映画「歌う大捜査線」
the singing detective 2003年 アメリカ |
何やら歌う探偵が出てくるらしいということしか知らなくて、豪華なキャストなのに、全く話題になっていないという怪しさを感じつつも、歌ものなら見てみようかなぁと思い借りてきました。
ちなみに、某レンタル店では、刑事モノなんかと同じ棚に置いてありました。
主人公はストレスが原因で全身を皮膚病に犯され、関節も動かなくなり、病院で入院している作家ダン・ダーク(ロバート・ダウニー・Jr)。入院中の病室で彼は、自らの作品「歌う探偵」の世界の妄想にとりつかれていた。それは50年代のアメリカを舞台に、バーで歌いつつ探偵をする男(R.D.Jr自身)と、彼を追う2人のチンピラ(エイドリアン・ブロディとか)の物語。やがて、彼は精神科医(メル・ギブソン)とのカウンセリングをはじめ、自らの過去の記憶と向かい合っていくのだが・・・。現実、妄想、過去が入り乱れる中、1人の作家が自らのトラウマと向き合っていく物語。
ちなみに上記キャストのほかにも看護婦をケイティ・ホームズが演じてたりして、本当にキャストが豪華な1本です。キャストいえば、「デス妻2」で怪しげな隣人を演じたアルフレ・ウッダードも出てましたねー。彼女、もうさ、出た瞬間に「こいつが悪いのでは?」と思ってしまったり、「フォーガットン」で飛ばされちゃったりした映像を思い出しちゃって集中できません・・・。
うーん、少なくともこの映画は探偵モノでも、刑事モノでもない。そもそも捜査なんかしないし。ジャンルでいったら、シリアスなヒューマンものだよね。レンタル店のジャンル分けしてる人、タイトルだけで分類したんだろうなぁ。てかこの邦題も、いかがなものかと。
映画がはじまってしばらくして登場するロバート・ダウニー・Jrの全身皮膚病メイクがあまりにリアルで一気に画面を見るモチベーションが下がる作品(見てるだけで痒い)だし、探偵モノと思って見始めると、なにやら重い感じの人間ドラマだし、登場人物は突然歌いだすしで、「この映画は一体・・・」という感じでかなりの肩透かしを食らうため、そこで一気に見るモチベーションが下がるんですが、最初から人間ドラマと思って見てみると、そこそこに楽しめるんじゃないでしょうか。
とはいうものの、そもそもこの作品、もともとは20年位前のBBCの連続ドラマだったものを、ハリウッドでリメイクしたものらしくて、本来は何時間かかけて描かれたエピソードを2時間弱で描くため、1つ1つのエピソードが割とポンポン展開する上に、その意味が分からないままにどんどん先に展開してしまうんだよね。分かりづらい場面が非常に多い。DVDには監督の音声解説がついてるんだけど、それを聞いて、初めて意味が分かった!っていう感じです。1回見たあと、解説とともに見るとかなり印象が変わりますねー。
解説がなきゃよく分からないってことは、映画としてはあまり上手くいってないってことか!?うーん、個人的には感想としては、オリジナルのドラマ版のほうを見てみたいなぁと思いましたね。
さて、主演のロバート・ダウニー・Jrといえば、人気ドラマ(「アリー~」)にも出演し、結構映画でも活躍し、歌手デビューまでしたものの、様々な問題を起こして、表舞台から去っていた俳優。実はこれ、彼の復帰第1作なんだよね。そう思って見ると、この主人公の境遇と彼の境遇にどこか被るものがあって、なかなか面白いです。迫真の演技だし。
あと、俳優といえば、メル・ギブソン。皮膚病メイクもかなりすごいんですけど、この映画、メル・ギブソンのメイクもかなりすごい。一瞬、彼だって分からないです。この作品、彼が製作も担当してるんだけど、全般的に非常に楽しんでる感じでしたねー。うん、どの出演者もとても楽しんでる感じなのは良かったですね。
当初思ってたのと全く違う系統の作品だったのでかなり戸惑ったものの、過去のトラウマと向き合っていく展開はなかなか面白かったですね。でも、割と良い題材なのに、最後の最後まで分かりづらいってのが残念。
ミュージカル風になるときのブラックな演出も面白いんだけど、いかにもな感じの探偵映画風映像だったり、主人公の妄想映像なんかが割りと凝っていてそれも楽しかったですね。
あとはやっぱりこの妙な邦題。人気作に似せなくても良いじゃん。邦題つけた人もこの作品見てないんじゃないの!?とか思ってしまいます。「歌う探偵」でいいじゃん。
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