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2007年3月17日 (土)

映画「ドラえもん のび太の恐竜2006」

ドラえもん のび太の恐竜2006  2006年 日本

先日テレビで放送されていたものを録画したものを、暇をみつけてチョコチョコと何回かに分けて視聴。オリジナル版はもちろん見ているし、我が家にある原作のコミックは、もはや何度読み返したか分からないほどのボロボロ具合。ドラえもんの声優が一新され、この作品をリメイクすると聞いたときは、本当に驚いたものです。

おおまかなストーリーは、原作のまま。ある日、のび太はふとした勢いで、いつもの仲間たちに恐竜の化石を手にいれて見せてやると宣言してしまう。必死になって、恐竜のことを調べ、近所を掘っていたのび太は、大きな丸い化石のようなものを掘り起こす。ドラえもんのタイムふろしきを使ったところ、なんとそれは、恐竜のたまご。本物の恐竜を皆に見せてやろうと、このたまごを孵して、密かにピー助と名づけた恐竜を育て始めるのび太であったが、やがて彼の前に怪しい男が現れて・・・。白亜紀の恐竜世界を舞台にいつもの仲間たちが繰り広げる大冒険を描く作品。

ラストの台詞「ちょっとね」こそが藤子FのSFの真髄なのだと改めて実感する一方で、ところどころの改変部分が微妙に気になってしまって・・・。というのが感想。

実は僕は藤子F氏の大ファンです。彼の残した作品は今でも読み返すし、そのたびに、この人やっぱり天才だよ!と認識し、感心しています。藤子F氏にとってのSFとは「少し不思議」の略で、常に日常と隣り合わせたところで、少しだけ不思議なことが起こるというのが彼の作品の大きなテーマ。恐竜世界でどんなに大冒険を繰りひろげてきても、タイムマシンを使えば、机の引き出しの中にほんの1分ほど入っていたに過ぎないわけで、そんな日常の世界のすぐ隣で大冒険をし、主人公達が成長して帰ってくるというギャップがなんともいえなく良いよなぁと思ってしまいます。

この映画、キャラクタのタッチが妙にくねくねとした動きをする割と荒い線画で、昔見たドラえもん作品に思いいれがあるものとしてはとても違和感があるものだったんですけど、いざ見始めてしまうと、それはあまり気になりませんでした。あと、部屋の中の風景とか、空き地とかの場面でも、以前なら絶対にこのアングルはなかったというようなアングルからの絵があったりして、声だけではなく、「ドラえもん」という作品そのものが変わったんだなぁというのを強く実感したのですが、製作してる人々が本当にドラえもんという作品を愛しているんだなぁというのもひしひしと伝わってくる作品だったので、特にがっかりすることもありませんでした。好きか嫌いかといわれれば、微妙ですが・・・。

とりわけ良かったのは、主題歌「ボクノート」のインストアレンジをバックにタケコプターで白亜紀の空を飛ぶ場面。テレビですらかなり素晴らしいと思える場面だったので、音響の良い映画館で大画面で見れば、本当に感動できたのではないでしょうか。うん、この場面は、映画館で見たかったなぁ。あと、空を飛ぶつながりで、電池の切れたタケコプターで体も回転しちゃうってのは、これまでありそうで描かれなかった映像なように思います。「おぉ」と感心しちゃいました。

と、良かった点も多い映画なのですが、テレビ放映の際にカットされたのか、最初からないのかが分からないんですけど、原作において自分がかなり好きな場面がことごとくカットされてるのがちょっと残念でした。プールを出してピー助を泳がせるとママがくるとか、恐竜の背ですべり台とか、1億年という時間についてみんなで話し合うとか。そして、後半の展開がかなり大胆にカットされてアレンジされてたりとか。TPくるの早すぎるよー!とか思ってしまいました。そして、脱出の際にとられた手段は、「ドラえもん」という作品に関して言えば、反則技なのでは??と思ってしまったんですが、どうなのでしょうか。

あと、大人になって見ると、ストーリーにつっこみどころ多いね。と、自分の成長を感じてしまったところも。

そうそう、TV放映で、ラストのラスト、感動も頂点になったとこで、エンディングで主題歌の「ボクノート」を聞いてさらに感動が!!と思っていたのに、エンディングがカットされて、新作映画の宣伝になってしまってましたね。「ボクノート」は好きな歌なので、メチャメチャ肩透かしを食らってしまいましたよ・・・。仕方ないので、CDで歌だけ聴いてみたり。

ところで、今年のドラ映画は「魔界大冒険」のアレンジ版なんですね。これ、うちにある原作コミックのボロボロ具合がNo1といっても過言ではないくらいに読まれた作品です。これは、どうなんだろ。うーん。来年もアレンジなのかな。

ちなみに僕の好きな大長編ドラTOP5は「鉄人兵団」「海底奇岩城」「大魔境」「魔界大冒険」「宇宙開拓史」ですかね。あれ、初期のばっかだ。後期では、「夢幻三剣士」は結構好き。

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