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2008年7月 8日 (火)

映画「スケルトン・キー」

スケルトン・キー (ユニバーサル・セレクション2008年第6弾) 【初回生産限定】

the skelton key

2005年

アメリカ

正直、このジャケットだと、レンタル店にて借りようという気すら起きませんが(ホラーの棚だし)、サスペンスの面白いのが見たいなと思い、調べていたところたどり着いた作品です。

あ、ジャケだけ見て、この下の感想を観ない人も多そうですが、一言だけ言うと、全然ホラーじゃなくて、サスペンスとして非常に面白い作品でしたよ。こういう隠された佳作に出会えると嬉しいものです。

主人公キャロライン(ケイト・ハドソン)は、脳卒中で倒れた老人ベン(ジョン・ハート)を住み込みで看護することになり、ジョンの妻ヴァイオレット(ジーナ・ローランズ)から屋敷中の鍵を全て開けることのできる合鍵(スケルトン・キー)を譲り受ける。ある日、キャロラインは屋根裏部屋の奥に、その鍵で開けることのできない扉があることに気づくのだが・・・。

何か助けを求めている様子のベン、屋敷の屋根裏に隠された部屋、そして、アメリカ南部に伝わる呪術フードゥーに秘められた衝撃の事実とは!?という物語。

この手のサスペンスは、観ながら、ああだこうだと色々推理をしながら観てしまうわけで、終盤に至るまでの展開はある程度予期できるものだったんですが、ラストのどんでん返しのインパクトが強かったです。

脚本が「隣人は静かに笑う」のアーレン・クルーガーなので、その系列の作品だと思っていただければ良いかと。

一見、ちょっと中だるみな雰囲気さえあった中盤の展開が、ミスリードさせるように巧妙に仕組まれているのが上手い!途中、映像が無駄に見づらいとこがあったりとか、終盤に至るまでの部分の見せ方がもうちょっと上手いとかなりの傑作になってたかもね。たまに音楽(南部が舞台なのでジャズを使うのは良いんだけど)が合ってない場面もちょいと気になったし。

ケイト・ハドソンといえば、明るい笑顔でラブコメに出ているイメージが強いですが、今回はホラー調のサスペンスで、必要以上に好奇心旺盛なために、ドツボにハマっていく主人公を熱演してました。

あとは、なんと言っても、ジーナ・ローランズ&ジョン・ハートのベテラン2名がすさまじく良い雰囲気を出しています。特にジョン・ハートの目で訴える演技は必見。ジーナ・ローランズはあのお美しい老婦人っぷりはいずこへ?っていう役でしたねー。

ラストのネタバレは書きたくないので書きませんが、一応以下、反転させてどうぞ。

役者のことを書いてたので、まずはそこから書きますと、ジーナ・ローランズ、せっかくなのでもうちょっと壊れてくれた方が、最後のほうの展開が引き締まったような気がします。

さて、ラストを観ての感想。

ラストを観てから、冒頭からの色々なやりとりを考えると、背筋がゾクゾクです。処刑のシーンとか怖すぎ。あと、さきほど、主人公が好奇心旺盛と書きましたが、それさえも仕組まれてたんだよねー。すごいなぁ。

一方で、序盤のやりとりをはじめとして、意味ありげな雰囲気のあったシーンの数々が、実は結構、微笑ましいやりとりだったのではないかと。何度も面接した理由とか、弁護士が主人公に決めちゃった理由とか。

これ、視点を変えてみると、また違った楽しみ方があるかもしれませんね。

<ネタバレっぽいとこ終わり>

そんなわけで、観終わったあと、決して気分爽快ではないのですが、色々と考えていくと、作品のあちらこちらに張られている伏線を解釈していく楽しみのある作品で(時に恐ろしく、時に微笑ましく←この後者の要素があるのが好き)、かなり面白かったと思います。

おかしな方向に転がらないで、納得のいく(?)ラストだったしね。ただひたすらもどかしかったけど。

<参考過去レビュー>

映画「プリティ・ヘレン」
もっと明るくキュートなケイト・ハドソンを観たければ。

映画「きみに読む物語」
もっと美しい老夫人を演じるジーナ・ローランズを観たければ。

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