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2007年2月24日 (土)

「分別と多感」 ジェーン・オースティン

「分別と多感」 ジェーン・オースティン ちくま文庫

超傑作映画「いつか晴れた日に」の原作である「Sense and Sensibility」の翻訳本がついに文庫化。文庫とはいえ1500円という高額はちょっと気になるところですが、内容に関して言えば大満足。

ダッシュウッド家で家長である父親が亡くなり、その遺産が現在の妻ではなく、先妻との間の息子に相続されたことから物語は始まる。ダッシュウッド夫人は、それまで住んでいた屋敷を離れることとなり、3人の娘を連れて、新天地にやってくる。ダッシュウッド家の長女と次女は結婚適齢期。長女のエリナーは、常に自制心を保ち、分別ある行動をとることを心がける理性の人。一方で、次女マリアンは物語のような恋愛に憧れる、情熱的な感情の人。2人はそれぞれに恋をし、周囲も2人の結婚は間近と思っていたのだが、2人の恋には思わぬ波乱が待ち受けていたという物語。

人間の描写がとにかく素晴らしい作品です。「高慢と偏見」のほうが完成度では上かもしれないけれど、キャラクタとしてはこちらの作品の方が僕は好き。

この作品は、タイトルにもなっている対照的な2人の姉妹の恋の行方を描くんですけど、他にも、様々な登場人物たちが対照的なペアとして描かれていて、20名ほどの登場人物がそれぞれ確固とした個性を持って非常に生き生きと描かれているのが、読んでいてなんとも面白いです。

2人の姉妹だったら自分は理性の人であるエリナーのほうが好きかなぁ。これは映画を観たときにもそうでしたねぇ。しかし、この原作を読むと、映画版のエリナーのほうが、やや感情的というか。原作ではもっともっと自制心の強いキャラクタでした。自分の感情を殺して、家族の幸せのために頑張る姿が凛としていてステキです。

理性と感情という対立は作品が書かれた18世紀のヨーロッパが背景にあることを考えると、古典主義とロマン主義の対立が想像され、どちらかというと理性の姉のほうが特異な存在として描かれる辺り、当時の人々のものの考え方が垣間見られて面白いです。

ストーリーの感想としては、最後の最後、あなたたち本当にそれでいいんですか!?という気がしないでもないのですが、その辺の複雑な乙女心は僕には分かりません・・・。

オースティンは辛口批評家として知られた漱石が絶賛した作家としても有名ですが、確かに面白いですね。買ったまま積読状態になってる「マンスフィールドパーク」も早いところ読もうっと。今年はオースティンを読破だ!!

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