映画「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」
Mr. Magorium's Wonder Emporium 2007年 アメリカ |
モリー(ナタリー・ポートマン)は、かつては天才ピアニストと呼ばれていたが、今は作曲が思うようにできず、自信をなくしていた。彼女は自称243歳というマゴリアム氏(ダスティン・ホフマン)の経営するおもちゃ屋で働いていたが、そこはただのおもちゃ屋ではなく、おもちゃたちが自由に動き、たくさんの不思議に溢れた魔法の店で、広い店内は子供たちで賑わっていた。ある日、マゴリアム氏は引退を考え、モリーに店を譲ろうと考えるのだが・・・。
おもちゃ屋の資産の計算のために雇われた「魔法」信じない現実的な会計士のヘンリーや、おもちゃ屋を手伝う友達ができずに悩んでいる少年エリックらとの交流とともに、モリーの成長を描いていく。
とにかく映像が素晴らしい作品でした。「魔法のおもちゃ屋」というのをこれでもかっていうくらに再現した映像は一見の価値があります。オープニングのアニメも結構好き。あとは、普通の少女みたいな役はかなり久々ではと思われるナタリー・ポートマンと、ダスティン・ホフマンの安定した名演技も見逃せません。
登場人物たちはちょっとステレオタイプな感じのキャラ設定が気になりはするけれど、たとえば、自身をなくした音楽家なんていう設定もなかなか良いなぁと思うんです。
しかし、しかし、しかし、材料も映像も最高級だったのに、全体にどこか微妙だったというのが正直な印象です。素晴らしい素材が生かされてないっていうか。
ちょっと物足りなかったところ。
以下ネタバレなので反転させてどうぞ。
・マゴリアムおじさんが引退を決意した理由がはっきりとしなかった。
・モリーのピアノ問題の扱い。結局、彼女は自分の夢をあきらめるという展開だったのが残念。個人的には、モリーには音楽で大成してほしかった。個人的には、モリーじゃなくて、エリック&ヘンリーの2人が店を継ぐのかなぁとか思ったんだけどねぇ。
・エリックには同年代の子供の友達を作ってあげて欲しかった。そもそも、だったらモリーとはすでに友達だったんじゃないのか!?っていう。
・細かいところだけど、章立てにする構成は別になくても良い気が。子供を飽きさせない工夫なのかなとも思ったんですが、最後のほうは章のタイトルが結果的にその後の展開のネタバレみたいになってしまっていたので。
(ネタバレ終了)
以上のような点がどうしても気になってしまったんですよねぇ。結局、映像だけの映画になってしまったような気がしてしまって・・・。
監督・脚本は「主人公は僕だった」を書いたザック・ヘルム。「主人公は僕だった」の感想を書いたときにも、映像は素晴らしいのに何かが物足りないと書いたので、ザック・ヘルム作品はアイデアやら設定やらはとても好きなんだけど、最後の最後で相性が悪いみたいです・・・。
全然気づかなかったけれど、会計士さんを演じるジェイソン・ベイトマンは「JUNO」のガキっぽさが抜けない養父希望の男だったみたいですね。今回は真逆のキャラでしたね~。
<参考過去レビュー>
上述のザック・ヘルム氏が脚本をてがけた作品。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画「天使の分け前」(2013.06.13)
- 映画「屋根裏部屋のマリアたち」(2013.05.29)
- 映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」(2013.05.27)
- 映画「リンカーン弁護士」(2013.05.06)
- 映画「偽りなき者」(2013.05.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント