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2007年10月

2007年10月31日 (水)

映画「メロディ・タイム」

melody time

1948

アメリカ

ディズニー アーリー・クラシックス・コレクション (完全予約生産)
下段左端がメロディ・タイム

昨年発売になったディズニー・アーリー・クラシックス・コレクション(上図)というBOXセットのなかに、唯一、現段階で単独で購入することのできない作品、「メロディ・タイム」が収録されていました。既に単独で持ってる作品もあるので、今さらこのセットを買うのはもったいないと思っていたところ、たまたまこのセットを購入した友人が近くにいまして、「メロディ・タイム」を貸して頂ける事になりました。どうもありがとです☆

第2次大戦後のディズニーは予算の関係からか短編を集めた作品を長編として劇場公開していた時期があるのですが、これもそんななかの1つ。劇場長編としては第10作目にあたります。

ジャズやら歌やらにのせて、7つの物語がアニメ(ときには実写も合成)で描かれるという構成になっている作品で、どの作品も素晴らしくクオリティが高いことに驚かされました。

以下、1つ1つの作品にコメントを。

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2007年10月29日 (月)

「幻の下宿人」 トポール

幻の下宿人 (河出文庫 ト 7-1)

幻の下宿人
(le locataire chimerique

ローランド・トポール R. Topor

河出文庫 2007.9.

フランスのサスペンス×ブラック・ユーモア×ホラーといった感じの作品。表紙イラストを見ると、ユーモア度が高そうなんですが・・・。

舞台はパリ。主人公の青年、トレルコフスキーは友人から空き室があるとの情報をもらい、とあるアパートを訪れる。やがて、前の住人である女性が自殺をはかったというその部屋に引っ越してきたトレルコフスキーは、友人達を招いて引っ越し祝いのパーティを開く。ところが、パーティの途中、夜遅くまで騒ぐ音がうるさいと近隣の住人達がクレームをつけにやってくる。そして、この日から、近隣の住人達による厳しい監視が始まり、できる限り音を立てぬように神経をすり減らすトレルコフスキーは次第に理性を失っていく・・・。という物語。

なんかリアルな怖さのある作品でした。

近隣との騒音問題ってのはどこの国でも身近な話で、そこを切り口にして、展開していくので、もしかしたらこういうこともあるかもしれないなんて思わせてしまう作品だと思います。次第にエスカレートしていく嫌がらせが主人公の妄想なのかと思わせつつ、そうでもなさそうな感じがする場面もあり、とにかく先が気になって一気に読んでしまいました。

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2007年10月27日 (土)

「旅のラゴス」 筒井康隆

(書籍画像がありませんでした)

旅のラゴス

筒井康隆

新潮文庫 1996 

今から20年ほど前にかかれた筒井氏のSF小説。よく行く書店にオススメのポップが出ていて、それにひかれて購入しました。この書店の店員さんは読書の趣味が近いのか、僕の好きな本には大抵ポップがついてるというお気に入り書店です。

舞台は、地球によく似た感じのどこか。遠い昔に高度な技術が存在したような気配を感じさせつつ、不思議な能力を持った人々が、どこか牧歌的な空気を感じさせながら生きる世界を、ラゴスという男がひたすら旅を続けるという作品。集団転移、壁抜け男、鉱山、図書館、宇宙船など様々なものに出会いながら、若者だったラゴスも年を重ねていく・・・。

筒井作品は、「時をかける少女」「七瀬ふたたび」「文学部唯野教授」など代表的なものは中高の頃によく読んでいたものの、このブログでほとんどレビューがないことからも分かるように、本当に久々に読みました。調べたところ、4年前の「残像に口紅を」以来ですね。

で、なぜ今までこれを読んでいなかったのかと酷く後悔しました。これ、素晴らしい作品じゃないですか!もっと若い頃に読みたかったよ!!なんか、読んでいて、とてもすがすがしい作品でした。

世界観が初期ジブリのナウシカとかラピュタとかを想起させて、いつの間にか、作中に出てくるウマのイメージはヤックル、ラゴスはユパ様になってました・・・。読めば共感していただけると思います。

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2007年10月22日 (月)

映画「ヘアスプレー」

映画「ヘアスプレー」オリジナル・サウンドトラック

  サントラCD画像

hairspray

2007年

ミュージカル映画ファンとしてはこの秋絶対に外せない1本です。ブロードウェーの大ヒットミュージカルの映画化。88年のオリジナル版も見たし、夏の舞台版来日公演も見ているので、今回の映画版、とても楽しみにしてました!!

