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2007年8月

2007年8月31日 (金)

「ショート・トリップ」森絵都

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ショート・トリップ

森絵都

集英社文庫 2007.6.

毎日中学生新聞に連載されたショートショートを集めた短編集。一応、「旅」がテーマですが、様々なジャンル、文体で書かれています。

ショートショートと言うと、もう星新一のイメージが強すぎるんですが、これを読むと、森さんもなかなか面白いショートショートを書けるんだなぁというのが意外な発見。中学生新聞とはいうものの、小学生くらいから楽しめるような作品ばかりなんですが、それが大人の読者にはちょっと物足りない気がするのも事実。もう少しブラックさを含んでいるともっと楽しめたかもなぁ。

とはいえ、全作品が3ページという短さで、その短い中で、同じ3ページを使って次はどのような話が出てくるのだろうかとワクワクしながら読むことのできる1冊でもありました。気軽に楽しむ読書にはもってこいですね。寝る前とかに1話ずつよむのもよいかも。

ちなみに全52話あった中、単行本時より8話増やして48話を収録したということですが、残り4話は??中途半端でかえって気になります。たとえ駄作であったにせよ、こうなったらもう全部収録しちゃった方が良かったのでは?なんて思ってみたり。

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2007年8月29日 (水)

映画「大奥」

大奥 スタンダード・エディション

大奥

2006年

日本

テレビシリーズを全部見ているので、映画版を見ないわけにはいきません。

時は江戸、7代将軍家継の時代。まだ幼い将軍に代わり、後見人である間部詮房(及川光博)が実権を握り、老中達との対立が見え隠れしていた。大奥では、先代将軍の側室だった月光院(井川遥)が現将軍の生母となったことにより、先代正室の天英院(高島礼子)や同じく側室であった連浄院(松下由樹)は、年寄の滝川(浅野ゆう子)らとともに、月光院を快く思わずにいた。そんな中、大奥総取締であるまだ若い絵島(仲間由紀恵)は月光院を守りつつ、その聡明さから厚い信頼を集めていた。

そんな折、天英院らは、月光院と間部が密通しているという噂を耳にし、これを利用し、自らの勢力を挽回すべく、絵島の失脚を企てる。同じ頃、絵島は役者の生島(西島秀俊)と出会い、その姿に心を奪われていく。大奥最大のスキャンダルとして有名な絵島生島事件を題材に描かれる大奥の女の戦いと悲恋の物語。

うーん、テレビドラマ版のほうが面白かったなぁ。さらにいえば、ドラマ版でも絵島生島事件を脚色したエピソードがあったよね。そして、そっちのほうが面白かった。今回の映画のほうが史実には近いんだろうけど、いまいちぱっとしない印象です。

それでも、豪華絢爛な衣装や、脇役までを実力のある役者さんたちで固めた豪華な配役は見ごたえがありました。うーん、もったいない。

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2007年8月25日 (土)

映画「善き人のためのソナタ」

善き人のためのソナタ スタンダード・エディション

das leben der anderen

2006年

ドイツ

今年のアカデミー賞で外国語映画賞を受賞した作品です。近年、ドイツ映画がかなり好きなので、今回もかなり期待しつつ観てみました。

1980年代前半。社会主義体制をとる東ドイツでは国家保安省シュタージが職員による監視や、一般密告者たちの情報のもとで、思想や人民の活動を厳しく統率していた。シュタージの職員である主人公ヴィースラー大尉は、ある日、劇作家ドライマンを監視することになり、彼のアパートの盗聴を始める。ドライマンとその恋人である女優のクリスタの監視を続けるうちに、次第にヴィースラー大尉の心境に変化が訪れ・・・。という物語。

邦題の「善き人のためのソナタ」は作中に登場するピアノ曲のタイトルで、この作品でもかなりキーになっているんですが、予告を見て、勝手に、この曲が何度も印象的に使われるものだとばかり思ってたんですが、劇中で流れるのは1回だけなんですね。でも、下手に押し売りするんじゃなくて、その1回がとても深く使われてましたね。それを含めて、全体にとても丁寧な映画だったように思います。

扱っている題材からして、「面白い」という感想はもてない作品ですが、「良い作品」であることには間違いないです。わずか20年ちょっと前のドイツでまだこんなことが行われていたというのが、分かってはいても衝撃です。ドイツ映画の面白さは、ドイツの持つ近代史の重みが反映されてるんだろうね。

