「福音の少年」 あさのあつこ
「福音の少年」
あさのあつこ
角川文庫 2007.6
*書籍画像がありませんでした・・・。
『バッテリー』が大ヒットのあさのさんの作品。そういえば、『バッテリー』も3巻までしか読んでないなぁ。完結したみたいだし、どっかでまとめて読んじゃおうかなぁ。
とある町にジャーナリストの秋庭が降り立つところから物語は始まる。彼は、この町で起こったアパートの火災事件の現場に立ち寄り、犠牲者の1人である藍子という少女のことを気にかけているところに、2人の少年が現れるというのがプロローグ。
高校生の明帆はどこかつかみどころのない不思議な雰囲気を持った少年で、クラスメートの藍子とつきあっていた。藍子と同じアパートに住む幼馴染の陽はそんな2人のことが気になる今日この頃。ある日、藍子と陽の住むアパートで火災が発生し、多数の犠牲者を出す。たまたま外出していた陽は難を逃れたのだが・・・。
果たして、アパートの火災は事故だったのか。そして、陽と明帆の2人がたどり着く、藍子の死の真相とは・・・。思春期の3人の少年少女の心の葛藤、成長を描き出す作品。
うーん、なんか、感想が難しいなぁ・・・。一言で言ってしまえば、「これって続編あるの?」といったところでしょうか。最後が全然スッキリしない!!!
『バッテリー』のような爽やかさがない、ちょっとダークでドロドロとした青春ドラマで、つまらなくはないんだけど・・・。という感じです。こういうテーマは重松清が上手いんだよね。重松風の題材とテーマとあさのさんの作風との間に違和感を感じてしまったのかもしれないです。
2人の少年のキャラクター設定がなかなか面白いし、あさのさん独特の第3者的視点の文章がいつの間にか登場人物の独白的になっている心理描写の巧みさで、結構読ませてはくれるんだけど、どこか、イマイチ入り込めない物語なんですよねぇ。
あとはやっぱり、最後のスッキリしなさ加減に話は尽きるかなぁと。
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