ミュージカル来日公演「ヘアスプレー」
hairspray 来日公演@渋谷オーチャードホール 2007.7.26 |
先週、映画『ヘアスプレー』のレビュー(コチラ)を書きましたが、それはこの舞台を観にいくための予習でした。サントラも買ってたし、いつもながらばっちし予習して、渋谷に行ってきましたよー。今回は誰もがうらやむ(?)、目の前がオケピの指揮者位置という正真正銘の最前列ど真ん中席☆
ではいつも通りストーリー紹介から。
舞台は1962年のアメリカ、ボルチモア。主人公のトレイシーは踊るのが大好きな太った女子高生。彼女は友人のペニーと2人でテレビの素人参加型の人気ダンス番組に夢中だった。ある日、2人は番組のオーディションがあることを知り、会場へと出向くのだが、トレイシーは体型を理由にオーディション参加をプロデューサーに断られてしまう。ところがそんな折、学校で知り合った黒人の少年シーウィードから黒人たちの間で流行ってるダンスを伝授されたトレイシーは、そのダンスで注目を浴び、人気番組への参加が許可され、一躍大スターになり、彼女は皆の憧れの歌手志望のリンクとも良い関係に。
やがて、白人のダンス番組に黒人が出演することなど認められていない中、トレイシーは友人となった黒人たちと共に、皆が一緒に番組に出演できるように行動を起こすのだが・・・。
オリジナルの映画版とは細かい設定が違う部分も多かったのですが、全体的なストーリーも大分変更が加えられているなぁという印象です。社会的な側面がより端的に分かりやすくなり、ストーリーも全般にこじんまりとまとめたなぁという印象ですね。でも、映画版にあった妙なあくの強さがなくなっていて、誰でも楽しめるエンターテイメントになっていたように思います。
いや~、もうね、最前列ど真ん中の臨場感は何者にも変えられないですよ。だって、自分の視界に何もさえぎるものがなくて舞台なんだもん。多少微妙な点があっても、この臨場感と、あとは圧倒的なダンス&歌のノリの良さでカバーされて、大満足の舞台でした。ポップな60年代的なカラフル舞台は見ていて楽しい。
今回特に印象に残ったのは、主人公トレイシーとその恋人役のリンクよりも、2人の友人のペニーとシーウィードのカップルのほうが歌も踊りも断然に上手かったこと。特にペニーは本当に印象に残って、もっとたくさん、彼女の歌と踊りを見たいなぁと思わせるほど。トレイシー役の子、役の設定とはうらはらにダンスなどを含めてそこまでの魅力がなかったような気が。もう少しカリスマ性が欲しかったなぁ。リンクは相手役なのに、あんまかっこよくないしね。あと映画では割とイケメンだったコーニー・コリンズも地味な感じでしたね。
で、主役&友人の2カップルがそれぞれにデュエットする「without love」という曲があるんですが、主役2人と友人2人のそれぞれが同じメロディをそれぞれ歌うので、歌の上手さの違いがくっきり出ちゃってた気がします。ちなみにこの友人カップル2人は、CDに収録されてるブロードウェーキャストよりも良かったんじゃないでしょうか。まぁ、CDと生とじゃ比較できないだろうけど。
キャスト的な話だと、あとは、トレイシーの母親役の人も、割とあくが強い印象のCD版よりもあっさりとした感じだったものの、存在感たっぷりで良かったですねー。シーウィードの母もソウルフルな歌いっぷりがかっこよかった!
この舞台版、オリジナル映画版と比較すると、かなりストーリーの変更があるんですけど、「ありえない」展開が多いのがちょっと気になりました。何故独房に!?とか、最後あなたが出てくるのは盛り上がるけど場違いだよ!とか。冷静になると、ツッコミどころが多すぎる・・・。映画版のほうがその点はストーリーがまとまってなぁと思います。分かりやすさを優先させすぎたのかなぁ。でも舞台だと、その場のノリで、細かいことは気にならなくなってしまうんですが、この舞台版をベースにするという秋公開のリメイク映画版で、その辺がどうアレンジされるのかが気になるところです。
映画版との違いでちょっと残念だったのはゴッキーの歌がなくなって、ゴキゴキドレスがなかったことかなぁ。映画の中では割と重要というか、パンチのあるシーンだったんだけどなぁ。あと、映画で結構狂信的なサイコキャラだったペニーの母がほとんど登場しないのも残念でした。
この舞台版、全体的に、リンクの出番が増えて、トレイシーの恋物語要素が強くなってましたね。あと、トレイシー母エドナの出番もかなり増えてましたね。この作品の裏の主役だもんね。エドナさんの魅力たっぷりなのは良かったですねー。逆に他の母親たちへのスポットライトがちょっと減ってたけど。しつこいようだけどペニー母とか。
好きだった歌は、上記の「withouto love」がダントツで好きですねー。シーン全体の流れや演出も含めてかなり良かった!!あと、トレイシーの妄想ソング「I can hear the bells」や、決起の歌「I know where I've been」なんかも好きですね。そして、最後の大盛り上がりのフィナーレ曲「You can't stop the beat」!!ノリノリでした♪
さて、ここからは、最前列ど真ん中自慢です。
この席、最大の欠点はやはり「字幕」が究極的にみづらい点。さえぎるものなしに、舞台を独占してる気分になれるものの、英語力の限界もあるので、たまに字幕を観ようとするんだけど、そうすると舞台が全く見えなくなってしまいます。結果、字幕見たの1割以下ですよ・・・。事前に映画で予習していってよかった♪
字幕といえば、今回の字幕、「超メタボ」とか割と最近の言葉をふんだんに使ってるのが新鮮だったんですが、この作品に限って言えば、これは不満。だって、作品の舞台は60年代なんだよ!これはやっぱり日本語の字幕も60年代流行語でいったほうが、レトロ感の再現ができたんじゃないかなぁと。
おっと、話がそれた。休憩が終わったあと、2幕が始まる前に、突如、オケピから指揮者さんが登場して、みんなに挨拶をするのですが、あまりに突然の登場にかなり驚かされました。そしたら、彼、オケピに引っ込む前に、我々最前列の人々に、「驚かせてごめんねー」ってささやいてくれましたよ!!この指揮者さん、フレンドリーな方で、帰り際にも、普通にちょっとお話しちゃいました!!いや~、いい人ですねー。
そして、この舞台、最後の最後は、客席の皆も立ち上がってみんなで一緒にダンスをするんですが、最前列は前のスペースがやや広いので踊りやすい!結構ノリノリで踊っちゃいました。キャストの皆さんも手振ると、反応してくれるし(多分)。このとき、立ち上がるとオケピの中が見えて、ついつい楽譜をのぞいちゃったり。楽譜見ながらミュージカル見るなんて機会初めてですよ!!
そんなわけで、非常に楽しめる最前列ど真ん中シートでした♪
ちなみに帰るときに、本物のヘアスプレーをお土産で配るという粋な演出が面白かったです。
<追記>
この舞台を元にした2007年の映画版も見ました! (コチラ)
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