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2008年10月 4日 (土)

映画「20世紀少年」

映画「20世紀少年」オリジナル・サウンドトラック

20世紀少年

2008年

日本

どうも、実は浦沢直樹の大ファンです。正直、映画化を知ったときは期待よりも不安の方が大きかったのですが、やっぱり気になってしまったので劇場で鑑賞しちゃいました。

主人公ケンヂは蒸発した姉が置いていった姉の娘のカンナを育てながら母親と2人でコンビニを経営していた。ある日、小学校時代の同窓会に参加したケンヂはそこで、とある新興宗教の噂を耳にする。

「ともだち」と呼ばれる男が教祖となっているその宗教で使われているシンボルマークが小学校時代にケンヂたちが作った秘密基地の中で仲間たちとともに考えたのと同じマークだったことから、ケンヂは当時の仲間の誰かが「ともだち」なのではないかと疑いはじめる。

やがて、世界各地でウィルステロが発生。そして、そのテロ事件が、ケンヂたちが秘密基地の中で皆で考えた「よげんの書」に書かれた内容と一致。ケンヂは小学校時代の仲間たちを集め、「ともだち」による世界支配を食い止めるために立ち上がるという物語。

これはなんとも評価の難しい作品。

漫画の映画化としては、原作ファンからの抗議がこないように、キャスティングも内容もとても無難にまとめていたように思います。ただ、原作の映像ダイジェストみたいになってしまって、1つ1つのエピソードの描き方がとても薄い。クライマックスの戦いの場面でさえ、たいした緊張感も無くサラリと過ぎ去っていくのには驚きました。

やたらめったら豪華なキャスティングは、原作のイメージのままなんですが、これって別に原作の顔に似た人を持ってくることに意味はないと思うんですよねぇ。ポイントとなる特徴だけあってれば(マルオが太ってるとか)良いのではないかって気も。(でも、これは、割と原作と顔が似てない人だったりすると、バッシングの嵐だったりすることもあるから難しいところですよねぇ)

もうちょっと「映画ならでは」を感じさせてくれると嬉しかったかなぁ。原作が完結している作品なので、大胆にストーリーを構成しなおすとか。冒頭から、かなり原作に忠実な展開でしたからねぇ。

あと、見ていて感じたのは、浦沢直樹の魅力の1つは「連載漫画」の見せ方をよく知っているということなんだなということ。連載漫画って、毎回毎回1つの山を持ってきて、さらに、次回に続くようにひっぱらなければいけません。で、浦沢作品はそれが半端なく上手い。やりすぎなくらいに引っ張りますからね。単行本でも、次の巻が出るのが待ちきれないと思うような絶妙の引っ張り方で終わらせることが多いですし。

そんなわけで、そんな原作を映画にするとどうなるか。

映画では2時間半続けてストーリーが展開するので、話を引っ張る必要がないので、浦沢直樹的な見せ方が映画というメディアにハマっていないような印象がどうしてものこってしまいました。映像化するなら連続ドラマで細かく物語を切ったほうが浦沢作品のドキドキ感や、ワクワク感が上手く再現できたのではないかと。

あとはやっぱり2時間半でもこの物語を描くには足りないんだよねぇ。登場人物多いし。このキャストで、半年かけて全20回くらいでドラマ化したほうが良かったんじゃないっすかねぇ。1回で単行本1巻くらいのペースで。

そうそう、この作品、「ともだち」の正体がどうしても気になってしまうんですけど、原作で真相を知っているものとしては、彼が登場する場面はやたらと気になってしまいましたね。てか、映画だと喋り方とか、背格好とか、一部わざとらしい演出とかで、バレバレじゃん!と思ってしまったのは僕だけでしょうか・・・。

ま、確か、浦沢氏は「ともだち」の正体が誰なのかということに読者の注意が集中してしまったのが、不本意で、そこはそれほど重要ではないって感じのことを以前テレビか何かで語っていたので、ともだちの正体にばかり気を取られることの無いような作りだったのは原作者の意図どおりなのかもしれません。

あと、とーっても残念だったのは子役の演技が全体的に上手じゃなかったこと。この作品ではこれはかなり致命的でしょ。あと、少年時代パートはもうちょっと「昭和」を感じさせて欲しかったかなぁ。

ところで、ラストの爆破、あんな過激なんですか!?あれじゃ、首都壊滅で、続編も何もあったものではないと思うんですが・・・。

そんなこんなですが、個人的には、単行本の小泉さんが出てくるあたりのエピソードが好きなので、次回作が楽しみだったりします。

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