あとは、上記ストーリーの作品をハリウッドで映画化したらそれこそ、ドラマチックなエピソードを畳み掛けるように持ってきて、タイトルのソナタもこれみよがしに使うんだろうけど、この作品はやはりヨーロッパ映画、落ち着いた静かな演出が、主人公達の心情を静かに、だけど、的確にとらえて、絶妙の緊張感を生んでいたように思います。

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2007年8月23日 (木)

映画「ゲド戦記」

ゲド戦記

ゲド戦記

2006年

日本

天下のスタジオジブリ最新作です。それなのに、劇場で見たという友人達の評価は本当に酷いし、DVDが出たというのに、レンタル店で30本くらい並んでるのに1本も貸し出されてないし。でも、先入観を持たずに素直に見ようと思って見てみました。

国王である父親を刺し逃亡した少年アレンは、ハイタカという1人の年老いた賢人と出会う。ハイタカとともに旅をすることになったアレンは、旅の途中、荒廃した町や腐敗した大都市ホートタウンを通過し、やがて、ハイタカの昔馴染みの女性テナーの家に身をよせ、2人はテナーと共に暮らす少女テルーと出会う。そこで、自然とともに生活を始めるアレン。ところがそんな彼らのもとに、魔法使い「クモ」の魔の手が伸びる・・・。自らの影に脅える少年の成長を描くファンタジー。あれ、ゲドは??

で、感想ですが。

もはや感想書くのも面倒なんですが・・・。1時間くらい見て、どんどん先まで見る意欲が下がるっていうかなんていうか。それでも最後は素晴らしい作品になるかもしれないと思って頑張って見たんだけど。ねぇ。

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2007年8月22日 (水)

「パラレル」長嶋有

パラレル

パラレル

長嶋有

文春文庫 2007.6.

芥川賞のみならず、先日、大江健三郎の文学賞まで受賞し、注目度が上がっている長嶋氏の最新文庫化作品です。これまで読んだ中では「タンノイのエジンバラ」が抜群に面白かったんですが、果てさて今回は・・・。

主人公の七郎はバツイチ失業中の元ゲームデイザイナー。元妻とは今でもメル友だが、それ以上の関係ではない。七郎は大学時代からの友人の、女好きIT社長の津田とともに、キャバクラを巡ったりしつつ日々を送っていた。「なべてこの世はラブとジョブ」をキーワードに、30代の男の生き様を様々な時間軸を交錯させながら描いていく作品。

雰囲気としては「ジャージの二人」系の作品だけれど、こちらのほうが、登場人物に味があります。どうってことのない軽い話なんだけど、ところどころに名台詞が多いの印象的な作品です。特に、結婚式スピーチのネタは「なるほど!」と思ってしまいました。

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2007年8月20日 (月)

映画「今宵フィッツジェラルド劇場で」

今宵、フィッツジェラルド劇場で

a preairie home companion

2005年

アメリカ

群像劇の巨匠ロバート・アルトマン監督の最新作にして、遺作となった作品です。音楽が題材ということで気になって見たんですが、もうね、こんな「遺作」を撮れるのって素晴らしいんじゃないかと思ってしまうまさに奇跡の遺作でした。

舞台は地方ラジオ局の公開録音の長寿生番組、「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の収録が行われる、フィッツジェラルド劇場。今日もいつものように、満員の客席の前で、いつもの司会者がいつもの歌のメンバーたち、ゲスト歌手らとともに番組を進めていた。しかし、1つだけいつもと違うことが。ラジオ局の買収と劇場の取り壊しが決まり、今日の放送が「最終回」なのだ。長年一緒に働いてきたスタッフや出演者たちの誰もがこれが最後であることを語らず、いつも通りにショーは進んで行くのだが・・・。という物語。

うーん、これはさ、劇場で見ないと意味ないんじゃないの?だってどう見ても、、劇場で見たときに、我々がフィツジェラルド劇場にいるかのような錯覚にいる陥ることを狙ってるじゃん!家の小さな画面じゃ意味ないよー。残念極まりない。そのくらいに、歌&公開録音の場面がしっかり作られてる。

あと、メリル・ストリープ、トミリー・ジョーンズ、ケヴィン・クラインといった芸達者な役者さんたちのさりげない名演がキラリと光ってます。他の出演者もみんな良い。リンジー・ローハンも今まで見た中で一番良かった!

