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2006年11月23日 (木)

映画「ルート225」

「ルート225」 2006年 日本

以前、原作を読んだときのレビューで(コチラ)、映画化される際には是非観てみたいと書いていた作品が無事映画化されDVD化されたので、早速見てみました。主演は「夜のピクニック」の主演で脚光を浴びている多部さんです。

かなり原作に忠実な映画化だったのであらすじもそのままなんですけど、簡単に。ある日、帰りが遅い1つ年下の弟を探しに出かけた主人公は、近くの公園に1人たたずむ弟を発見する。彼はイジメにあい、Yシャツに落書きをされたため、家に帰りづらくなっていたのだが、なんとか説得して2人で一緒に家に向かって歩き始める。しかし、大通りがあったところには突然海が。何かがおかしいと思い、とりあえず引き返して、改めて歩き始めると、今度は無事帰宅に成功。しかし、家に居るはずの母親の姿は無く、いつまでたっても父も母も帰っては来なかった。基本は今までの世界と同じなのに、死んだはずのクラスメートが生きていたり、疎遠になった友人が親友だったり、両親がいなかったり高橋由伸がちょっとだけ太っていたりとどこかが少しだけ違う世界に迷い込んでしまった姉弟を描く。

原作ものの映画は原作を読んでから見るとガッカリすることが多く、満足はできても、原作を越えたと感じることは少ないのですが、この映画はちょっとスッキリしないラストを含めて驚くほどに原作に忠実に作りながらも、その良いところをググッと凝縮して描き出し、一つの映画として完成させたとても珍しい例ではないでしょうか。非常に満足度が高い作品でした。

異世界もののSF作品ではあるものの、迷い込む世界が、それまで生きてきた世界のすぐ隣にある、少しだけ違う世界という設定になっているため、SFっぽさはそれほどなくて、姉弟の日常を切り取ったような静かな邦画の雰囲気で撮られた映画で、主演2人のあまりにも自然体な演技がキラリと光っていました。

原作を読んだときに一番気になったのは主人公のいかにも現代っ子ですというような独白が小説になった途端とても不自然になってしまう部分だったのだけれど、この映画では、そんな不自然さが完全に解消されていて、弟との漫才のようなやりとりがとても心地よい仕上がりでした。主人公は、常に冷静で、毅然としているんですが、最後のほうで、思わず本心が出てしまうような場面があり、そこでは、こちらもつられて思わずジーンとなってしまいました。

あと、下手をすればちょっとホラーさえ感じさせかねないストーリーなんですが、上記のほんわかとした2人のやりとりに加え、ヨーロッパ映画のような、オシャレなのほほんとしたBGMが上手く使われていたのも、かなり好感度が高かったですね。

原作を読んだ際に、結構賞賛したラストも、まさに自分が思い浮かべたもののままで、なんとも言えない余韻を残してくれました。

実はあまり期待せずに見たんですけど、これはかなりの拾い物でした♪

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コメント

ANDREさん、こんばんは。
TBとコメントありがとうございました。
お邪魔するのがまた遅くなってごめんなさい。

小説の映画化は、いつもどこかで何かを諦め、妥協して観る必要があって、
好きな小説の映画化ほど、そのギャップをどう埋めようかと思うのですが、
これに関しては、そんな心配が不要だったんですね。
ほんと、とても珍しいことですよね。

設定はSFながら、暗示や寓意が潜んでいて、そう思うと
すっきりしないラストも、受け入れるしかないという感じ…
主人公の2人の演技も等身大でとても好感が持てたし、
わたしにとっても、拾い物の1作になりました。

投稿: 悠雅 | 2007年10月 2日 (火) 23時04分

>悠雅さん

TBとコメントどうもありがとうございます。

この作品は原作ものの映像化の中では
本当に珍しく満足できた作品でしたねー。
主演の多部さんはこの作品を見て以来気になる女優さんの1人です。

投稿: ANDRE | 2007年10月 3日 (水) 01時04分

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