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2008年6月29日 (日)

映画「アーネスト式プロポーズ」

アーネスト式プロポーズ

the importance of being earnest

2002年

英・米

原作「真面目が肝心」 オスカー・ワイルド

オスカー・ワイルドの戯曲を映画化した作品は名作が多いのですが、かなりの豪華キャストでの映画化ということで、海外で公開された当時にちょっと気になっていたのに、いつまでたっても日本で公開される兆しはなく、なんとなんと、今頃になって今年の4月にDVDリリース。待ちに待ってました!

舞台は19世紀のイギリス。田舎に暮らす貴族のジャック(コリン・ファース)は、しばしば、弟のアーネストに会うためと言ってロンドンまで出かけていた。ところが、これが真っ赤な嘘。彼には弟などおらず、ロンドンで遊ぶための口実を作り、出先のロンドンでは、自由に遊ぶためにアーネストを名乗っていたのだった。

ある日、ジャックは、ロンドンでいつも遊んでいる友人のアルジー(ルパート・エヴェレット)の従姉妹であるグウェンドレンと恋に落ちる。グウェンドレンは「アーネスト」という名前の男と恋に落ちることを夢みていたため、目の前に現れたアーネストを名乗る男に一目ぼれ。ところが彼女の母(ジュディ・デンチ)は結婚に猛反対。

一方、アルジーはジャックが後見人になっている18歳の少女セシリー(リース・ウィザースプーン)を一目見ようと、ジャックの偽弟、アーネストの名を騙って、ジャックの暮らす田舎の屋敷へと向かう。

存在しない男アーネストの名を騙る2人の男と、彼らに恋する2人の女性が巻き起こすドタバタの結末は・・・。という物語。

基本設定が込入ってるため、ストーリー紹介がちょっと長くなってしまいましたね・・・。

いやはや、THE英国な風景を堪能できただけで僕は大満足です。特に田舎のお屋敷♪マフィンなんか食べられた日にはもうたまりません。

物語としては、同じくワイルド原作の「理想の女」なんかのほうが、ググッと胸に迫る深みがあったように思いますが、明るい恋のドタバタを、下品にならずに、大人でもしっとりと楽しめるように映画化していて、結構好きな作品です。

ま、あまりにまるくまとまりすぎだろ!だとか、世間狭すぎだろ!ってツッコミは我慢してって感じですが。

男2人が気をひくために必死でピアノ&ギターで歌う場面がとても良かったですね~。あの使用人たちにピアノを運ばせながら、移動しながら演奏する姿がなんともいえませんでした。しかも、エンディングまでこの歌!!

タイトルの邦題はもはやなんのことやらさっぱり分からないですが、原題は、男たちが使う偽名の「Ernest」と真面目なことを意味する「earnest」の音が同じことを利用したダジャレなんですよね。なかなか上手いタイトルなんですけど、さすがにこれを邦訳するのは難しいと思うし、戯曲の邦題として定着している「真面目が肝心」も映画としては地味な感じなので、まぁ、悪戦苦闘した結果なんでしょう。

どうせなら、同じワイルドの原作映画を「理想の結婚」、「理想の女」というタイトルで邦題をつけてきたんだから、「理想の男」とかいうタイトルでも良かっただろうに。

文句のつけようのない素晴らしいキャスト勢なんですが、ちょっと厳しいことを言いたいのはやはり、リース・ウィザースプーン。何故ここでバリバリなアメリカ娘を!て感じです。しかも彼女の魅力が生かせてるとも思えないし。せめて、英国的雰囲気を出せる方が良かったなぁと。年齢的にキーラ・ナイトレイとかねぇ。

一方で、ジュディ・デンチはさすがの貫禄。あのひらひらしたドレス&帽子を着こなしてしまうだけでも素敵すぎるのですが、「恋に落ちたシェイクスピア」のエリザベス女王を彷彿とさせる見事な大岡裁き(?)っぷり。ラストのオチも微笑ましかったですね。

ルパート・エヴェレットとコリン・ファース、特に終盤はとても楽しんで演じてましたね~。特にコリン。

久々に英国文学映画を楽しめて大満足でした。こういう19世紀ものは無条件で好きなのです。

<参考過去レビュー>

この作品と同じくオスカー・ワイルド戯曲の映画化作品です。ワイルドの作品はこの作品と下の2作品にさらに「つまらない女」という戯曲を加えたものが4大喜劇と呼ばれているらしいので、もう1作も映画化されることを希望。

映画「理想の結婚」
原作は「理想の夫」。魔性の女ジュリアン・ムーアがかなり良い感じの1本。爽やかで楽しい1本で、非常に面白い。

映画「理想の女(ひと)」
原作は「ウィンダミア卿夫人の扇」。ヘレン・ハントがとにかく素晴らしいです。これまたかなり好きな映画です。

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コメント

こんばんは♪
やっと観れて嬉しい反面、この邦題とジャケットでは、
アメリカのコメディだと思って借りて、ガッカリ!という人もいれば、
アメリカのコメディなんて嫌!と思って素通りする人もいるだろうし、
ちょっと酷すぎますわ…
せっかく面白いお話なのに、かなり勿体無いです。
さらに、リース・ウィザースプーンが登場したとき、
「アメリカからやってきた、20代後半の知り合い」だと勝手に思ったのですよ。
これも、ちょっとねぇ。。。

でも、コリン・ファースとルパート・エヴェレットは最高に楽しかったです。
パリッとした衣装を着たら、とっても素敵なGentlemanなのに、
移動しながら弾き語りとか、子供みたいな取っ組み合いとか(笑)
そうそう。エンディングまでこの曲で、笑っちゃいました。

オスカー・ワイルド原作の他の2作品、どちらもそれぞれに面白かったですね。
残りの1作も是非、映画化してほしいとわたしも思います。

投稿: 悠雅 | 2008年6月30日 (月) 00時36分

>悠雅さん

コメントどうもありがとうございます。

ただでさえマイナーなリリースの仕方だったのに
このタイトル&ジャケだとますますマイナーになりそうで
面白い作品だっただけに残念です。

ワイルドの作品はどれも面白いので、
今後も色々と映画化されると嬉しいですね。
もちろん、その際にはしっかり日本公開も!!


投稿: ANDRE | 2008年6月30日 (月) 20時16分

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