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2007年3月26日 (月)

映画「スーパーマン・リターンズ」

Superman Returns 2006年 豪・米

昔はかなりの頻度でTV放映されていたような記憶のある「スーパーマン」シリーズが復活!ということで、子供の頃、旧シリーズがかなり好きだったということもあって、クリストファー・リーブではないスーパーマンに不安を覚えつつ見てみました。

生まれ故郷の惑星クリンプトンを求めて旅に出、惑星の消滅を確認し、5年ぶりに地球に戻ってきたスーパーマン。無事、クラーク・ケントとして元の新聞社にも復帰した彼が目の当たりにしたのは、スーパーマンの恋人、ロイスが「スーパーマンは必要ない」という記事で賞をもらい、ささらには婚約者がいて子供まで生んでいたという現実。同じ頃、かつてスーパーマンとの戦いに敗れた悪党レックス・ルーサーが出所し、恐ろしい計画を企てていた・・・。という物語。

驚くほどに80年代のシリーズの続編でした。これ、いきなりこの作品だけ観ても分からないところが多いんじゃないの??

さて、設定その他があまりにも昔の作品を下敷きにして入るものの、ストーリー面で言えば、極めて現代的な作品でした。とりわけ、テロ後のアメリカを強く実感させる内容でしたね。あのテロでスーパーマンのようなヒーローは存在しないと誰もが強く実感した今となっては、とんでもない脅威が起こって、それをスーパーマンが救出するというだけでは、なんだか虚しささえ覚えてしまうようにも感じられるのですが、この映画では、世界規模の「戦争」などではなくもっと身近な人助けをする「みんなのヒーロー」としてのスーパーマンが描かれていたし、脅威に陥った街を彼が救うというストーリーでもないのが、ヒーローものとしてはとても新鮮。さらに、ラスト近くの、80年代だったら絶対にありえなかったであろうある意味衝撃の展開にも驚きました。そして「グ○ム童話かよ!」と突っ込みを入れたくなるような展開も・・・。

この映画、2時間半ていうのが、ちょっと長いですよね。途中のシーンがとにかく最新映像技術でスーパーマンの活躍を描きたかっただけなのでは?と思ってしまうような、それほど本筋とは関係のない、映像だけを見せたいような場面がかなり多くて、「リターンズ」なので、そういう部分も必要だとは思うけれど、全体的にちょっと長かったかなぁと思ってしまいました。

個人的には、方向転換したバットマンよりもこっちのほうが好きかなぁ。続編とかあるんでしょうか。

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