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2008年2月 8日 (金)

映画「トランスアメリカ」

トランスアメリカ

transamerica

2005年

アメリカ

ちょっと前に、賞レースで話題になっていた作品ですね。主演のフェリシティ・ハフマンが出演している海外ドラマ「デスパレートな妻たち」を毎週見ているんですが、彼女の演技が良いなぁと思っていて、別の出演作品を観てみたいなと思った次第です。

主人公ブリーは性同一性障害を抱え、来週には女性の体を手に入れられるための手術が控えていた。そこに、1本の電話がかかってくる。曰く、NYでブリーの息子が逮捕され、身元引受人を探しているとのこと。どうやら男性だった17年前に一度だけ経験した女性との間に子供が生まれていて、彼女はすでに亡くなっているらしいのだ。

ブリーは自分が父親であることを隠し、教会から派遣された女性だとして、息子のトビーを迎えに行く。とりあえず、トビーを義父のもとに届けようと、2人はケンタッキーを目指して車で走り始める。愛を知らず男娼として働き、麻薬に溺れた17歳の少年と、父親であることを隠すブリーの行き先に待っているものとは?というロードムービー。

いやはや、フェリシティ・ハフマンがとにかく凄い!ビックリしました。自分が女性であると自覚している性同一性障害の男性を女優が演じるということ自体が驚きなんですが、どう見ても「女性っぽくしている男性」のようにしか見えない彼女の姿、表情、立ち振る舞いに脱帽です。デス妻のリネットの演技も上手いと思っていたけれど、これだけの女優がテレビドラマに出ているということがもう驚きですよ・

そしてさらに、トビーを演じるケヴィン・ゼガーズも上手いんだよね。主演2人が体当たりで演じていて、脚本も映像もそれをしっかりと支えている作品だったと思います。

ストーリーもとても面白く、シリアスとユーモアの配分も良いし、単に「トランスセクシャル」を描く作品ではなくて、様々な形で色々なコンプレックスが描かれていて、見ごたえのある作品だったと思います。

途中で出てくるブリーの母親がなんとも強烈なキャラクター。息子の姿に受けたショックへの反動なのかもしれないけれど、他の家族への接し方を見ていても、彼女の抑圧的な姿はかなりのもの。なんか一緒に住んでる家族が気の毒ですよ・・・。

トビーは微妙に父の血を継いでるんですかね・・・。夢への第一歩とはいえ、あの進路はハッピーエンドと捉えていいものやら、と思ってしまうんですが、どうなんでしょうか。でも、ラストシーンで、その後の生活が決してどんよりと暗いものではないことをなんとなく予感させる終わらせ方は結構好きでした。

手術後のブリーの姿も良かったなぁ。

自分の欲望とか常識とかに縛られながら、自分が正しいと信じている道を一生懸命模索して、周囲にも理解してもらいたいけど、なかなか言い出せない中で、本当の幸せって何なのだろうということを、考えさせてくれる作品だったと思います。

うん、大満足。良い映画でした。

蛇足ですが、フェリシティ・ハフマンの役名がブリーってのは、デス妻視聴者としてはなんとも面白いです。

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コメント

tbありがとう。
そうですね、やっぱちハウマンの演技でしょうね。男性の女性演技という役どころを、女性が成り代わってやるわけですからね、頭がこんがらがってきます(笑)

投稿: kimion20002000 | 2008年2月13日 (水) 02時13分

>kimion20002000さん

このような役を女優が演じるというパターンは少ないだけに、
彼女の体当たりの演技はとても印象に残りましたね。

ドラマでは子沢山のキャリアウーマンという役どころなので
そのギャップもあって、本当にびっくりでした。

投稿: ANDRE | 2008年2月14日 (木) 23時56分

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» mini review 07259「トランスアメリカ」★★★★★★★☆☆☆ [サーカスな日々]
女性の心を持ちながら、体は男性として生まれた主人公の葛藤をモチーフにしたハートフルな人間ドラマ。愛を忘れてしまった親と愛を知らない息子の複雑な関係を、新鋭監督のダンカ・タッカーが、彼らのアメリカ大陸横断の旅を通してたおやかに描き出す。人気TVドラマ「デスパレートな妻たち」の“女優”フェリシティ・ハフマンが、女性になる手術を待つ“中年男”にふんし、夢と親心の間で揺れる“ヒロイン”を好演している。[もっと詳しく] 家族とも呼べない最小限のコミュニティは、たしかに確実に始まりつつある。 「で、フェリ... [続きを読む]

受信: 2008年2月 8日 (金) 15時52分

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