(88年オリジナル版レビュー コチラ / 舞台版レビュー コチラ )※別ウィンドウ開きます。

ストーリーは大まかには舞台版がベース。

主人公トレイシーはダンスが大好きなちょっと太った女子高生。彼女は、地元TV局の素人参加型のダンスショーを見ては、いつもTVの前で踊り、同じ高校に通う番組の人気者であるイケメン少年リンクに憧れていた。そんなある日、レギュラー出演者に空きが出たということで、オーディションが開催され、トレイシーも参加したのだが、その見た目を理由に門前払いされてしまう。

その後、トレイシーは学校の居残り授業で知り合った黒人のグループと親しくなり、彼らから新しいダンスを教えてもらい、ダンスパーティーの夜、そのダンスで一躍スターとなり、レギュラー入りが決定するのだが・・・。

1960年代、黒人差別が根強く残っていたボルチモアを舞台に、新時代の幕開けを、とにかく歌って踊って、ノリノリに駆け抜けていくミュージカル映画。

いやぁ、ものすごく良かったです!舞台を観にいったときに、ダンスレッスンなんてものがあったものだから、ラストは映画館なのについつい体が動いちゃいました・・・。しかも、舞台を観終わって以降、サントラ相当聞き込んでるので、歌の度に、声は出ずとも口動かしちゃったりして、怪しい観客と化していたのは間違いありません。

でも、一緒に歌いたくなるミュージカル映画なんて一体何年ぶり!?ここのところ、たくさんミュージカル映画はあったけれど、一緒に歌いたいと思わせるような曲をここまで詰め込むのは本当に久々。「シカゴ」とか「ドリームガールズ」とか一緒に歌うって感じじゃないもんね。「オペラ座」の曲はよく口ずさむけど、親しみやすいって感じじゃない。このミュージカル、音楽担当が「天使にラブソングを」と同じマーク・シャイマン。なんか納得です。

ここ最近のミュージカル映画の中では間違いなくダントツの仕上がりで同じタイトルの、オリジナル版、舞台版で曖昧だったストーリー的な問題点が全て解消されて、「ヘアスプレー」という作品としては、恐らくこれが決定版になるのではないでしょうか。

ただ、舞台版にも多少残っていた、オリジナルにあったB級的空気や毒が完全に抜け落ちて、単なるノリノリエンターテイメント映画になっていて、そこにメッセージ性がダイレクトに演出されてしまっていたので、オリジナルのファンには物足りなさも残る作品だと思います。ラストも微妙にメッセージ性を打ち出すように改変されてるし。オリジナルの深みがごっそりそぎ落とされてる印象です。

以下、オリジナル、舞台、と今回の映画版を比較しつつ感想を。なんか、過去2つのレビューが前提みたいになって、分かりづらくなってるんですが、その点はご了承ください・・・。ストーリー的な感想は過去に十分してるので、今回はあまり触れてません。

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2007年10月20日 (土)

「スターダスト」ニール・ゲイマン

スターダスト (角川文庫 (ケ7-1))

スターダスト
(stardust)

ニール・ゲイマン Neil Gaiman

角川文庫 2007.9.

