映画「コンフェッティ 仰天!結婚コンテスト」
confetti 2006年 イギリス |
なにやら全く話題にも上がっていない未公開のイギリス映画ですが、彼が出ているコメディはいつも面白いマーティン・フリーマンが出演しているということで、観てみました。これはかなり面白いですよー。英国流コメディが好きな人だったら絶対にはまります。
結婚雑誌「コンフェッティ」は毎年花嫁コンテストを開催していたが、マンネリ化してきたので、社運をかけて、「オリジナル結婚式コンテスト」を開催することに。オーディションで選ばれた3組のカップルが賞品となる新居をかけてそれぞれ奇抜なアイデアの結婚式を作り上げる。映画は企画段階から、オーディション、準備とコンテストの様子を、インタビューを交えつつ追っていく擬似ドキュメンタリー形式になっている。
1組目は2人揃ってテニスプレイヤーのテニス結婚式。しかしこのカップルは花嫁がラテン系のテニスコーチとなにやら親密な様子で新郎は嫉妬しまくり。やたらと「フェア」であることを強調する。
2組目は週末ごとに仲間たちが集るキャンプ場に行き、全裸で過ごすナチュリストカップルによる自然派結婚式。とにかく全裸の美しさを強調する2人だが、雑誌編集長の意向で、さすがに全裸は雑誌に載せられないということで早くも衝突が・・・。
3組目はミュージカル結婚式。とにかくミュージカル好きな2人だが、実は歌も踊りも・・・。しかもマスオさん状態の新郎と新婦家族との関係もなにやらギクシャク。
この3組の結婚式を演出するのはベテランプランナーのゲイカップル2人組。同じ日に行われる3組の結婚式を全て担当することになり、各カップルの意見、雑誌社の意向に板ばさみになりてんやわんやの大騒ぎ。果たして、優勝はどのカップルの手に?という作品。
完全なドキュメンタリー形式をとっている点と、マーティン・フリーマンが出演している点で、これはもう「the office」結婚式版か!?という感じなんですが、あちらよりもずっとずっと映画的な作品でした。(「the office」の感想はこちら)
この手のコメディは一度笑いどころをつかんでしまうと、もう最初から最後まで終始ニヤニヤが止まらず含み笑いの連続。個人的にはとても好きなタイプの英国コメディでした。ブラックさ度合いも程よい感じ。
個人的に好きなのはテニスコンビ。嫉妬気味の夫がかなり面白いです。あとミュージカル組の妻のほう。彼女のつまらなさそうにしてる顔がかなりツボでした。
この手のコメディは、「the office」同様、基本、ツッコミ役が出てこなくて、わけの分からない理不尽な展開や、とにかく微妙なのに真剣に頑張ってる姿に観てる側が自分でつっこみを入れて、さらにそれに直面して、つっこむわけでもなく唖然としてる人物の様子がたまらなく面白くなってしまうというのが楽しみ方。笑いの種類としてはちょと変化球であるのは間違いなさそうです。でも1回楽しみ方が分かるとかなりはまれるのではないかと。
意外と本番の式が全裸組のがいちばんまとまな感じだったよね。ミュージカル組は完成度も高いのに、妙に完成度が高ければ高いほど、その威力に圧倒されて、面白くなってしまう感じがよく演出されてたように思います。まぁ、自分がやるんだったら確実にこのパターンですが・・・。
3組のカップルの結婚式を見ていて思ったのは、内輪な集団の盛り上がりって当事者たちにとっては、たまらなく面白かったり、かなり真面目にやってることでも、それを外から見てしまうとなんだか異質で滑稽に見えてしまうことがあるってのをとてもよく皮肉っているなぁと。
この手のコメディとしては、無修正の全裸がやたらと出てくる一方で、ほとんど下ネタがないというのは特筆すべきだと思います。あくまで、結婚雑誌の企画を追ったドキュメンタリーという設定を守ってるんですね。
そうそうこのDVD、とっても禁じ手な使用になっていて、エンディングが4通り収録されていて、それを自分で選んで再生できるようになってます。「どうでもいいのかよ!」と思わずつっこんでしまいそうになりますが、それもまたこの映画の、良い意味でいい加減な感じの面白さが反映されてて面白いなぁと思いました。
あと、マーティン・フリーマンはさすが「the office」で見せてくれた超自然体をここでも十分に発揮してましたね。この人の「素人っぽさ」の演技は本当に上手い!そういえば、彼、「笑いの大学」のイギリス版舞台に出演してましたよね。そちらもちょっと気になります。
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