映画「イタリア的、恋愛マニュアル」
manuale d'amore 2005年 イタリア |
イタリアで大ヒットし、続編も製作されたという恋愛オムニバス。公開時から気になっていた1本です。
イタリアを舞台に、「出会い」「危機」「不倫」「別れ」という恋愛における様々な局面をテーマにした4つの物語が描かれる作品で、4話が上手い具合につながっていて流れるように展開していくのがなかなか面白かったです。
これは予想以上に楽しめる作品でした。変にちゃらちゃらしてなくて、やたらと生活感を感じさせる登場人物たちが、あれやこれやと恋に思い悩むんですが、なんとなくもやもやしたまま終わる物語もあるところが、なかなかリアルです。
クスリと笑わせる場面も多くて、ラストは非常に爽やかな美しい映像で終わるので、見終わった後も気分爽快です。深い作品ではないけれど、ちょっと気軽に楽しむにはもってこいの1本だと思います。
以下1話ずつちょっとコメント。
「めぐり逢って」
一目ぼれした女性に猛アッタクする職無し青年の物語。
もうね、とにかく主人公が強引。彼は恋愛だけじゃなくて、友人にも強引だったので、もうそういう性格なんだろうね。押して押して押しまくる展開に、ややビックリ。
「すれ違って」
倦怠期の夫婦の物語。
この1話目から2話目へのつなげ方、結構好きです。
うーん、すれ違いですね。お互いに何か打開策を求めようとはするんだけど、からまわってしまう感じですね。奥さん、頑張ろうとするのがかえって裏目に出ちゃって、指し風的には羽目をはずしちゃった姿がちょっと痛くて切ないです。でも、夫目線だと、確かに、ああいうのは辛いよね。
「よそ見して」
夫の浮気を目の当たりにしてしまう婦人警官の物語。
この3話目、結構好きですが、結局、目には目を、てことなんですかね。なんだか具体的な数字も出てきますが、さすがイタリア!
それにしても、仕事でうっぷんを晴らすと、この手の職業の人は怖いです。結構笑わせてくれる場面の多い話でした。
「棄てられて」
出て行った妻の帰りをひたすら待ち続ける小児科医の物語。
これが一番好きかも。
ユーモアとペーソスのバランスがよく取れていて、主人公の重さとは裏腹にたっぷりと笑わせてくれます。上手い具合に1話目につながっていくラストもよかった。
ところで、妻の実家、どんだけ金持ちなんですか!?
* * *
意外だったのは、どの話でも、登場人物たちが意外と純情なところ。本音をなかなか言い出せずにもぞもぞっとしてしまう姿がどの話にも出てきて、こういうのって日本人だとよくあるけど、欧米映画だとなかなか見ない姿なので、見ていて面白かったです。
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