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2008年2月24日 (日)

「二十億光年の孤独」 谷川俊太郎

二十億光年の孤独 (集英社文庫 た 18-9) (集英社文庫 た 18-9)

二十億光年の孤独
(two billion light-years of solitude)

谷川俊太郎
(translated by William I. Elliott and Kazuko Kawamura)

集英社文庫 2008.2. 

詩集はあまり持っていないんですが、谷川俊太郎の詩は昔から結構好きで、いくつか持っています。今回、デビュー詩集が文庫化ということで、思わず手に取ってしまいました。

この本の面白いところは、詩集「二十億光年の孤独」に、その英訳版を併録している点。他にもデビュー間もない頃に書いた詩作に関するエッセイや、18歳のときの創作ノートの写真など盛り沢山の1冊でした。

いやはや、詩に関してはもう何も言えませんね。これがデビュー作で、18歳の青年が書いたというのはもう衝撃です。谷川氏の詩の真髄はすでにデビュー作から如何なく発揮されていて、もう天才だとしか思えません。ちょっとSFチックな感じがあるのも好きです。

谷川氏の詩は、1つの詩の中で、同じモチーフを繰り返したり、同じスタイルを繰り返すことが多いんですが、その繰り返しが非常に心地よくて、どっぷり浸かりたくなる不思議な魅力を持っていますよね。

創作ノートの字がとてもかわいらしい書なのが非常に印象的で、詩に表されている、ちょっと斜に構えた若者の雰囲気とのギャップもなかなか面白いです。

英訳版なんですが、やっぱりというか、どうしてもニュアンスが違っているように感じる箇所が結構あって、詩の翻訳の難しさを実感してしまいました。外国の詩を翻訳で読むなんてのは、その詩の良さをほとんど伝えていないんじゃないかと思います。これは文学作品なんかでもそういう部分は多々あるんだろうけど、詩ってのは短いだけに、特に言語との関係が密接なんだなと改めて感じました。

収録されている中で好きな詩のタイトルをメモ代わりに。

「生長」
「地球があんまり荒れる日には」
「机上即興」
「周囲」
「夜」
「和音」
「二十億光年の孤独」

なんとなく前半のほうが好きですかね。一番好きと思ったのは「周囲」かなぁ。
思わず何度も読み返してしまいました。

「地球が~」と「二十億光年~」は合唱で歌ったことがあります。
どちらもとても良い曲がついていて、かなりお気に入りです。

創作ノートによると、これは18歳のときの作品なんですよね。
高校3年生。
自分はのほほんとしていたなぁと。

或はネリリし、キルルし、ハララしているか

(「二十億光年の孤独」 より)

という部分の言語感覚なんかたまらないですよね。
眠り、起きる、働くをもじってる言葉だと思うんですが、
英訳がそのままNeririingとなっていたのがちょっとつまらなかったです。
言葉遊び的なものの翻訳は難しいですよね。

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