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2006年11月22日 (水)

映画「ニュー・ワールド」

「ニュー・ワールド」 2005年 アメリカ

ディズニーの「ポカホンタス」と同じ題材の映画ということで、ディズニー好きとしてはとても気になっていた作品です。この映画ではディズニー版の後日談の部分も映画化。冒頭で泳ぐポカホンタスが出てきたときはディズニー版の完全実写リメイク!?なんて思ってしまったんですけど、全然違った趣の作品でした。あと、アニメではメル・ギブソンのイメージができてしまっていたので、コリン・ファレル演じるジョン・スミスに微妙に違和感。

17世紀初頭、イギリスから新大陸にわたってきた船団はヴァージニアに到着する。反逆罪で捕らわれていたジョン・スミス大尉は、船長によって解放され、彼は新大陸の原住民との交渉役に任命される。原住民の王を訪ねる途中、仲間とはぐれたスミスは1人インディアンの村にたどり着き、そこで、処刑されそうになるが、王の娘ポカホンタスによって命を助けられる。スミスは原住民の村で捕虜として生活をする傍ら、ポカホンタスと愛をはぐくむが、次の年の春にやってくる船団とともにイギリスに帰国するという条件で解放される。スミスは、慣れない土地での生活ですっかり変わり果てた仲間たちのもとに戻るが・・・。

上記のあらすじはこの映画のストーリーの核心部分には全く到達してない部分だったりします。2時間ちょっとある映画なんですけど、最初の1時間で2人の出会いが描かれて、後半は怒涛の展開が待っています。

この映画の特徴は、あまりにも美しい映像とあまりにも少ない台詞。それによって退屈だと感じてしまう人も多いのではないかと思いますが、アメリカ映画とは思えないような詩的で叙情性に溢れた作品で、自分は割りと好きな雰囲気でした。たまに手ブレしたような映像が入ったりするのも含めて、「シャンドライの恋」なんかと少し似た雰囲気の映画だなぁと思いました。

ポカホンタスとジョン・スミスの愛のテーマのような感じで流れるモーツァルトのピアノ協奏曲のあまりに切なくそして美しいメロディもとても印象的でした。

この映画のタイトルの「ニュー・ワールド」というのが非常によくできていて、前半はイギリス人、ジョン・スミスが見た新大陸アメリカがまさに「新世界」として展開するのですが、その後、後半で視点がスミスからポカホンタスに移り、今度は彼女が見たヨーロッパ世界が「新世界」として描かれるわけです。そして、さらに、思春期の少女ポカホンタスが大人の女性へと成長していく姿も「新世界」というキーワードでまとめることができるのではないでしょうか。

あと、台詞が少ない一方で、たまに挿入される詩のような独白があるんですけど、これもまた、物語が展開するにつれて、様々な解釈を得ていて、正直理解しづらい部分があるのも事実ですが、なかなか面白かったです。

後半に出てくるクリスチャン・ベイル演じるもう1人のイギリス人男性の圧倒的なまでの包容力というか暖かさがとても印象に残りました。彼が登場して以降は、それがゆえに、生まれる切なさが画面いっぱいに広がったような感じでしたねぇ。

あと、イギリス人たちのやや理不尽ともいえる大陸への上陸を見ていて、そこに現在のアメリカを重ね合わせると、なんとも言えない気分になりますね。

ところで、ジョン・スミスの人生をふりかえってみると、何度も何度も死の危機に直面していて、ポカホンタス同様にかなり波乱の人生ですね。彼の生涯を描いた映画とかあったらそれはそれで面白そうかも。

余談ですが、ディズニー版「ポカホンタス」は曲がとても良いですよね。この「ニュー・ワールド」の美しい映像を見ていて、「カラー・オブ・ザ・ウィンド」で歌われる自然世界を実写で堪能できたのが嬉しかったです。あと、ディズニー版のエンディング曲「If I Never Knew You」がタイトルからして、この映画ともとてもマッチしているのも面白いです。

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コメント

こんにちは。またお邪魔します。
ディズニー作品をたくさん観たと思っていたのに、『ポカホンタス』はつい最近、WOWOWで観るまで未見でした。
先にこちらの映画を観ていたので、
かえって『ポカホンタス』のスミスやロルフのビジュアルや描き方に、
つい違和感を持ってしまいました。
それは仕方ないことなんですけれど。
それ以外は、今回もまたよく似た感想を持たれたようで嬉しかったです。

そうそう。いしいしんじさんの『ぶらんこ乗り』読みました。
大好きです、あの世界。早速、お気に入りに追加、です。

投稿: 悠雅 | 2006年11月22日 (水) 17時40分

いつもコメント&TBどうもありがとうございます!!

コチラを先に見てしまうと確かに
ディズニーの「プリンス」ジョン・スミスは違和感がありそうですね。
自分は逆なので、この小汚い男がジョン!?なんて思ってましたが(笑)

「ぶらんこ乗り」、自分が一番最初に読んだいしい作品です。
先日ようやくやや積読状態にあった「プラネタリウムのふたご」
を読み始めましたので、次に書く本のレビューは
これになりそうです。

投稿: ANDRE | 2006年11月22日 (水) 23時56分

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