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2007年9月 9日 (日)

映画「ラヴァーズ・プレイヤー はつ恋」

Lover`s Prayer はつ恋

lover's prayer

2000年

米・英

キルスティン・ダンスト主演でツルゲーネフの「はつ恋」を映画化した作品。多分日本未公開。「マリー・アントワネット」(感想はコチラ)DVD化にあわせて、関連作としてDVDリリースされたみたいですね。

舞台は19世紀のロシア。主人公の少年ウラジーミルは大学進学をひかえた夏、両親と避暑地の別荘を訪れていた。彼はそこで隣の屋敷に引っ越してきた公爵一家の一人娘、ジナイーダ(キルスティン・ダンスト)と出会う。ジナイーダは多くの男友達を家に集め、自分のキスを賭けてゲームをさせるなどして、盛り上がる女王様的な美女。次第にウラジーミルも彼女の魅力にひかれていくのだが・・・。という物語。

さすがロシア文学!一見、少年の甘い初恋を描くかと思いきや、ずしーんと重い!

文芸作品の映画化だし、主演も有名どころなのに未公開。DVDがリリースされても全く話題になっていない。うん、それなりに納得。この作品に感じた面白さは恐らく原作の良さによるものだからなぁ・・・。

まぁ、キルスティン・ダンストのとにかく我侭な女王様っぷりは一見の価値ありかなぁとは思いますよ。主人公がカッコイイ男でもなくて、ちょっとうだつの上がらないウジウジ君イメージなので、余計に彼女の女王様っぷりが目立ってます。

さて、この作品、原作がツルゲーネフの「はつ恋」ということですが、クレジットを見ると、どうやら、それに、チェーホフの短編を織り交ぜている様子。恐らく、途中で挿入される主人公一家と同じ敷地に暮らす農夫たちのエピソード部分なんだろうけど、まずね、このエピソードが何故挿入されてるのかを理解するのに時間がかかりましたよ。

序盤~中盤にかけて割りとチョコチョコと描かれるエピソードなのに、終盤、突然、そのことに全く触れられなくなり、「あれ?そういえば、あのエピソードは?」って感じでした。よくよく考えてみると、このエピソードのラストの部分が、メインエピソードのラストとリンクするんだね。で、それがタイトルの「恋人達の祈り」につながるんだね。なるほどなるほど。

あと、この映画が微妙だなぁと思ったのは、ナレーションが多い点。主人公の回想という形式なんだけれど、すでに映像で表現されてることまで、長々とナレーションが入るんです。しかも全編を通して、結構ナレーション率が高い。小説の朗読の合間に個々のエピソードが映像化されてるような雰囲気になってしまって、逆に映画の中に入っていきづらくなってるような印象でした。

さて、全般に微妙な部分が多い映画ではあるんですが、ストーリーはかなりショッキングです。「オチ」にあたる部分が激しい。でも、この映画、それぞれの登場人物の思いがどうも伝わってこない作りなので、出来事のショッキングさだけが目立ってしまって、最終的に登場人物たちに共感しにくなってるのが非常にもったいない。

結局、ジナイーダが本当に好きなのは誰だったわけ?てのが非常に分かりにくい。単に女王様のようなバカ悪女だったわけ?そんなことはないんだと思うんですよね。ここで、彼女の心情にもっと深く入り込めばもっともっと面白くなったんじゃないかなぁと思います。

あと、「あの事件」とかいう表現があまり説明されず、「え?どの事件?」て感じになったり、で原因は何?という感じになったりするような場面が重要なシーンに結構多いんです。全般にはっきりと述べないことが多くて、そのショッキングな事件意外がなんだかよく分からないし(これは自分の理解力の無さが原因かもしれないけど)。

とりあえず原作を読んでみようっと。確か新訳文庫で出てたよね。

<追記>

そんなわけで原作読みました。

原作は非常に面白かったです!!映画の不満点が全て解消されます。あとチェーホフの短編パートは別に無くても良かったのでは・・・と。

原作レビューはコチラ

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コメント

はじめまして!はつ恋のレビューを検索しててこちらへ辿り着きました。
この映画は私も理解できない部分が多かったです。私も『あの事件』ていうのが気になって(ラストでジナイーダが私は事件には無関係だと言っていて余計混乱)、原作を読んだものの理解できず。。毎日モヤモヤしてます(涙)
もし何か分かることがありましたら、ぜひ教えてください!

投稿: まりりん | 2011年6月10日 (金) 02時33分

>まりりんさん

コメントどうもありがとうございます。
お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。

映画を観たのもちょっと前なので
細かいところの記憶が定かではないのですが、
全体的に分かりづらいところが多かったなぁという記憶は
結構強く残ってます。

「あの事件」ですが、
自分も記憶が曖昧になってしまっているので、
お答えすることができず申し訳ないです。
ただ、光文社の古典新訳文庫版で原作を読んだときに
映画よりもずっと分かりやすく面白かったと感じたので、
原作をじっくりと読み解くのが一番の手がかりかもしれません。

お役に立てず申し訳ないです。

投稿: ANDRE | 2011年6月13日 (月) 00時20分

お返事ありがとうございました!!
この映画はマイナーなのか、検索してもあまりレビューが見つからず、思わずANDREさんのこの映画の感想を見つけてコメントさせていただきました。
キルスティンダンストと、この映画の持つ雰囲気が大好きなのですが、ただ謎が多すぎて・・
光文社の古典新訳文庫版ですね!ぜひ読んでみます^^

投稿: まりりん | 2011年6月13日 (月) 17時02分

>まりりんさん

この映画、劇場公開されていないみたいだし、
レンタル店でもひっそりと置かれている感じで、
それほど知られていないのは確かだと思います。
あまりお役に立てず申し訳ありませんが、
古典新訳文庫、よろしければ読まれてみてください。

投稿: ANDRE | 2011年6月15日 (水) 23時08分

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