映画「マリー・アントワネット」
Marie Antoinette 2006年 アメリカ
製作されるという情報を聞いたときから、これは是非見てみたい!と思っていた作品。やっぱり劇場で見て大正解!
1770年、14歳の若さでオーストリアからフランス王室に嫁いだマリー・アントワネット。絢爛豪華なヴェルサイユでの生活ではあったが、問題は夫のルイ16世のお世継ぎ問題。優しい夫ではあるが、彼は夜、同じベッドで寝ていてもマリーにはまるで無関心。やがて、いつまで経っても懐妊しないマリーに対して、様々な憶測、誹謗中傷の声がささやかれるようになる。そんな中、ルイ16世の弟夫婦に長男が誕生し、ますます肩身が狭くなる。1人で外国の王室に嫁ぎ、周囲からの冷たい視線に耐え、夫が自分に感心を持つようになるのを待つ孤独を埋めるかのように、豪華絢爛な毎日を過ごすマリーだったが、やがて、彼女も懐妊して・・・。
これまで、どちらかというとマイナスイメージで描かれることのほうが多かった悲劇の王妃マリー・アントワネットを新たな切り口で描いた作品。
良くも悪くもソフィア・コッポラ作品でしたね。
舞台は華麗な18世紀のヴェルサイユ宮殿でも、描かれている内容は「ロスト・イン・トランスレーション」と何一つ変わっていないという印象です。ポップで可愛いCMを見て、期待して行った人々は肩透かしを食うのではないかというくらいに、明るいけど、常にアンニュイな雰囲気が漂う作品で、台詞も切り詰めて、派手な音楽と美しい映像でマリーの心象風景を描き出す作品。どんなに明るいシーンでも常に感じられるマリーの孤独がとても印象的な作品でした。
ラスト、誰もが知っている悲しい悲しい結末が最期が待っているわけですが、この映画ではマリー・アントワネットを題材にしながらも、フランス革命がほとんど描かれないというのもとても面白い点でしたね。テーマはあくまで、マリー・アントワネットその人であって、歴史の一幕を描きたいわけではないという監督さんの立場がはっきりと感じられました。
さて、そんな映画ではありましたが、見ていてこれでもかというくらいに画面いっぱいに映し出されるスイーツの数々にメロメロです。何を隠そう甘いものには眼がない僕なので、見ながら、「うぉー、食べたい!!この生活だったらパンがなくても、ケーキだよ~」なんて思ってしまうくらい。マカロンとか苺系のケーキとかどれもこれも・・・。
あとは、ヴェルサイユ宮殿の良い部分だけを凝縮した映像がまた良かったですね。人間の暗い部分は多少描かれてはいるものの、舞台、衣装、映像にいたっては終止、華麗で絢爛豪華なヴェルサイユが終止描かれ続け、この煌びやかな映像は必見!
あと、ソフィア・コッポラはやっぱ音楽が良いね!洋楽リスナーだったら聞き逃せない内容です。サントラほしいなぁ。
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