

さて、そろそろ「葬送」第2部を読みますか・・・。

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