映画「shopgirl 恋の商品価値」
shopgirl 2005年 アメリカ |
芸達者なコメディアン、スティーヴ・マーティンが監督脚本を務めた作品ということで、ちょっと期待してみてみた作品。もっとコメディなのかと思ったんですがかなりシリアスな恋愛ドラマでした。
高級デパートの手袋売り場で働くミラベル(クレア・ディンズ)は、ある日、コインランドリーで出会ったアーティスト志望のアンプ製作会社の青年ジェレミー(ジェイソン・シュワルツマン)と軽くつきあってみたのだが、どうもしっくりこない感じ。そんな折、彼女のもとに大富豪の老紳士レイ(スティーヴ・マーティン)が現れ、恋人になって欲しいとプレゼントを贈り、ミラベルもレイにひかれていくのだが・・・。ミラベルを慕いつつも数ドルのお金さえ持っていない貧しいジェレミーと、あくまで自由な関係でいようと告げる大富豪のレイ。2人の間で揺れ動くミラベルの心境を描く作品。
いきなりですが、気になったので。クレア・ディンズが大人になってた・・・。「若草物語」とか「ロミジュリ」のときはかわいいかったのにねぇ。最近あまり第一線で活躍してないなぁという印象はあったんですが・・・。
この作品、なんかね、誰も幸せにならない恋を描いている作品で、登場人物が皆、終始思い悩んで、淋しくて孤独で充たされないという切ない作品でした。映像と音楽も非常に大人向けで落ち着いていて、決して明るい恋愛ドラマではないし、終始淋しい感じなので、アメリカの恋愛ドラマとしてはちょっと異色な印象。スティーヴ・マーティン、こういうのやりたかったのかぁ。
観ていてちょっと気になったのは、ナレーション。唐突に入るし、説明的だし、こういうナレーションの使い方って、映画だと映像&台詞で表現し切れなくて逃げたような感じもあって、あまり良い印象を与えないですよね。しかもナレーションのトーンが作品のトーンと合ってなかったようにも思いました。
登場人物の中で、一番、「この人は一体・・・」だったのがレイ。色々とわだかまりがあるのは分かるけれど、そのはっきりしない中途半端さがダメなんですよ。バツイチだというのもなんとなく納得ですよ。しかも思い切りが悪いというかなんというか。でも、スティーヴ・マーティンの洗練されたオジサマは非常に上手かったです。さすが!!
恋愛中の「距離感」を色々と考えさせる作品なんだけれど、お子様な自分にはちょっと難しかったかなぁ。
やたらと明るい作品の多い恋愛映画のジャンルでは、結構異色で、面白い映画ではあったけれど、ところどころ気になるところがあって、そこまで入り込めなかったかなぁ。でも、しっとり静かな作品で、秋の夜長にしっとりと見るにはぴったりだと思います。
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