今月末から映画が公開されるということで、文庫で原作が出版されました。映画の予告を見て、ちょっと面白そうだなぁと思ったので原作を読んでみることにしました。原作者の方は「もののけ姫」英語版の脚本なども手がける、英米では絶大なる人気を誇るらしいファンタジー作家。

イギリスにあるウォールという町から物語は始まる。町には古くから壁があり、その壁の向こうには妖精の国が広がっているが、出入り口となっている小さな穴の前には常に見張りがつき、そこを抜けないようにしていた。

妖精と人間との間に生まれた青年トリストランは恋心を寄せるヴィクトリアに思いを告げるが、そのとき、流れ星を見た彼女は、その星を拾ってきたら結婚してもよいと答えてしまう。こうしてトリストランは流れ星を探しに壁の穴を抜け、妖精の国へと旅立つことに。同じ頃、永遠の若さを得るために星を探す魔女たちと王位継承を争う兄弟達もまた同じ星を目指して旅にでる・・・。という物語。

なんて書いてみても、やっぱり映画にしたら面白そうな感じの原作なんですが、原作読んだら、映画観る意欲がちょっと下がっちゃいました・・・。

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2007年10月18日 (木)

映画「めがね」

Photo_2
   パンフとMYめがね

めがね

2007年

日本

映画「かもめ食堂」の萩上直子監督がふたたび、小林聡美を主演にして作った作品ということで、「かもめ」ファンとしてはどうしても見たい!と思った作品です。しかも、タイトルが「めがね」。自分はメガネ常用のメガネっ子なので、このタイトルにもビビビっときたわけです。

主人公タエコは、携帯電話の入らないところでゆっくりと休暇をとろうと、南海の小島にある小さな民宿へとやってくる。そこで、オーナーのユージ、近くの学校で教師をしているハルナ、そして、毎年夏の初めにやってきては、浜辺でカキ氷店を開くサクラと出会う。はじめは、どこかテンポのずれたような彼らののんびりさに呆れていたタエコだか、次第に、打ち解けていく。やがて、タエコを探してやってきた青年ヨモギも加わり、5人の静かな時間が流れていく・・・。

「たそがれる」をテーマにした静かでゆったりとした作品。

映画館の大きな画面で、ゆったりとちょっと遅めの「夏休み気分」を味わえるような作品でした。この作品に比べれば「かもめ食堂」のほうがはるかに、「物語」がありましたね。比べるのも何なんですが、「かもめ」もゆったりとした作品だったけれど、これはそれをはるかに凌駕するゆったり加減。

自分のすぐ後ろの席の人は終始気持ち良さそうに寝息をたてていたのだけれど、それも納得というか、見ようによってはなんとも退屈な映画ではあるんだけれど、とても心地の良い作品でもありました。

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2007年10月16日 (火)

「パレード」川上弘美

パレード (新潮文庫 か 35-6)(書籍画像がありませんでした)

パレード

川上弘美

新潮文庫 2007.9.

川上弘美の代表作といっても過言ではない「センセイの鞄」(レビューはこちら)のサイドストーリーです。川上弘美ファンとしては見逃せない1冊ということで、文庫化を待っていた作品の1つ。

「センセイの鞄」のツキコさんとセンセイのある日の会話から物語は始まる。夕食を食べているときに「昔の話をしてください」とセンセイに頼まれたツキコさんは、小学生時代の思い出を語り始める。それは、ある朝起きたら、2匹の天狗が部屋にいたという話。果てさて、ツキコさんと天狗たちの物語とは・・・。

という感じの物語なので、「センセイの鞄」の「続編」というよりかは、サイドストーリー的な要素の方が強いのではないかと思います。自分は川上弘美が初期によく書いていた、うそばなしがとても好きだったので、「センセイの鞄」とうそばなしがコラボしたような内容で、これはもうたまらない1冊でした!

てか、そんなのをのかしても、普通に作品が良すぎ。

あと、センセイとツキコさんの場面は相変わらず、食事が美味しそうだったのもポイント高し。

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2007年10月14日 (日)

「バラバ」ラーゲルクヴィスト

(書籍画像ありませんでした)

バラバ
(barabbas)

P. ラーゲルクヴィスト P・Lagerkvist

岩波文庫 1974.12.

