映画「フローズン・タイム」
cashback 2006年 イギリス |
公開時に、劇場までいこうかどうかかなり迷ってた作品です。気づいたら、割と早くDVD化してくれたので、早速観てみました。
美大に通う主人公のベンは付き合っていた彼女にふられてしまい、そのショックから不眠症になってしまう。彼は眠れない夜の時間を埋めるために深夜営業しているスーパーでバイトをはじめ、そこで、個性豊かな同僚達と共に夜を過ごすようになる。そんなある日、彼は、時間を止める事ができるようになるのだが・・・。という物語。
ポスターやDVDのジャケのヌードなお姉さんは、時間を止めた彼がスーパーの買い物客たちをヌードにする場面から。ヌードの多い作品ですが、主人公が美大生ということもあって、あくまで「美」の象徴としてのヌードで、そこまでのやらしさはありません。
もう少しスタイリッシュな作品なのかと思っていたんですが、その辺りは割と地味な感じでしたね。ところどころのコメディぽい部分がいかにもブリティッシュな笑いで、地味にクスクスと笑ってしまいました。みんなで椅子に座ったままボスの前に並ぶのとか結構ツボです。こういうゆるーいUKコメディは大好き。このスーパーが舞台のTVシリーズとか作って欲しいです。
ただ、作品が扱うテーマ自体が、彼女にふられた男が次のステップに進むまでのウジウジを描いたものなので、全体を貫く空気はそこまでコメディコメディしてないのが良いです。
時間を止められる、という超能力が出てくるのに、それが作中で使われるのは数回だけ。不思議な力は、ここぞという場面で、主人公の葛藤を描く手段でしかなくて、ちょっともったいないような気も。でも作品自体が「時間を止める」という能力がメインで描かれるわけではないのがちょっと面白い。
みんなが静止してる映像がたまに、写真ぽくて、立体感がなかったりするのがちょいと残念だったのですが、監督がフォトグラファーということもあり、決める部分の構図やらライティングやらはビシッと決めていて、見ごたえのある映像もいっぱい。ラストに向けて、ヒロインがどんどん綺麗になっていくのも印象的。
主人公の青年、どこかで見たことがあると思ったら、ハリポタシリーズでクィディッチ少年のオリバー・ウッドを演じていたショーン・ビガースタッフ君じゃないですか。大人になりましたねぇ。
この映画、きっと眠れない夜に鑑賞するのがぴったりなんだろうなぁ。
最後に、突っ込んじゃいけないんだろけど、他にも問題は色々あるんだろうけど、時間とまってるとき、自販機は使えないのでは?とかなんとか言うのはやっぱりヤボなんでしょうか・・・。
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コメント
ANDREさん、はじめまして。
「スワロが映画を見た」のスワローテイルです。
この作品はスワロもお気に入りの一本です。
アートな感覚がとても新鮮でした。
真夜中のスーパーというのも面白かったですよね。
さまざまな登場人物がいましたが
彼らはアートの対象であり、心理描写がとことん削がれていたのが
また主人公の内面を浮き彫りにしてくれましたよね。
そうそう、サボり店員とかユーモアもかなりありましたよね(笑)
投稿: swallow tail | 2008年7月31日 (木) 19時03分
>swallow tailさん
コメントありがとうございます。
見慣れたスーパーも深夜になれば
「アート」の世界になるのが面白かったですね。
主人公の設定が美大生だというのも絶妙でした。
店員たちがとにかく面白くて、
こういうゆるーいUKの笑いが好きな自分としては
ちょっとした拾い物でした。
映画記事はDVD鑑賞が多いですが
また機会がありましたら、
是非遊びに来てください。
投稿: ANDRE | 2008年8月 1日 (金) 00時56分