まさに「終わり」の美学を描いた作品で、これを「遺作」として残したアルトマン監督は最後の最後まで名監督ですよ!!!ただひたすら、それが凄い。遺作になったのが偶然であるのならば、彼には映画の神がついていたとしか思えない。

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2007年8月19日 (日)

映画「インド夜想曲」

インド夜想曲

nocturne Indien

1988年

フランス

かなり前に読んだアントニオ・タブッキの原作がかなり良かった記憶のある作品。その映画版であるこの作品も割りと良い評判をよく聞くので以前から気になっていた1本です。確かに原作の雰囲気を壊すことなく見事に映像化していましたねー。

主人公ロシニョルはインドで消息をたった友人グザヴィエを探しにボンベイにやってくる。唯一の手がかりである1通の手紙を足がかりに、彼の足跡を辿りながら、ボンベイ→マドラス→ゴアとインドを巡る主人公は様々な人々と出会い、語る。その対話の中で、自らのアイデンティティと向き合っていく主人公の姿を描くロードムービー。

うん、原作よりも、「対話」が濃くなってて、そこに、「インド」を生で感じられる映像の数々が挿入されて、これはなかなか面白い作品に仕上がってましたねー。一つ一つのエピソードに、うーむと考えさせられる哲学的なテーマが潜んでいて、見終わったあとも色々と思いを巡らせられる作品ですね。

あの原作を映像化するなんて、上手くいくのか?と思ったけれど、これは大成功ですね。傾向の似たオースターのNY3部作なんかもこういう感じで上手く映像化されないかなぁ。

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2007年8月17日 (金)

映画「歌う大捜査線」

歌う大捜査線

the singing detective

2003年

アメリカ

何やら歌う探偵が出てくるらしいということしか知らなくて、豪華なキャストなのに、全く話題になっていないという怪しさを感じつつも、歌ものなら見てみようかなぁと思い借りてきました。

ちなみに、某レンタル店では、刑事モノなんかと同じ棚に置いてありました。

主人公はストレスが原因で全身を皮膚病に犯され、関節も動かなくなり、病院で入院している作家ダン・ダーク(ロバート・ダウニー・Jr)。入院中の病室で彼は、自らの作品「歌う探偵」の世界の妄想にとりつかれていた。それは50年代のアメリカを舞台に、バーで歌いつつ探偵をする男(R.D.Jr自身)と、彼を追う2人のチンピラ(エイドリアン・ブロディとか)の物語。やがて、彼は精神科医(メル・ギブソン)とのカウンセリングをはじめ、自らの過去の記憶と向かい合っていくのだが・・・。現実、妄想、過去が入り乱れる中、1人の作家が自らのトラウマと向き合っていく物語。

ちなみに上記キャストのほかにも看護婦をケイティ・ホームズが演じてたりして、本当にキャストが豪華な1本です。キャストいえば、「デス妻2」で怪しげな隣人を演じたアルフレ・ウッダードも出てましたねー。彼女、もうさ、出た瞬間に「こいつが悪いのでは?」と思ってしまったり、「フォーガットン」で飛ばされちゃったりした映像を思い出しちゃって集中できません・・・。

うーん、少なくともこの映画は探偵モノでも、刑事モノでもない。そもそも捜査なんかしないし。ジャンルでいったら、シリアスなヒューマンものだよね。レンタル店のジャンル分けしてる人、タイトルだけで分類したんだろうなぁ。てかこの邦題も、いかがなものかと。

映画がはじまってしばらくして登場するロバート・ダウニー・Jrの全身皮膚病メイクがあまりにリアルで一気に画面を見るモチベーションが下がる作品(見てるだけで痒い)だし、探偵モノと思って見始めると、なにやら重い感じの人間ドラマだし、登場人物は突然歌いだすしで、「この映画は一体・・・」という感じでかなりの肩透かしを食らうため、そこで一気に見るモチベーションが下がるんですが、最初から人間ドラマと思って見てみると、そこそこに楽しめるんじゃないでしょうか。

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2007年8月16日 (木)

「森のなかのママ」井上荒野

森のなかのママ (集英社文庫 (い59-1))

森のなかのママ

井上荒野

集英社文庫 2007.5.