数年前に「巫女」という作品を読んで、かなりの衝撃を受けたスウェーデンのノベール賞受賞作家の作品です。「巫女」の衝撃がかなりのものだったので、他の作品も読みたいなぁと思ってるうちに時間ばかりが経っていたのですが、ついに読んでみることに。

主人公バラバは死刑を宣告されていた大悪党。ところが、ある男が磔刑になることになり、彼はその代わりに釈放されてしまう。バラバはゴルゴダの丘での処刑を見守り、その後、自分の身代わりに処刑されたその男のことが気になり、様々な人に話を聞くようになる。やがて、その男が人々から神の子、救世主としてあがめられていたことを知るバラバ。奇跡や神の存在など信じぬバラバは半信半疑にその男の話を聞いて回るが、やがて、彼自身の運命も意外な方向へと展開していく・・・。という物語。

どうやら聖書の中にちょっとだけ名前が出てくる、イエスの代わりに釈放された男というのを主人公に据えた作品のようですね。キリスト教的な知識があればもっと理解が深まるのだろうけど、キリスト教徒ではないからこその読み方もできる1冊で、「巫女」に続いて、かなりの傑作でした。

ノーベル文学賞は伊達にとってないですね。すごいよ。しかもね、「巫女」もそうだったんだけど、普通に物語が面白いんですよ。こんなに面白い上に奥が深い作品というのはそうそう無いと思います。

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2007年10月11日 (木)

映画「パンズ・ラビリンス」

el laberinto del fauno
(pan's labyrinth)

2006年

墨・西・米

以前、「ミス・ポター」のレビュー(コチラ)で、今年公開される映画の中で猛烈に観たい作品が2つあると書いたんですが、その1本はこれでした。今年のアカデミー賞のときに、その存在を知り、これは絶対に面白い!と確信して、日本での公開をずっと待ちわびていました。そんなわけで、ちょっと時間がとれたので、早速映画館へ。そういえば、スペイン語の映画を映画館で観るのは初めてだ!

舞台は1944年のスペイン。内戦は終了したものの、軍政に対し、ゲリラたちのレジスタンス活動が続いていた。主人公の11歳の少女オフェリアは、幼い頃に父を亡くし、軍の大尉ビダルの子を身ごもり再婚することとなった母とともに、大尉の家へとやってくる。

冷酷な軍人であるビダルを父と呼ぶことに抵抗を持ち、身重の母を気遣うオフェリアのもとを、その晩、妖精が訪ねてくる。誘われるままに、森の中にある古い迷宮を進んだ彼女は、そこで、牧神(パン)と出会う。牧神曰く、オフェリアは遠い昔に記憶をなくした地下の王国の姫であり、3つの試練を乗越えれば、王国へと戻れるのだと告げる。道を標す1冊の本を与えられたオフェリア。果たして、彼女は試練を乗越えることができるのか。そして、激化するゲリラたちと大尉率いる軍部の争いの行方は・・・。という物語。

「ダーク・ファンタジー」というのがウリのようですが、これ、ファンタジーなんだけど、戦争映画の色の方が強いですね。ファンタジー部分は3割くらいで、映画の大半は軍とゲリラの争いを取り巻く人間ドラマになっていました。

思った以上にグロ描写も多くて、大尉が冷酷な軍人ということで、とにかく痛い場面も多数ですし、虫のオンパレードですし、途中で出てくるファンタジー部分のクリーチャーの造詣も普通に怖いしで、11歳の少女が主人公の割りにちっともお子様向きではないんですが、「映画」としては、かなり良く作られていて、期待通りの傑作だったと思います。

うん、感じとしては、スペインの軍VSゲリラのドラマに「ダンサー・イン・ザ・ダーク」とか「ディア・ウェンディ」的なテイストを加えたような作品ですね。万人にはオススメできないけれど、僕は結構好きです。でも何回も観たいと思うような作品ではないなぁ・・・。

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2007年10月10日 (水)

映画「サウンド・オブ・ミュージック」

サウンド・オブ・ミュージック <ファミリー・バージョン>

the sound of music

1965年

先日友人宅で夜通し映画を観るという機会がありまして、そこで見た1本。ちなみにもう1本は「アマデウス」。どちらも何度も見ている映画なのに、しっかりと楽しんでしまいました。

