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2008年3月12日 (水)

映画「舞妓Haaaan!!!」

舞妓Haaaan!!!

舞妓Haaaan!!!

2007年

日本

宮藤官九郎が好きです。ドラマはほとんど見てます。そんでもってクドカン作品に出ている阿部サダヲも好きなんです。そんなわけで、これは公開時からとても観たかった1本。

主人公の鬼塚公彦(阿部サダヲ)はカップ麺製造会社に勤めるサラリーマン。高校時代に修学旅行で訪れた京都にて舞妓たちの美しさにはまってしまい、現在では、舞妓をおっかけては自身のHPでそれを公開する日々を送っていた。

そんな折、鬼塚は左遷先として名高い京都支社への転勤が決まるが、舞妓の聖地への転勤とあって一人大喜び。恋人の富士子(柴咲コウ)にも別れを告げて、長年の憧れであったお座敷遊びに思いを馳せるのだが・・・。

鬼塚のライバルとなるHPの掲示板を荒らす野球選手の内藤(堤真一)や、鬼塚の務める会社の社長(伊東四郎)や上司(生瀬勝久)、舞妓さんたちといった様々な人間たちとのドラマを絡めながら展開する超ハイテンションコメディ。

前半のひたすらテンションの高い阿部サダヲの力技的なコメディシーンは、クドカン好きなら文句なしに楽しめるんですが、中盤以降、なんか物語が思わぬ方向に展開し始めて、最終的になんだかよく分からないテンションになり、ぐだぐだになってしまったような感じが・・・。

クドカン作品ってドラマだと、序盤に導入的にドタバタがあって、中盤に核となる事件が起きて、終盤、事件が解決してちょっとホロリする人情ドラマがあって、最後に落とすってのが大きなパターンだと思うんですが、45分のドラマだとそれで良いんですが、この作品は2時間かけてそれと同じ展開になってしまったので、中盤~終盤がどうしても長く感じられてしまいました。

なんだか詰め込みすぎ感が否めないので、むしろ連続ドラマでやったほうが面白かったかもしれませんね。

しかし、「舞妓」の撮り方が豪華絢爛な感じで、「SAYURI」に負けず劣らずの華やかな映像が多かったので、観ていてなかなか楽しかったです。

そうそう、あとね、全体的に主人公以外のキャラが「普通の人」だったのもちょっと物足りなかったんですよね。結果、主人公だけが1人騒いで浮いているようなイメージの作品になってしまったように思います。

途中、映画版「プロデュサーズ」を彷彿とさせる(てか、階段のとこでちょっと転ぶとこまで同じだったので、意識してるのは間違いなさそう)、無駄なまでに見事なミュージカルシーンがあるんですが、これがまたなんとも完成度が高いんです。いきなりミュージカルってのをネタにするには長すぎるし、かといって、ここだけ真面目にミュージカルになるのもちょっと浮いてるしで映画としてはどうかなと気もしますが、僕はこのシーンはかなり好きですね。でも昔の喜劇映画ってよくこういうふうに歌ってますよね。植木等とか。

ひっそりと、ゲスト出演してる人たちが豪華でしたね。ちょっとした1シーンだけの出番にバシバシと有名俳優が出てくるのも面白かったです。でもってさっきちょっと名前が出た植木等はこれが遺作になんですが、往年の出演作へのオマージュとなっている場面への出演なのが泣かせます。

堤真一が何気に阿部サダヲに負けないくらいの熱演なのが面白かったですよ。

そんなわけで、なんとも評価しがたい作品なんですが、クドカン好き、阿部サダヲ好きなら観て損はないかなと。

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