この作者のことは今まで知らなかったんですが、解説が長嶋有だったので、ちょっと興味をひかれて買ってみました。その割りに、ずっと積読だったんですが・・・。

主人公いずみは女子大生。有名な画家だった父が5年前に亡くなり、父の美術館兼自宅でママと暮らしている。いずみは離れに間借りしている熟年男の伏見(別居の妻子あり)に恋をしているが、伏見が好きなのはママのほう。家にはママを慕う男達が出入りし、賑やかな日々を過ごしているのだが、ある日、TVで父のドキュメンタリーを放送することになり、それが、一家に波紋を起こす。主人公の日々を淡々とみずみずしい文体で描く作品。

特に物語が面白いわけでもなくて、目新しい何かがわるわけでもないんだけど、なんだかついつい先まで読みたくなってしまう1冊でした。非常に読みやすい文体と親しみやすいキャラクター設定のおかげなんだろうけど、それだけではない「何か」が感じられる作品。でも、だからと言って、すごい面白かったかといわれれば、そんなでもない不思議な作品でした。

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2007年8月13日 (月)

映画「イカとクジラ」

イカとクジラ

the squid and the whale

2005年

アメリカ

ひっそりと公開されてた作品ですが、これも劇場公開時から気になっていた1本。低予算な感じのいかにもミニシアターな雰囲気の作品ですが、うーん、内容もなんだか感想かきづらい感じだぞ。

1986年のNYを舞台に、大学で講師をする売れない純文学作家の父、注目の新人作家として脚光を浴びる母、そして16歳のウォルトと12歳のフランクの4人家族を描く物語。ある日、母の不倫を理由に両親が離婚。子供2人は共同監護ということで、父と母それぞれの家を行ったり来たりすることとなった。両親の離婚による子供たちのショックは大きく、次男フランクは、アルコールに溺れて、やがて、学校で事件を起こしてしまう。一方で思春期まっさかりの長男のウォルトもまた、様々な悩みを抱え悶々とした日々を送る。バラバラになっていく家族に待ち受けるものは・・・。文学・映画・ロックをこよなく愛し、「低俗」を嫌うインテリ文系一家の崩壊を描く。

出てる役者たちがそれぞれにかなりはまっていて、引き込まれてしまう作品ではあるんだけれど、描こうとしていることも、脚本も決して悪くないんだけど、でも、なんだかとても痛くて切ないんだよね。

ところで、これを「コメディ」に分類しているTSU○AYAさん。どのくらい本気ですか?ブラックすぎだよ。

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2007年8月10日 (金)

映画「ミス・ポター」

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miss Potter

2006年

アメリカ・イギリス

公式サイト

(試写会にて鑑賞)
9月公開予定

今年、これから公開される予定の映画の中で猛烈に観たい作品が2つあったのですが、そのうちの1つの試写会に当たっちゃいました♪ちなみにこの試写会、一般人向きでは日本で一番早いものだったみたいですね。ラッキー☆

どうでもいいけど、ハリー君は同じ綴りでポッターだけど、彼女はポターなんだね。

舞台は20世紀初頭のロンドン。幼少のころより絵を描くことと空想が好きだったビアトリクス(レニー・ゼルウィガー)は、裕福な家庭で育ち、親の勧める縁談を断り続け、気づけば32歳。彼女は、自然豊かな湖水地方の別荘で過ごした幼少時代の思い出から生まれた1冊の絵本をかき上げ、出版社ウォーン社の門をたたく。

経営者のウォーン兄弟は、この絵本の出版を引き受けることになり、ビアトリクスは大喜び。ある日、そんな彼女のもとに現れたのはノーマン・ウォーン(ユアン・マクレガー)と名のる男。実はウォーン兄弟は彼らのこれまで家で母の世話をしていた弟、末っ子のノーマンが働きたいと申し出たので、経営を左右しない手ごろな本の出版の仕事を探し、ビアトリクスの作品に白羽の矢が立ったのであった。ノーマンは彼女の作品をとても気に入り、ついに2人は協力して1冊の絵本を作り上げるのだが・・・。世界的ヒットとなった「ピーターラビット」の作者ビアトリクス・ポターの半生を描いた作品。