もう皆さん、ご存知かと思いますが、僕は熱烈なミュージカル映画ファンなので、この作品に関してはかなり気合が入ってます。

舞台は1930年代のオーストリア、ザルツブルグ。修道女のマリアは歌を愛する自由奔放な女性で、修道院長をはじめとする先輩達の悩みの種。ある日、彼女は7人の子供達の家庭教師としてトラップ家へと赴任することに。家主の妻を亡くしたトラップ大佐は軍隊式に子供達を教育していたが、やがて、マリアによってトラップ家には歌が溢れるようになり・・・。という物語。大佐と男爵夫人、マリアとの恋の3画関係や、ナチスの台頭など様々なテーマを、名曲の数々を織り込んで描く傑作中の傑作。

これ、もう、20回近くは見てるんじゃないかと思うわけですよ。DVD持ってるし。それ以前は、ビデオから直接音声だけを録音したものをずっと聞いてたりしてたし。とにかく何回も見ている作品で、何から何まで展開は分かっているのに、それでも新たな発見があったりして、飽きずに最後まで見れちゃうんですよね。特に今回は、一緒に見た友人達が皆、やたらとコアなファンだったために、深夜にもかかわらず、台詞は一緒に言うは、歌は一緒に歌うは、笑いどころではそのシーンに到達する数分前からすでに含み笑い状態になるはで大盛り上がりでした。

でもいつもは結局は好きなシーンだけを見て、色々とカットすることも多いので、全部通して見たのは久々でした。そんなわけで、久々に見た感想を織り交ぜつつレビュー。まぁ、完全に「ここが好き!」ってのを書いてるだけなんですが・・・。

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2007年10月 5日 (金)

映画「恋するレシピ~理想のオトコの作り方~」

恋するレシピ ~理想のオトコの作り方~ スペシャル・コレクターズ・エディション

failure to launch

2006年

サラ・ジェシカ・パーカーとマシュー・マコノヒーによるラブコメ作品。軽い感じで楽しめるものをと思い観てみたんですが、ちょっと軽すぎたみたいです。

主人公トリップは35歳になってもなお、実家で両親と共に暮らし、休日は同じくパラサイトシングルな独身貴族仲間たちと様々な遊びに興じるセールスマン。恋人ができても、実家暮らしと分かるやフラれる状態が続き、それを心配した両親が、彼を自立させようと、自立コンサルタントのポーラを雇うことに。彼女は、実家から離れられない男達に擬似恋愛をさせることで、恋人と楽しく暮らすために自立しようという気を起こさせるということを仕事にしているカウンセラー。そして、トリップは何も知らずにポーラに恋をする。これまで、仕事とわりきって、様々な男達とデートをしてきたポーラだったが、果てさて今回は・・・。

もうさ、設定だけでストーリーが全部分かるよね・・・。

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2007年10月 2日 (火)

「雪沼とその周辺」 堀江敏幸

雪沼とその周辺 (新潮文庫 ほ 16-2)

雪沼とその周辺

堀江敏幸

新潮文庫 2007.7.

芥川賞作家の堀江氏の連作短編集。堀江氏の作品は文庫化したものは全部読んでいて、結構お気に入りの作家なので、今回も迷うことなく購入。解説が池澤夏樹なのもポイント高し。

まさにタイトル通り、雪沼という地域を舞台にした7つの短編が収録されています。表題作があるわけではなくて、このタイトルは本当にこの短編集だけのタイトル。こういうのって最近は少ないから貴重ですよね。

全体的な感想としては、うまくまとまってるなぁと。堀江氏って、仏文学を題材にとって、文学作品の解説を物語に織り込むようにしてエッセイ調のフィクションを書くのが非常に上手くて、初期の作品はほとんど全てそのスタイルだったんですが、普通の小説も良いものが書けるようになったんだなぁという印象でした(何様なんだか)。ちなみに、白水Uブックスから出てる初期作品も僕は結構お気に入りです。

全般的にどの作品も、「自分自身に向き合ったとき、ふと過去のできごとがフラッシュバックして過去が蘇った一瞬」を見事に切り取っているというのが共通点で、「人間」を温かく見つめている印象の作品集でした。主人公が全員「さん」づけなのも良い。ただ、どの作品も雰囲気が似てるんだよね。それがちょっと難点かな。

では各作品に1つずつ短くコメントを。

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