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2008年2月26日 (火)

映画「主人公は僕だった」

主人公は僕だった コレクターズ・エディション

stranger than fiction

2006年

アメリカ

世間はアカデミー賞でにぎわってますが、マイペースにDVD鑑賞の映画の感想です。公開時にちょっと話題になってましたが、そのときは、たいして気にも留めてなかったものの、よく見てみたらキャストが良い感じに豪華だったので、見てみようかなと思いました。

主人公ハロルド・クリック(ウィル・ファレル)は規則正しく平凡な日々を送る税務署の職員。ある日、彼は突然謎の声が聞こえるようになる。その声は、彼の行動にあわせて、その様子を描写し、さらには、彼が考えていることまでをも説明するのだが、どうやら他の人々には聞こえない様子。まるで小説のナレーションのような声がずっと聞こえるため、ハロルドは、文学者のヒルバート教授(ダスティン・ホフマン)に相談に行くようになる。

一方その頃、作家カレン(エマ・トンプソン)は新作の執筆が思うように進まず、出版社からやってきた担当のペニー(クイーン・ラティファ)とともに、いかにして作品の最後に主人公ハロルド・クリックを殺せばよいかに試行錯誤していた・・・。という物語。

あとはハロルドと親しくなるお菓子屋さんの女性アナをマギー・ギレンホールが演じていて、とにかく実力派のキャストが勢ぞろいしている作品でした。

主人公が自分が小説の一部であることに気がつくってことで、最初は「トゥルーマン・ショー」みたいな作品なのかと思っていたんですが、そういう感じでもなかったですね。小説の中の話とそれを書いている作者とが現実世界で同居しているという設定になっていて、設定そのものはなかなか面白かったと思います。

出てくる家がいちいち良い感じのインテリアだし、CGを上手い具合に画面に入れたちょっと凝ったスタイリッシュな映像も見ていて面白かったし、決してテンポが悪い作品でもなかったんですが、何かが物足りないという印象です。美術面では素晴らしい作品なんだけどねぇ。

もうちょっとコメディ要素を多くした方がメリハリがついたんじゃないかなと思います。割と真面目な映画で、扱ってるテーマもひっそりと哲学的だったしね。あとは、ラストかなぁ。これ、多分30分くらいのテレビドラマだったら違うラストにするんじゃないかなぁと。どこか腑に落ちない感じなんだけど、それをまた作中でちゃんとフォローしているので、作品としては好きか嫌いかは別にしてよくまとまっていて、やっぱり上手い。

あれ、なんか結局、内容も褒めちゃってますねぇ。

脚本も演出もキャストも美術もどれも上手いのに、なんで物足りないんだろ・・・。それは多分、作中で教授が指摘する物足りなさなのかな。うーむ。

運命には逆らえないと思っていても、自分の力で切り拓くことができるんだ!的内容の映画かと思わせておいて、結局、運命には逆らえないというかなんていうか。「神の視点」なんて良く言いますが、結局、登場人物は神には逆らえないんですね。あとはその神の勇気といったところでしょうか。

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