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2008年8月 3日 (日)

映画「孤独な嘘」

孤独な嘘

separate lies

2005年

イギリス

日本未公開作品ですが、エミリー・ワトソン、ルパート・エヴェレット、トム・ウィルキンソンと、英国万歳なキャスト陣にひかれてずっと観たかったのに、近所のレンタル店では5本くらい置いてあるのが常にレンタル中という状態でようやく観ることができました。

主人公ジェイムス(トム・ウィルキンソン)はロンドンで弁護士をしていて、郊外の街に別荘を購入し、妻のアン(エミリー・ワトソン)とともに、ロンドンと別荘とを行き来する生活を送っていた。

ある日、別荘で家政婦をしているマギーの夫が何者かに轢き逃げされ命を落とす。ジェイムスは、車についていた傷から近隣の名家の息子ビル(ルパート・エヴェレット)がその犯人ではないかと疑うのだが、やがて、事件の背景に隠された事実が明らかになり・・・。という物語。

主要人物たちが4者4様、自分自身の生き方のプライドを貫くために嘘をつくという内容で、全体はサスペンス調になってはいるものの、むしろ、大切なものを守ろうとする人々の悲哀を描く人間ドラマといった様子の1本でした。

終盤の後日談的部分が結構長かったので、この作品は作り手もサスペンスとは思って作ってないんだと思うのですが、そうなると90分未満という長さはやや物足りなくて、全般的に消化不良な印象も残る作品でした。

特に印象的だったのは主人公の溢れんばかりの妻への愛。もう見るに見かねてしまうほどで、どんな辛い目にあおうと、ごまかすことのできないまっすぐな思いが眩しくて眩しくて、そして、哀れで可哀想で仕方なかったです。トム・ウィルキンソンもちょっと嫌味な夫が、哀れな夫になっていく様を見事に演じていたように思います。

もう1人、とても印象に残ったのが家政婦のマギー。いやはや、これぞ、メイド!ご主人様への忠義を貫き通す姿に英国の風を感じてしまいました。現代的な感覚で見てしまうと、もはや理解不能だけれど、こういう主従関係があるのが、階級社会なんだなぁと改めて感じられる作品でした。

エミリー・ワトソンは相変わらず上手いですが、今回は全く共感を呼べないような人物を演じていて、なんだか感じ悪かったです(笑)

ルパート・エヴェレットも愉快な文芸作品にでているときとはまた違った味わいがありましたね~。

それにしても、英国郊外での田舎暮らしがやっぱり良いですね~。クリケットに興じて、パーティして、広い庭でのんびり過ごして・・・。英国マニア憧れの生活です。

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