映画「ヘアスプレー」(1988)
hairspray 1988年 アメリカ |
来週、来日公演のミュージカル版を観にいくので、予習をかねてオリジナルの映画版を見てみました。ちなみに今年の秋には舞台版を基にして再映画化されたものが公開されるようです。
物語の舞台は1960年代初頭のアメリカ、ボルチモア。主人公トレイシーはダンスが大好きな太った女子高生。学校から帰ると親友ペニーと二人で一緒に地元TV局の人気ダンス番組「コニー・コリンズ・ショー」を見ながらTVの前で踊る日々を過ごしていた。そんなあるとき、トレイシーは、この番組のレギュラー出演者のオーディションに合格し、一躍街の人気者となる。時代は公民権運動が高まっていた1960年代、トレイシーとライバルの正統派美女アンバーとの確執は次第に黒人差別への運動を巻き込んでいって・・・。という物語。
うーん、難しい。決してつまらなくはないし、良い映画だとも思うんだけど、でも、なにかが合わないというかなんというか。感想が書きづらい。
とにかくノリノリで踊りまくりの楽しい映画で、それでいて、ピリリと社会的テーマがきいているので、面白いには面白かったんですが、監督さんのテイストについていけない部分があったのも事実で、心のそこから楽しめなかった感じ。
60年代が舞台=ポップな色使いの画面という例に違わず、この作品も、カラフルな画面がとても楽しいのですが、それにもまして、タイトルどおりに、髪型がとにかくすごいことになってます。本当にこんな髪型してたのか!?
全編を通して差別という社会的なテーマを感じさせつつ、徹底して踊って踊って踊りまくって、明るくノリのよい映画に仕上げているのも面白かったんですが、ちょっとテンポが悪い感じもあって、深くのめりこめなかったのも事実。悪い言い方をすれば幼稚な雰囲気というかなんというか。わざとなんだろうだけど、はしゃぎすぎ感があって、置いていかれてしまった感じです。逆に言えば、そういう演出だったので、作品全体を貫くテーマの重さが上手いこと隠されていたようにも思えるんですけどね・・・。
主人公トレイシーが圧倒的な支持を集めていく作品ですが、やはり最大の決め手は彼女が本当に踊るのが大好きで楽しくて仕方がないということなんだろうなぁと思います。ライバルは最初はそうだったのかもしれないけれど、次第に、NO1になることが目標になってしまって、純粋に踊りを楽しむことができなくなってしまっていたように思います。踊りたいから、踊る。好きなものを制限されるなんて我慢できない。という部分が最終的に差別問題へとつながっていくのはなかなか面白い展開でした。
まぁ、なにはともあれ、来週見る舞台版でのアレンジが気になるところです。
<追記>
そんなわけで舞台版見てきましたー。 (コチラ)
さらに、2007年版映画見てきましたー。 (コチラ)
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