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2008年3月 7日 (金)

企画「自選 世界文学全集」

いつもお世話になっているP&M Blogのpiaaさんが池澤夏樹が選者になって刊行中の世界文学全集に寄せて、このような記事を書かれていました。自分が世界文学全集を作るならというのはなかなか面白そうなので、ちょっと便乗してみたいと思います。

せっかくなので、20世紀以降の作品で、なるべくジャンルと国に幅が出るようにして選んでみたいと思います。ただ自分の読書量がそれほど多くないので、かなり偏りがある全集が出来上がると思いますが・・・。しかも文庫派なので、どれもこれも文庫で手に入るものばかりなので、ちょっとつまらない感じになってしまいましたね。

一応テーマは「20世紀」。

・アントニオ・タブッキ 「インド夜想曲」

・イタロ・カルヴィーノ 「見えない都市」&「宿命の交わる城」

・ヨースタイン・ゴルデル 「カードミステリー」

・ポール・オースター 「ニューヨーク3部作」

・レイ・ブラッドベリ 「火星年代記」

・サマセット・モーム 「コスモポリタンズ」

・カズオ・イシグロ 「日の名残」

・アルベール・カミュ 「ペスト」

・アガサ・クリストフ 「悪童日記」

・ペール・ラーゲルクヴィスト 「巫女」

・ガルシア・マルケス 「予告された殺人の記録」

・ニコルソン・ベイカー 「中二階」

・ベルハルト・シュリンク 「朗読者」

・エイミ・タン 「ジョイ・ラック・クラブ」 
 & ジュンパ・ラヒリ 「その名にちなんで」

・ジョン・クッツェー 「恥辱」

・ボリス・ヴィアン 「うたかたの日々」

・ロバート・マキャモン 「少年時代」

・カレル・チャペック 「R.U.R ロボット」
 & アイザック・アシモフ 「われはロボット」

・世界傑作短編集

<なんとなく解説>

・アントニオ・タブッキ 「インド夜想曲」

タブッキはどうしても入れたくて、そこから1冊選ぶとやはりこれかなと。舞台がインドということで、「世界文学全集」的にも幅が出るだろうし。

・イタロ・カルヴィーノ 「見えない都市」(レビュー&「宿命の交わる城」(レビュー

カルヴィーノは当初「冬の夜ひとりの旅人が」にしようと思ったんですが、やはり文学全集に入れるとなるとちょっとなぁという気がしてきたので、「見えない都市」と「宿命の交わる城」の2本立てにしてみました。この2冊、自分の中ではなんだかセット扱い。

・ヨースタイン・ゴルデル 「カードミステリー」

ゴルデルの作品は結構好きで、中学~高校の頃に読んでました。代表作は「ソフィーの世界」ですが、こちらのほうがずっと面白いと思います。とても好きな作品なのでかなり毛色の違う作品ですが入れてしまいました。

・ポール・オースター 「ニューヨーク3部作」

オースターは、好きな長編が「偶然の音楽」とか「幻影の書」とか「Oracle Night」とか色々ありますが、文学全集に入れるとなるとやはりこれになるのではないかと。この作品は、上の「インド夜想曲」にさらにパトリック・モディアノの作品なんかも加えて1冊にしても面白いかもしれません。

・レイ・ブラッドベリ 「火星年代記」

SFを1つ入れるんだったら、自分は間違いなくこれを入れます。何度も読み返してる本で、原書はもちろんなんですが、訳書も味わい深い訳で結構好きです。未来に残したい文学ということで、宇宙開発が始まった頃に人類が創造した物語ということでも価値がある作品ではないかと。

・サマセット・モーム 「コスモポリタンズ」

短編の名手が世界各地を舞台に描く短編集てことで、結構好きな1冊。そういえば、サマセット・モームも世界10大小説を選んでますよね。

・カズオ・イシグロ 「日の名残」

イシグロ作品からも是非1冊選びたかったんですが、そうなるとやはりこれになってしまうのかなぁと。作品としては他の作品も負けずに素晴らしいんですが。

・アルベール・カミュ 「ペスト」

既に現行の文学全集の中でも普通に収録されてる作品ですが、自分が選ぶ文学全集には絶対に入っていてほしい1冊です。

・アゴタ・クリストフ 「悪童日記」

最初に読んだときはかなり衝撃でした。「ぼくら」という複数の1人称が使われているのが非常に面白い作品です。

・ペール・ラーゲルクヴィスト 「巫女」

「バラバ」とも迷ったけど、自分として思い入れがあるのはこちらかなぁと。

・ガルシア・マルケス 「予告された殺人の記録」(レビュー

マルケスは他も読みたいのに文庫化されてるものが少ないんですよね。新潮のシリーズが早く文庫化すれば良いのにね。これは本当に面白くて仕方の無かった1冊です。そういえば、「族長の秋」は持ってるのにまだ読んでないや・・・。

・ニコルソン・ベイカー 「中二階」(レビュー

これは本当に変わった小説。ちょっと実験的な作品ということと、20世紀という時代を非常に上手く詰め込んでいるという点で是非全集に入れたい作品です。1人の男がエスカレーターに乗って中二階に行くまでの間に脳裏によぎった思考を余すことなく書いた作品なんですが、圧巻なのは、本編と同じくらいの長さがある脚注の数々。

・ベルハルト・シュリンク 「朗読者」(レビュー

ドイツという国の20世紀の重さを痛感する1冊。新たなスタンダードして文句なしだと思います。

・エイミ・タン 「ジョイ・ラック・クラブ」 
 
& ジュンパ・ラヒリ 「その名にちなんで」(レビュー

1冊にまとめるにはどちらもかなりの長編なんですが、この2冊は是非セットにしたいですね。どちらもアメリカのアジア系移民の1世代目と2世代目の間のジェネレーションギャップを非常に上手く切取った作品だと思います。

