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2008年6月 9日 (月)

「トム・ゴードンに恋した少女」 スティーブン・キング

トム・ゴードンに恋した少女 (新潮文庫 キ 3-55)

トム・ゴードンに恋した少女
the girl who loved Tom Gordon

スティーブン・キング
S・King

新潮文庫 2007.5.  

先日、映画「ミスト」を見て、久々にスティーブン・キングが読みたくなったので、ちょっと気になっていた1冊を読んでみました。

主人公トリシアは、両親が離婚し、兄と母と3人で暮らす9歳の少女。ある日、3人はハイキングに出かけるのだが、厳格な母親と、新しい学校に馴染むことのできない兄はいつものように激しく口論をはじめてしまう。2人が全く相手にしてくれないため、トイレをするためにハイキングコースの横道に入ったトリシアは、近道をしようと、深い森の中へと入っていくが、そのまま森の中で迷子になってしまう。9歳の少女が広大な森の中で必死に栽培バルする姿を描く物語。

以前はかなりのキング好きで、中学・高校くらいのときはかなり読んでいたんですけど、実は90年代くらいからのキング作品はあまり好きじゃありませんでした。しかし、今回は久々にかなり面白かったです。

いつも通りに「怖い」作品ではあるんですけど、変なモンスターも出てこないし、ちょっとヤバイ人間が出てくるわけでもないし、不思議な小道具出てくるわけでもなくて、この作品の恐怖の源は「広大な森」と「不安に駆られた自分自身」。現実に十分ありうる出来事が描かれるため、現実感のある怖さの感じられる作品でした。特に後者の描き方が半端なく上手い。

この作品、語り手が完全に神の視点なのも面白くて、彼女のちょっとした判断ミスが、語り手によって容赦なく示されるため(歩く方向を変えていればすぐに人がいる道に出るとか)、読みながら絶望感がより一層に増していくのがちょっと辛かったです。

主人公の少女が、9歳という年齢を考えると、その年齢でなしうる最高のサバイバル知識を身につけているのではないかという感じで、自分だったら果たして彼女と同様のことができただろうかとふと考えてしまったり。うん、山登ったりするときには、妙な気を起こして、横道に入ったりはしないようにします。

単に道に迷うだけの話なのに、ここまで読ませてしまうキングの語りの上手さには脱帽です。

参考過去レビュー

映画「ミスト」 :上述の最近観たキング原作の映画。

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コメント

はじめまして、ランキングからお邪魔しました。
スティーブンキング、私も大ファンです。
で、最近の作品はあまり・・というところも、同じみたいです。特に、ファンタジー色の強いものは苦手で。
その点、「トムゴードンに恋した少女」は、登場人物の少なさとか霊的な怖い存在とか、久々にキングらしい(というか自分が好きなキング)作品だったと思います。

投稿: さーにん | 2008年6月 9日 (月) 18時46分

>さーにんさん

コメントどうもありがとうございます!

最近の作品はちょっと苦手だと思っていて、長らくキング作品から離れていたんですけど、これは久々に面白くて、夢中になって読んでしまいました。

投稿: ANDRE | 2008年6月 9日 (月) 19時23分

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