映画「ベルズ・アー・リンギング」
bells are ringing 1960年 アメリカ |
我が家にはミュージカル映画のDVDが結構あるんですが、買っただけで満足してしまって観ていなかったものを今年は消費しようということで、適当に1本選んでみました。
舞台は1950年代のニューヨーク。電話応対代行会社(留守電サービスみたいな感じで、代わりに応答して伝言を受け取り伝える)でオペレーターをしているエラは、いつも声でのやりとりしかない顧客の男性たちとの会話を楽しんでいた。
その中でもとりわけ、劇作家のジェフリーのことが気になっていたエラは、ある日、ついに、本人に会いに行ってしまう。いつも電話口では、年老いた女性を偽って会話をしていたため、自らの身分を隠すエラだったが、ジェフリーが彼女のことを気に入ってしまって・・・。
というラブコメの物語を、主人公の勤める会社をだまし、隠れてノミ屋業を営もうとする男や、電話応対会社を売春宿の隠れ蓑ではないかと疑う刑事など様々な登場人物たちが繰りひろげるドタバタを織り交ぜて描く。
うーん、長い。これにつきます。ミュージカル映画全盛期の作品で、ブロードウェーのヒット作をミネリ監督が映画化と何かと話題作だったのではないかと思われるんですが、ラブコメは2時間を越えるとちょっとだれてしまいます。
オープニングが非常に面白くて、ものすごいワクワク感を感じたんですけど、やっぱりの中だるみ。ノミ屋の下りはごっそりとカットしても良いのではと思ってしまうんですが・・・・。
ちょっとジャジーな感じの音楽はどれも良い曲ばかりで、主演のジュディ・ホリデイも舞台での当たり役をそのまま映画でも演じているということで、とても生き生きしています。
曲は映画用に書き下ろされたという「better than a dream」がとりわけ白眉のできだと思います。エラとジェフリーがそれぞれの思いをそれぞれ別に歌っているのがいつしかアンサンブルになり、共通のメロディにつながっていく感じとジャズっぽいメロディがかなり好き。
あとは、パーティーの場面で、知ったかぶりな会話を皮肉った曲は面白かったですね。この場面での主人公の孤独感と上手い具合に被ってきて見ごたえのあるシーンでした。
「Just in time」はスタンダード的に知られた曲ですが、思ったよりもインパクトはなかったです。
ダンスシーンとしてはチャチャチャを踊る場面はユーモアもいっぱいでなかなか楽しめるんですが、この時代の作品としては珍しくダンス勝負の場面は少なかったように思います。
交差点にて主人公が周りのみなに声をかけるシーンがあるんですが、このシーンの存在意義がどうもつかみにくい上に、笑いがそこまで笑えない感じだったのが逆に印象に残ってしまいました。
将来残っていく名作かといえば、ちょっと微妙なところですが、「電話代行」という職業もあわせて1950年代という時代を楽しめることのできる1本だったと思います。
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