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2008年7月 4日 (金)

「木曜日だった男」 チェスタトン

木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫 Aチ 1-1)

木曜日だった男 一つの悪夢
(the man who was thursday : a nightmare)

ギルバート・チェスタトン
(Gilbert Keith Chesterton)

光文社古典新訳文庫 2008.5.  

久々の古典新訳文庫。ミステリの『ブラウン神父』シリーズで有名なイギリスの作家、チェスタトンの代表作です。

主人公は無政府主義者たちの組織に潜入し、捜査をすることになったサイムという男。その組織では7人のメンバーがそれぞれ曜日の名前を与えられていて、サイムは「木曜日」に任命される。はてさて、サイムは組織が計画する爆弾事件を阻止することができるのだろうか・・・。という物語。

と、あらすじを書くと、探偵ものハードボイルドな雰囲気なんですが、サブタイトルになっている「一つの悪夢」というのがかなりキーになっていて、探偵物語の殻をかぶりつつ、実際は哲学的夢想が繰りひろげられるちょっと変わった作品でした。

物語自体はこちらの予想通りに展開していくものの、結構楽しめる内容なんですけど、冒頭や後半で熱く語られる言葉が結構読むのが大変でして、最終章に至っては、理解するのもなかなか難しい内容のまま、狐につままれたようなラストを迎えたなという感じでした。

捜査するもの、されるものの境界が不明瞭になっていく展開はちょっとオースターのNY3部作なんかも髣髴とさせる感じでしたねー。

チェスタトンという作家は、カトリック作家として有名ですが、この作品も、曜日の名前がキーになっていて、安息日である「日曜」の捉え方なんかは、その辺りのことを良く知らない自分にはちょっと分かりかねるのが残念なところ。恐らく他の部分にも、カトリック思想が重要なポイントとして現れているんだと思うんですよね。

他にも、政治や思想の問題など色々と詰め込まれている感じだったんですが、そういう物語だと思っていなかったので、ちょっと面食らってしまったというのもあるんですが、思った以上に深く、理解するのが難しい作品だったので、また機会を見て、読み返しつつ、本質的な部分を理解できればなと思います。

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コメント

本屋さんで見かけて、これも面白そうだと思ったのですが「月と六ペンス」の方を買ってしまいました。
これもそのうち読みたいです。

光文社古典新訳文庫はたくさん読みたいものがあって悩みのタネですね。
今度は「アンナ・カレーニナ」全4巻だそうですよ

投稿: piaa | 2008年7月 4日 (金) 23時04分

>piaaさん

コメントありがとうございます。

そうなんですよ!
「カラマーゾフ」を読もう読もうと思っているうちに
「アンナ・カレーニナ」が刊行されることになり、
どうしたものかと思っているところです。

「月と六ペンス」、僕も買いました。
結構昔に読んだはずなんですが、
記憶もおぼろげなので、この期に再読しようと思っています。
モームは今「お菓子と麦酒」を読んでいるのですが、
それがかなり面白いので、「月と六ペンス」も楽しみです。

古典新訳文庫はシリーズ刊行開始前の期待以上の内容で
毎月の次回配本が本当に楽しみです。

投稿: ANDRE | 2008年7月 4日 (金) 23時45分

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