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2007年11月10日 (土)

映画「秒速5センチメートル」

秒速5センチメートル 通常版

秒速5センチメートル

2007年

日本

劇場で公開されてたときに良い評判をチラホラと耳にしたアニメ作品。63分という短い中に3話が収録された連作短編アニメとなっています。

全3話なんですが、どれも共通する登場人物が出てきます。

遠野貴樹は小学校の頃、体が弱く、いつも図書室で過ごしていた。そこで、転校生の明里と知り合い、2人はいつも一緒に過ごすようになる。ところが、中学に上がる直前に、明里が転校。そんな中学生になった2人を描くのが第1話。遠野貴樹の高校時代、彼に思いを寄せる少女、花苗の青春を描く第2話。そして、大学を出て社会人となった遠野を描く第3話。

どれも、ぎゅっと切ない思いを描くんですが、この作品の、アニメーションの美しさは本当に目を見張るものがあります。これまで目にしたアニメの中でも最高級の映像の美しさ。光の表現が本当に上手いです。

映像は本当に本当に文句のつけようがないくらいに素晴らしかったですよ。映像は。

これさ、第3話の最後が完全に山崎まさよしのPVと化すんだけど、そのPV映像だけで、十分すぎるくらいに内容が伝わると僕は思いました。63分の作品だけど、その数分の映像だけあれば良かったのではないかと。第1話と第2話を受けての第3話なんだけど、第3話のPVの完成度の前に、それまでの2話は蛇足な気が。

そもそも、第1話がはじまってすぐ気づいたんですが、この作品、台詞が冗長。映像で十分に表現されていることを、わざわざ長いモノローグで説明するんですね。映画としてはちょっと無駄な気がします。本当に映像がよく描けているだけに、完全に映像負けしちゃってるような印象でした。

その映像ですが、風景描写なんかが本当に写実的で、新宿駅の場面とか、それがどこなのかがすぐに分かってしまうくらいの再現度。一瞬、実写かと思ってしまうような感じなんだけれど、写実的な中に光をとても印象的に誇張して描いていて、実写ではできないようなアニメならではの効果をあげているように思いました。

あと、空の雲の描き方も良いですねー。第2話のラストとかとてもよかったです。

ストーリーは、うん、なんか、こういう青春に憧れる人っているよね、て感じの内容ですよね。

うん、第3話のPVがなければ、1話、2話も許容範囲内なんだけど、あのPVのせいで、全てが無駄に思えてしまったかなぁ・・・。

割と辛口評価ですが、映像美は本当に必見なので、観る価値のある作品だと思います。

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