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2007年8月 4日 (土)

映画「カンバセーションズ」

Conversations(s)/カンバセーションズ

conversations with other women

2005年

アメリカ・イギリス

男女2人の会話のみで展開するという大人向けのオシャレな映画。公開時から気になってたのですが、特殊な仕掛けが施されている作品なので、家でゆっくり見ることができて良かったなぁと思います。

ある結婚式のパーティ会場で10年ぶりに再会した元夫婦。男(アーロン・エッカート)は、今は15歳下のダンサーと付き合っていて、女(ヘレナ・ボナム=カーター)は、イギリスに渡りそこで再婚しており、2人とも新しい人生を歩んでいた。会場で出会った2人は、探り探りに会話をはじめるのだが・・・。という物語。

夜のパーティから物語が始まり、翌朝までひたすらこの2人が会話を重ねる様子を映すだけの作品なんですが、この映画、最初から最後まで一貫して画面が左右2分割になっているのが面白いところ。2つの画面に映し出されるのは、会話している2人それぞれアップだったり、近況を話してる場面では、一方にパーティ会場で話す2人、もう一方に近況の様子だったり。あとは、現在の2人と過去の2人を左右の画面で比較していたりと、2画面を色々に使って、会話だけの劇を盛り上げていました。

日本でのキャッチコピーは「男はズルいロマンチスト、女は罪なリアリスト」なんですが、英語の原題を見ると、複数の女性達との対話となっているので、どうやら、男が話している元妻が過去と現在ではまるで違う人物であるのに、それに男が気づかないというような皮肉があるようにも見受けられます。男は変らないけど、女は変るといった感じでしょうか。

で、感想ですが、まずはやっぱり2画面でしょう。この映画84分とやや短い作品なんですが、終始2画面ではこの長さが限界でしょう。映像の情報量が多いので、普通に疲れます。しかも片方を見てると、もう一方を見られないので、ところどころ巻き戻してみちゃったり。これはやっぱりDVDで何度も確認しながら見たほうが楽しめる作品だろうね。その点、劇場公開が主体の「映画」というメディアではどうだったのかなぁと。劇場の大きなスクリーンだと、余計に一方の画面しか目に入らないだろうし。

2画面の使い方で面白いなぁと思ったのは、全く同じ場面の違うテイクを左右で同時に映す場面があったところ。同じ場面なのに微妙に2人の行動が違うんです。一方は現実で、一方はどちらかの妄想なのかなぁとか、色々な解釈ができて面白い使い方だと思いました。しかしながら、全体的に見て、2画面の良さを存分に生かして切れてないなぁという印象があったのも事実。2人の会話そのものが十分に面白い脚本なので、映像で遊ぶなら、もっとスタイリッシュにおしゃれに決めて欲しかったなぁと。

これ、女のほうはさ、絶対に、男に会えると思ってパーティに来てるよね。花嫁の兄だし。てか、花嫁は一体何を考えてるんだか・・・って感じですが。そう思って見ると、よく口が動いているのは男のほうなんだけど、全体の主導権を握ってるのは終始女だったなぁと。彼女、パーティに来る前からずっと考えてたんだろうね。それでいて、終始ドライでサッパリしてるんだから怖いよー。なんか男はいくつになってもガキっていう印象の映画でした。

個人的に面白かった場面は、ずっと2人の会話が主体のこの作品では珍しく第3の人物が絡んでくるエレベーターのシーン。なんかこっちも一緒になってハラハラしちゃいました。あと、ハラハラといえば、ボナム=カーターさん、あんなお腹を晒しちゃって女優人生大丈夫なの!?と思いそれもハラハラでした。バートンさんに愛されてればそれでいいのかねぇ。

そんなわけで、とにかく2画面が面白くもあり、もうちょっと頑張って欲しかったと思わせるんですが、2人の会話劇そのものが割りと面白くてなかなか楽しめる1本でした。

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