「城」 カフカ
「城」 フランツ・カフカ 白水uブックス
発売と同時に購入したのに、半年以上積読の末、ようやく読み終えました。
主人公は測量技師のK。ある日彼は、城から仕事の依頼を受けて、村へやってくる。とりあえず、城を目指して進むのだが、どうしても城にたどり着くことはできず、さらには、そんな仕事の依頼があったのかどうかも定かではない様子。そんな中、いかにも村の役人といった村長、助手として派遣されたというコミカルな2人組など、Kは風変わり人々と出会い交流を深めていく。城からきたという高官クラムの愛人をしていた女性フリーダとは結婚することになってしまうし、気がつけば村の小学校で雑用をすることになったり・・・。という物語。
もはや、「測量」は一体どこへ??と思ってしまう不条理な物語。いくら未完とはいえ、本当に何も残らずに物語が終わってしまい、ぽかーんとしてしまうような作品でした。
もう、カフカといえば不条理なんですが、このシリーズで発売になっている「変身」「審判」と読んできて、そちらの2冊は物語の設定そのものにかなりの不条理さを感じられたんですが、この作品はもう、全てが不条理。ストーリーなんか無いに等しいんだもん。作品そのものが不条理の塊みたいな感じ。それなのに、最後まで読んでしまう不思議な小説でした。そして、読むのにすごい時間かかったのに、突き放されたような感じでとてもあっけない読後感。「で、何?」という感じです。
測量にきた主人公が、色々な人、延々と内容があるのかないのか定かではないようなトークを繰りひろげていって、気がつくと、結婚してたり、働いてたり。雰囲気としては「不思議の国のアリス」がもっと現実的かつ不条理さをアップさせたような感じですね。読んでいる途中から、ずっと「アリス」っぽいなぁと思ってしまいました。
話は変わりますが、こういうたらい回しって結構世間に存在してるよなぁ・・・。と思います。
物語がつかみどころがなさすぎて、感想も書きづらいや。決してつまらなくはないんですけどね。
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