・ジョン・クッツェー 「恥辱」(レビュー

アフリカ大陸からも1冊選びたいということで、数少ない読書歴の中から選ぶとやはりこれになってしまいますね。クッツェーは「夷狄を待ちながら」も買ってはいるもののまだ読んでいないんですよねぇ。

・ボリス・ヴィアン 「うたかたの日々」(レビュー

ヴィアンの作品としては本当は「心臓抜き」のほうが好きなんですが、マニアックになりすぎてしまうので、より一般的なこちらを選択。たまには恋愛系があっても良いだろうし。

・ロバート・マキャモン 「少年時代」(レビュー

これ、本当に好きなんですよ(この記事で何度目だ!?)。読み終えたばかりのときも良かったんだけど、その後になってもジワジワとずーっとよかったなぁという思いが続く作品で、評価は上がる一方です。少年時代の「魔法」を見事に描いた1冊で、読書が好きで良かったと心の底から思えた1冊です。

・カレル・チャペック 「R.U.R」 & アイザック・アシモフ 「われはロボット」

未来に残す文学ということで、ロボットものの代表作であるこの2作は必須だと思います。20世紀という枠がなければ「未来のイヴ」なんかも良いですね。

・20世紀世界傑作短編集

ボルヘスとか、ロダーリとか、日本の作家の作品とか(保坂和志「この人の閾」、池澤夏樹「スティルライフ」、川上弘美「神様」あたりを入れたい)、色々入れたら面白いと思います。ジュンパ・ラヒリは長編じゃなくて、短編で収録でも良いかもしれませんね。

そんなわけで選んでみたんですが、普通に他に入れたい作品が山ほどありますよね。難解でよく意味も理解できない作品だけど、コクトーの「ポトマック」とか入れても良いですね。あと、シュルレアリスム系でブルトンとかも迷ったんですよね。ますます偏りますが・・・。他にもイアン・マキューアンはどうしても入れたいんだけど、次に読もうと思っている「贖罪」が代表作になる作品っぽいのに現段階では未読なので入れられず。

カミュやモームを入れた割りに、カフカはメジャーすぎると思ってカットとか自分でもその辺りの判断基準は不明です。

あと意外にも20世紀しばりがきつい・・・。19世紀作品を選びそうになることしばしばでした。

そうそうアジアの作品をほとんど読んでないことにも気づきました。これからはちょっと気をつけて国や地域のバリエーションを広げる読書をしてみようかなぁ。自分の読書傾向を見直す良い機会になりました。

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コメント

おお~、なかなか個性的なラインナップですね。
ちなみに私はこの中で5作しか読んでいません。
ラヒリやクッツェーは読もうと思いながらまだ手が出ていません。ラーゲルクヴィスト「巫女」はまだ入手できず。
ちなみに私のリストでは、「バラバ」は、他の作品とあまりにもトーンが違うので選びませんでした。
あと「カフカはメジャーすぎて…」には全く同感です。(笑)

実は私、ブラッドベリが苦手です。昔は好きだったのですが、今読むとこの作家の作品、なんとなく後ろ向きな気がして…
「火星年代記」も再読しようか迷っています。

そうなんです!アジアの作品をほとんど読んでないんですよ、私も。中国、韓国や東南アジアあたりになにかいい作品ないでしょうか?

投稿: piaa | 2008年3月 7日 (金) 20時16分

>piaaさん

本棚を見ながら、楽しく選ぶことができたんですが、
一方で、色々と悩んでなかなか大変でした。
我ながら統一性のないラインナップだなぁと思います。

ブラッドベリの作品は自分もかなり当たり外れが大きいのですが、
「火星年代記」だけは何故だか無性に好きな1冊です。

アジアの作品は日本に紹介されてる数自体も少なそうですからね。
特に東南アジアの作品となるとかなり難しそうですね。

投稿: ANDRE | 2008年3月 8日 (土) 01時12分

はじめまして、しんちゃんと申します。
以前からときどき他のブログ経由で楽しく拝見させていただいていましたが、今回は特に興味深い記事でしたので勇気を出して初コメントしてしまいました!

名前の挙がっていた作品を、恥ずかしながらほとんど読んだことがないのですが、でもそれが反対に、知らない作品を読んでいるようで面白かったです。バランスが考えられていますし、それに大御所(?)のモームが入っているので、リストがいい感じにぎゅっと引き締まっているなあと感じました。このリストではとりわけロバート・マキャモンさんに興味を持ったので、ぜひ読んでみたいと思います。

またお話にでていたアジアの作家ですが、早川書房の「ブックプラネット」いう叢書から、タイ系米人であるラッタウット・ラープチャルーンサップの『観光』という本が出ています。短編集ですが、美しい傑作なので、お時間があれば手にとってみてください。
それでは長々と失礼しました。

投稿: しんちゃん | 2008年3月 8日 (土) 05時16分

>しんちゃんさん

はじめまして!
恐らく僕の認識しているしんちゃんさんだと思いますが、
勇気を出してのコメント、どうもありがとうございます。
大変嬉しいです。

モームはちょっと浮いてしまったかなと思っていたので、
逆にそれで引き締まったとの御意見は嬉しいですね。

マキャモンの「少年時代」はとても面白い本なので
強くオススメします。是非読んでみてください!

タイ系の作家の作品は1冊も読んだことがないので、
とても興味がひかれますね。
機会があれば是非読んで見たいと思います。
オススメどうもありがとうございました!

投稿: ANDRE | 2008年3月 8日 (土) 12時44分

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