レニー・ゼルウィガー×ユアン・マクレガーという超強力コンビ(『恋は邪魔者』でも共演してましたね~)によるこの作品、面白くないわけがないですよ。期待を裏切らない非常に良い作品でした☆この2人が主演ということもあり、ロマンティックコメディ路線の場面も多くて、会場でも終始クスクスと笑う声が各所で起こっていました。各人物のキャラが良いんですよ!それでいて、泣かせる場面、映像美を楽しむ場面、色々と考えさせる場面と見所も多い嬉しい作品です。ユアン・マクレガーの歌も聴けるので、『ムーラン・ルージュ』好きの女性ファンは必見(?)ですよ。

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映画「トリスタンとイゾルデ」

トリスタンとイゾルデ

Tristan + Isolde

2006年

アメリカ・イギリス・ドイツ・チェコ

ケルトの伝説が基になっていて、その後、ヨーロッパ各地に伝わった悲恋の定番を映画化した作品。製作にリドリー・スコットも関わっていて、公開時から気になっていたのに、あまりぱっとしない印象のまま公開が終了してましたね・・・。

舞台はローマ帝国衰退後、アイルランドの支配下にあったブリテン島。アイルランドに対抗しようと、複数の部族が同盟を組もうとしていたのだが、その場を襲撃されてしまう。そのとき、孤児となってしまったトリスタンは父の友人であったコーン・ウォール地方を治めるマークに拾われ、やがて、立派な青年に成長する。あるとき、コーン・ウォールを狙うアイルランドの武将に攻めいられ戦いになるが、トリスタンの活躍で無事勝利をおさめる。しかし、その際、敵の剣に塗られた毒によりトリスタンは倒れ、葬船にのせられ海に流されることに。やがてトリスタンをのせた小船はアイルランドの海岸に流れ着き、アイルランド王の娘、イゾルデは海岸に倒れていた彼を介抱するのだが・・・。という物語。

『ロミオとジュリエット』の原型などとして宣伝されてますが、そんな固有名詞を出さずとも、有名な物語だと思うんですけどね・・・。この映画、一般的に知られた物語からはかなり大胆なアレンジを加えてはいるものの、映画としてはなかなか面白い作品でした。

やたらと『ロミジュリ』を出してくるから、アイルランドとブリテンとの間の許されぬ恋なのかと思いきや、いえいえ、もっと近場の(?)許されぬ恋の物語で、非常に切なかったですねー。それもこれも、全ては「理想の上司」No.1的なマーク王の素晴らしさに尽きるわけですよ!!

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2007年8月 6日 (月)

映画「上海の伯爵夫人」

上海の伯爵夫人  スペシャル・コレクターズ・エディション

the white countess

2005年

アメリカ・イギリス・ドイツ・中国

カズオ・イシグロのオリジナル脚本を、「日の名残」、「眺めのいい部屋」などの英国文学映画の巨匠ジェームズ・アイヴォリーが監督するとなればこれは見ないわけにはいきません!!

舞台は1930年代の上海の欧米人たちが多く暮らす租界エリア。ロシアから亡命してきたソフィア(ナターシャ・リチャードソン)は、元伯爵夫人の未亡人。彼女は夫の母、叔母、妹らを養うために、ナイトクラブで働いていたのだが、プライドの高い家族たちからは冷たい視線を浴びせられ、唯一の心の支えは幼い一人娘のみ。一方、ジャクソン(レイフ・ファインズ)は、ある事件で家族を失い、自らも視力を失ってしまった元外交官で、彼の夢は、上海に一流クラブを作ること。そして、物語の鍵を握る第3の男として、謎の日本人、マツダ(真田広之)が登場する。激動の上海を舞台に描かれる、愛と人間のドラマ。

上海が舞台のイシグロ作品といえば、「わたしたちが孤児だったころ」(レビュー)があるんですけど、別にこれが原作というわけではなくて、オリジナルストーリーでしたね。舞台が全く同じなので、同じ取材がベースになってるんだろうね。

ところどころにイシグロ作品を感じさせるモチーフも出てくるし、重厚な作品ではあるんですが、ちょっと期待はずれだったかなぁ。うーん、2時間を越える長い作品なんだけど、特に前半が長く感じられて見るのが辛かったです。まぁ、でもそこそこには面白かったですよ。

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2007年8月 4日 (土)

映画「カンバセーションズ」

Conversations(s)/カンバセーションズ

conversations with other women

2005年

アメリカ・イギリス

男女2人の会話のみで展開するという大人向けのオシャレな映画。公開時から気になってたのですが、特殊な仕掛けが施されている作品なので、家でゆっくり見ることができて良かったなぁと思います。

