映画「リトル・ミス・サンシャシン」
little miss sunshine 2006年 アメリカ |
昨年のアカデミー賞以来ずっと見たかった作品で、一度借りてきたんですが、見る機会を逸して返却してしまったために、すぐに再び借りるのもなんだなと思い、見るのが遅くなってしまいました。期待以上とは言わないまでも、なかなか面白い作品でしたよ。
アリゾナに暮らすフーヴァー家は揃いも揃った曲者ぞろい。
父親:自己啓発セミナーで9段階の成功術を説く負け犬嫌いの勝気な男
母:バラバラな家族をまとめようと必死で、いつも怒鳴ってる
祖父:エロトーク炸裂のヘロイン中毒
兄:ニーチェに傾倒しひたすら沈黙を続けるパイロット志望の引きこもり
叔父:自殺未遂の末、妹一家にひきとられたプライドの高い学者(ゲイ)
主人公オリーヴ:ミスコン優勝を夢見るダンスが大好きな8歳の少女
オリーヴがカリフォルニアで開かれる「リトル・ミス・サンシャイン」コンテストに出場できることになったのだが、自殺未遂の叔父や引きこもりの兄を置いていくことはできないと、家族全員で会場に向かうことに。経済的に切迫しているフーヴァー家は全員分の飛行機代を出すことはできず、オンボロの黄色いバスに乗り込んで一家でカリフォルニアに向けて旅立つのだが・・・。という物語。
もっともっとオリーヴ主体の物語だと思ってたんですけど、見事なまでに「家族」のお話でした。
面白かったかとか、好きかとかはおいておいて、脚本がとても上手な作品で、1つ1つのエピソードにちゃんと意味があって、隠すところはうまいこと隠し、伏線もちゃんと張ってある。あとね、なんといっても、おんぼろバスが非常に良い。このバスを登場させただけで、この映画は素晴らしいと思います。
映画のテーマが見事なまでにあのバスに現れてるんですよね。オンボロのポンコツなバスは、皆がどこかズレているようなフーヴァー家そのもの。車が走るためには、家族みんなが力をあわせなければいけないというのがまた良いよね。皆で車をおす場面、最初に出てきたときは笑って見ていたけど、ラストシーンではとてもジーンときてしまいました。
あの家族、バラバラなようでいて、みんながしっかりとお互いを思いやってるのが良い。特に長男ね。普通、本当のひねくれ少年だったら、絶対あんな旅行に家族とついていったりしないと思うんですよ。なんだかんだで、しっかりと強い絆で結ばれた家族なんだなぁと思います。序盤でもみんなでアイスを食べる場面とか、普通に仲良し家族じゃん!って感じだったし。
アメリカ映画ってよくこういう変人ばかりのバラバラ一家が描かれてて、そういう作品って、バラバラでもいいじゃないか!みたいな雰囲気でまとめるときも多い気がするんだけど、この作品はしっかりとそこに強い絆を見せてくれたのが良かったです。ラスト、ちょっとくどかったけど・・・。
おじいちゃん、アカデミー賞を受賞しましたが、最後の最後のラストシーンまで「存在」感がたっぷりだったのも良かったですよね!
他の出演者の子たちの子供離れした厚化粧&着飾り様よりもオリーヴの子供らしいかわいさが感じられる姿のほうがずっとずっと「ミス・サンシャイン」にふさわしいと思うんですけどね。
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