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2007年9月 6日 (木)

「魔法の庭」 I・カルヴィーノ

魔法の庭 (ちくま文庫 か 25-3)

魔法の庭
(il giardino incantato)

I・カルヴィ-ノ I・Calvino

ちくま文庫 2007.8.

カルヴィーノの初期短編を集めた短編集です。カルヴィーノ作品は、毎回毎回それぞれに違った味わいがあるのですが、さてさて今回は・・・。

収録されているのは全部で11短編。全体に共通するテーマがあったりするわけではないけれど、強いて言えば、日常の中の違和感とかそんな感じでしょうか。

好きな作家を聞かれたときに、割とカルヴィーノの名前もよくあげるんですけど、実はカルヴィーノ作品には好きなものと苦手なものがあります。好きなものは猛烈に好きなんですが、苦手なものはどうも好きになれません。で、今回の短編集、どうやら後者。少し前に読んだ「くもの巣の小道」も苦手だったんですが、それと似たような空気を感じる作品集でした。

「くもの巣の小道」と同様に初期の頃の短編なので、上記感想もありうる話ではあるのですが、自分、恐らくパルチザン関係のネタが苦手みたいですね。この短編集も割りとそのネタが多かったし。

そんな中、気に入った作品は以下。

「魔法の庭」 
表題作ですね。少年達が迷い込んだ不思議な庭。全てが美しいのに、どうも楽しめない。タイトルどおりに不思議な魅力がありました。ちょっと「秘密の花園」を連想させましたが。

「菓子泥棒」
大人たちが必死になって菓子泥棒。

「楽しみはつづかない」
みんな吹っ飛んじゃったもの。

カルヴィーノ氏の短編集という点では「むずかしい愛」(岩波文庫)のほうが断然好きかなぁ。「むずかしい愛」は初カルヴィーノでした。日常に潜む「微妙な瞬間」を非常に上手くきりとった作品集でなかなかのお気に入りです。

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