映画「復活」
resurrezione 2001年 伊・仏・独 |
2008年1本目の映画はトルストイ原作の「復活」を映画化した作品。偶然にも作品のラストが新年を迎える場面で、決して明るい作品ではないものの、時期的には丁度良かったかなと。
主人公ネフリュードフは学生時代、叔母の家を訪れた際に、叔母が孤児院から引き取り、教育を受けさせていた少女カチューシャと出会う。数年後、学生を終え、軍に入隊したネフリュードフが叔母宅を訪問した際、彼はカチューシャに言い寄り、一夜を共に過ごす。しかし、孤児院育ちのカチューシャとの身分の異なる2人の恋は許されるはずもなく、翌朝、彼は旅立つ際にカチューシャにお金を握らせ去っていった。
それから数年が過ぎ、ネフリュードフは陪審員として、とある裁判に立ち会っていた。そして、彼は、そこで起訴されている殺人容疑の娼婦がカチューシャであることに気づくのだが・・・。という物語。
かつて自分が捨て去り、転落させてしまった1人の女性を救うために、全てを投げ打って奔走する主人公が描かれる作品で、主人公の贖罪がテーマになっています。
3時間は正直長いんですが、意外にも長さを感じずに見ることができて、まさに、文芸映画といった感じの見ごたえがありました。
見ながら思ったんだけどさ、これって、主人公の自己満足な気がするのは自分だけでしょうか。カチューシャの主人公への思いのほうが理解しやすいですよね。主人公の方は、結局、「自分」のために彼女を想っているような気がしてなりませんでした。なので、ラストもなんとなく納得。ちゃんと復活できるといいですね。
「復活」は日本では古くから人気があるらしいんですが、ヒロインの選択がその理由なのではないかと。日本ウケしやすそうだなぁと想います。
登場人物やエピソードがかなり多いんだけど、1つ1つがちゃんと意味を持っていたのも良かったですね。まぁ、もうちょっとあっさりと描いて、尺を短くできるような気もしないでもないけど・・・。
ちょっと気になったのは、一部音声がアフレコになってた点。俳優さんがイタリア語を話せない人だったとかそういう理由なのか!?何故映画なのに台詞がアフレコ!?とちょっと不思議な感じ。しかもアフレコ音声が微妙に映像と合ってないから気になるし、ロシアが舞台なのに、イタリア語がやたらと耳につくんだよね。あとさ、撮影の仕方も微妙にテレビドラマっぽい気が・・・。
見ていてちょっとビックリしたのが、出発時は熱射病を気にしてたのに、到着時は極寒の地というロシアの広大さ。どんだけ広いのだ!
登場人物の気持ちとかがどうも分かりづらかったり、この作品が理由でトルストイは破門になったらしいのですが、その理由もちょっと分からない感じだったので、機会があったら原作を読んでみようかなと思います。でも原作小説も長いんだよね。
そうそう、調べて知ったんですが、ヘアバンドのことをカチューシャと呼ぶのは、この作品のヒロインが語源になってるんですね。
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