ある結婚式のパーティ会場で10年ぶりに再会した元夫婦。男(アーロン・エッカート)は、今は15歳下のダンサーと付き合っていて、女(ヘレナ・ボナム=カーター)は、イギリスに渡りそこで再婚しており、2人とも新しい人生を歩んでいた。会場で出会った2人は、探り探りに会話をはじめるのだが・・・。という物語。

夜のパーティから物語が始まり、翌朝までひたすらこの2人が会話を重ねる様子を映すだけの作品なんですが、この映画、最初から最後まで一貫して画面が左右2分割になっているのが面白いところ。2つの画面に映し出されるのは、会話している2人それぞれアップだったり、近況を話してる場面では、一方にパーティ会場で話す2人、もう一方に近況の様子だったり。あとは、現在の2人と過去の2人を左右の画面で比較していたりと、2画面を色々に使って、会話だけの劇を盛り上げていました。

日本でのキャッチコピーは「男はズルいロマンチスト、女は罪なリアリスト」なんですが、英語の原題を見ると、複数の女性達との対話となっているので、どうやら、男が話している元妻が過去と現在ではまるで違う人物であるのに、それに男が気づかないというような皮肉があるようにも見受けられます。男は変らないけど、女は変るといった感じでしょうか。

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2007年8月 3日 (金)

映画「幸せのちから」

幸せのちから コレクターズ・エディション

the persuit of happyness

2006年

アメリカ

いつも同様に劇場公開時から見たかった作品です。こういう子供系の作品は良作が多いですからね~。

舞台は1980年代初頭のアメリカ。主人公クリス・ガードナー(ウィル・スミス)は、骨密度測定器を売るセールスマンで、妻と愛する息子クリストファーと3人で暮らしていた。しかし、機械を大量に仕入れたものの、売り上げは悪く、家賃は滞納続きで、家計は妻の長時間のパートで支えられていた。ところが、そんな折、ついに妻が愛想を尽かし、家を出て行ってしまう。NYへ行くという妻から愛する息子を引き取ったクリスは、研修生として証券会社での仕事をはじめる。ところが、6ヶ月の研修期間中、給料はもらえず、さらには、正規採用されるのは20名中たった1人だけ。幼い息子を抱え、平日は研修に通い、休日はセールスで稼いでいたクリスだったが、追い討ちをかけるように、家賃の滞納で家を追い出されることになり、厳しい現実が彼の前に立ちはだかる・・・。という物語。

実話をベースにしたサクセスストーリーなんですが、そこに、幼い子供を抱えるという要素が入った瞬間に、これでもかというくらいにヒューマンドラマ度が増すわけですよ。とりわけ、中盤以降は、もうね、ウィル・スミスの素晴らしい演技と子供の姿が・・・。なんか涙が溢れてしまいましたよ。

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2007年8月 2日 (木)

映画「ヴェニスの商人」

ヴェニスの商人

the merchant of Venis

2004年

米・伊・英・ルクセンブルク

先日原作戯曲を読んだので、以前から見たかった映画版をようやく見ることができました。これがね、もうとんでもない名画でしたよ!!好きかどうかは別にして、映画として素晴らしい。

ストーリーは原作のままですね。舞台は16世紀末のヴェニス。バッサーニオ(レイフ・ファインズ)は愛するポーシャ(リン・コリンズ)に求婚するためのお金を親友の商人アントーニオ(ジェレミー^・アイアンズ)に借りようとする。しかしアントーニオは、全財産を積んだ船が航海中で手元にお金がなかったので、皆から嫌われているユダヤ人の金貸しシャイロック(アル・パチーノ)に頼み、期限までに返却できない場合は肉1ポンドを差し出すという条件で金を借りることとなった。そんな折、アントーニオの船が難破したという知らせが届き・・・。

この戯曲、16世紀当時のユダヤ人弾圧の激しい時代背景もあり、卑しいユダヤ人を懲らしめる勧善懲悪ものという位置づけの作品で、「喜劇」に分類されているんですが、今回の映画化では、アル・パチーノ演じるシャイロックの素晴らしすぎる演技によって、完全に「悲劇」となっているのが印象的ですね。

まぁ、自分も原作戯曲読んだときから、これは悲劇だろーと思ったので、自分の解釈と一致した映画化ということもあり、とても面白かったです。

あと、この映画、映像がメチャクチャ綺麗です!!

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