映画「女はみんな生きている」
Chaos 2002年 フランス |
先日見た「奥さまは名探偵」で、主演をしていたカトリーヌ・フロがとてもよかったので、過去の出演作を見てみようと思って借りてきました。
主人公エレーヌ(カトリーヌ・フロ)はある日、夫ポール(ヴァンサン・ランドン)と夜間のドライブ中に1人の娼婦ノエミ(ラシダ・ブラクニ)が暴行を受けている場面に遭遇する。彼女は2人が乗った車に助けを求めたが、ポールは係わり合いになりたくないからと車のドアをロックし、その場をやりすごしてしまう。翌日、ノエミのことが気になったエレーヌは彼女が運ばれたという病院を訪ね、彼女の世話を始めるのだが・・・。という物語。
夫ポールは母親が訪ねてやってきたら居留守をするし、エレーヌのことを家政婦扱い。大学生の息子は家を出て同棲中だが、夫と同様に訪ねていったエレーヌに居留守を使い、どうやら浮気問題が浮上中の様子。そんな中、エレーヌはノエミの身の上話を聞き、2人は男たちに反旗を翻すために立ち上がる。
監督・脚本は「赤ちゃんに乾杯」などの名作で知られるコリーヌ・セロー。ちょっと前まで公開されてて、見たいなぁと思っていた「サン・ジャックへの道」も同じ監督さんですね。
テンポの良いストーリーで、ユーモアもたっぷりつまった中に、男性はちょいと肩身が狭くなってしまうようなストーリーがサスペンス調にハラハラドキドキしながら展開して、非常に面白い作品でした。
この映画、カトリーヌ・フロ目当てで見たんですが、彼女の役どころが前に見た「奥さまは名探偵」とほとんど変わらないことにビックリ。この映画でも好奇心旺盛な奥さまを魅力たっぷりに演じていました。彼女の出演作、今後もチェックしたいですねー。ユーモラスな場面もシリアスな場面も非常に温かみがあって観ているものを惹きつける力を持つなかなか良い女優さんです。
この作品のテーマがダメダメな男たちへの女たちの復讐ということなので、登場する男たちがひたすらにダメダメで、逆に、女性達が非常に生き生きと描かれているので、男性としては観ている間中、「さすがに自分はこんなことは・・・」と思いつつも、どこか肩身が狭くなってしまうような作品でした。逆に女性が見れば、非常に気分爽快な部分があるのかもしれません。やっぱりというかなんというか監督も女性なので、そのメッセージの強さに妙な説得力が感じられます。最後のほうとか、男が単なるバカとしか映らないので、ちょっとやりすぎ感も感じたのは自分が男性だからでしょうか・・・。
現代のフランスにおいても、男尊女卑的な部分が結構色濃く残ってるんだなぁというのが感じられて、他にも親子関係だとか、移民社会の様子だとかフランスの社会が垣間見られて、そういう点でも興味深い作品です。あと、純粋にインテリアだとか服装だとかも、見所が多かったですねー。音楽もスタイリッシュだったし全体を通してセンスが良い作品だと思います。
ちなみに、この作品、監督自身の手でメリル・ストリープ主演でハリウッドリメイクされるみたいですが、そちらはどんな感じになるんでしょうか。オリジナルが十分面白いから、あえてリメイクしなくてもいいのになぁと思いつつ、監督が同じみたいなので、ちょっと楽しみです。でもカトリーヌ・フロの魅力はメリル・ストリープにはないんだよなぁ。
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コメント
こんばんは!男性の視線から観た感想が気になっていたのですが、男性からみても面白い作品だったのですね。
ハリウッド作品だったら、男性の中でも必ず一人は主人公の味方になる人が出てくるんだろうな~なんて思ってしまいました。ハリウッドリメイクされたら、そこをチェックしたいです(笑)
投稿: yuki@レンタルだけど映画好き | 2007年6月14日 (木) 00時15分
>yukiさん
コメントどうもありがとうございます。
映画そのものは面白いですけど、
あまり気分が良いものではないというのも事実です。
ハリウッドリメイク気になりますが、
監督が自身でリメイクするみたいようなので
場合によってはますます男性の立場が気まずくなる映画
になってたりして・・・という可能性もあるかもしれませんよ。
投稿: ANDRE | 2007年6月14日 (木) 00時33分