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2006年12月26日 (火)

映画「V・フォー・ヴェンデッタ」

「V・フォー・ヴェンデッタ」 2005年 アメリカ・ドイツ

ナタリー・ポートマン主演で近未来のロンドン舞台というだけで、ポートマン好き&英国好きの血が騒ぐ作品です。「マトリックス」のスタッフによる作品ですが、映画好きを公言している割に「マトリックス」シリーズは見ていない自分だったりしますので、その辺りのネタには触れられません。

舞台は、サトラー議長による独裁政権により、思想統制がなされ、民衆に自由がなくなった近未来のロンドン。主人公イヴィーはある晩、夜間外出をして自警団に詰問を受けているところを、ガイ・フォークスの仮面を被ったVと名のる謎の男に助けられる。Vは1年後に独裁政権を倒すことを国民に告げ、イヴィーはその渦中へとのみこまれていく。イヴィーを中心に、Vの過去を探る警部の物語も交差し、謎の男Vの正体、独裁国家となったイギリスの裏側が徐々に明らかになっていくという物語。

うーん、なんていうんでしょうか。面白いんだけど、なんだか微妙なのも事実。

この映画を見てまっさきに思ったのは、浦沢直樹の「モンスター」と「20世紀少年」を足して2で割って、そこに映画「レオン」がミックスされたような映画だなぁと。この感想は、分かる人には相当のネタバレだったりしますが・・・。最後、主人公がバラの花を植えたところに、スティングの曲がかかって終わったりして・・・なんて思ってしまったり。キャストがキャストなだけに。まぁ、そんなことはありませんでしたが。

謎が謎を呼ぶ(?)ストーリーが売りなのかもしれないけれど、見せ方が凝りすぎているというかなんというか、ちょっと分かりづらいような印象でした。Vの描き方はなかなか良いなぁと思わせる一方で、主人公イヴィーの心情の変化がつかみづらかったように思います。見せたい映像や場面があって、無理にそこにこじつけようと持っていっているような印象も。

あと、メッセージ性がやたらと強いというか。Vが饒舌なのはそういうキャラだから良いとしても、全体に説明的過ぎる気がしました。

基本のネタになっているガイ・フォークス、映画でもあまり取り上げられることのないイベントですけど、イギリスではかなりポピュラーな年中行事の1つ。でもやはりなじみが薄いので、それだけで、この映画のメッセージがぼやけてしまうのもなんだかもったいなかったです。

この映画、製作がドイツとアメリカってのがなかなか皮肉めいているなぁと思いました。まぁ、イギリスが作ったら、あのラストシーンの映像は過激すぎてなかっただろうなとは思いますが。

結構辛口評価ですが、ストーリーはなかなか引き込まれたし、チャイコの「1812」の使い方も面白かったし(お見事!って感じでしたね)、「レオン」ファンとしてはナタリー・ポートマンとVの関係も楽しめたしで、楽しめた部分も沢山ありましたよー。ロンドンの映像が沢山あったし。

この映画、邦題が分かりにくいですよね。「○ for ~」っていう表現はそこまで馴染みがないと思うのです。「vendetta」は「復讐」という意味なんだけれど、このタイトルではそれも上手く伝わらないですし。「『フ』は『復讐』の『フ』」っていうような意味だけれど、これだと、映画の中の「V」が伝わらないしね。「復讐のV」とかでも良かったんじゃない?

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コメント

>全体に説明的過ぎる気がしました。
これはアメリカのお家芸でしょう。言うだけ野暮かもしれない。

映画の内容とは全然関係ないけど、この映画のタイトルは本当にわかりにくいと思う。「フロム・ダスク・ティル・ドーン」も判らなかったけど。「宵と暁の狭間」ぐらいに出来なかったのかと思ったね。しかし、「フは復習のフ」だとまるでドレミの歌みたいだからなぁ。仕方が無いのかもしれない。

投稿: hiroshi | 2007年1月 5日 (金) 18時27分

>hiroshi

コメントさんきゅー。

邦題は「お、上手いね~」と思うのもたまにあるけれど、
なんだかなぁってのも多いよね。
一番分からないのは、現代とは違うカタカナタイトルをつけるとき。
古い映画は邦題もかっこいいのが多いよね。
最近の配給会社はタイトルに凝ろうとしてないのかな。

この映画に関して言えば、確かに邦題は難しいんだけどね。

投稿: ANDRE | 2007年1月 6日 (土) 01時04分

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