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2008年10月30日 (木)

映画「バンテージポイント」

バンテージ・ポイント コレクターズ・エディション

vantage point

2008年

アメリカ

ここのところドタバタ続きだったため、DVD・劇場を含めて映画を観たの自体が3週間ぶりくらい。

劇場公開時にやっていたTVCMがかなり面白そうな雰囲気を出していたので、観たいなぁと思っていた作品。時間も短いし、内容も重くなさそうだし、久々の鑑賞には丁度良さそうだと思い観てみました。

舞台はスペイン。5大陸首脳会議が開催されることになり、それに先立つ米大統領のスピーチを聞くために広場には大勢の人々が集っていた。そして、SPに守られながら大統領が登場し、スピーチのために、登壇したそのとき、大統領は何者かによって銃で撃たれ、その後、混乱した広場では大きな爆破が起こり、辺りは大惨事となってしまう。

全てを中継していたTV局、大統領を護衛するSP、たまたま広場に居合わせた観光客など、次々と視点を変えながら同じ事件を何度も辿り、その裏で起きていた事実を描き出していく作品。

この映画、複数の視点から同じ事件を描くということしか知らなかったんですが、観ていてビックリ、物語がある程度進んだところで、いきなり、キュルキュルと画面が巻き戻されて、同じ時間の別の人に焦点をあてるというのが6回ほど繰り返されるんですね。

ま、目新しい手法ではないものの、徐々に明らかになっていく事件の全貌にハラハラして、あっという間の90分でした。これで、もう少し巻き戻しが増えて、時間が長くなったら流石にくどいと思うので、この90分は映画を楽しめる絶妙の時間配分だったと思います。

なんか、結構序盤から、大事な部分をわざと映さないようにして、興味をひいていく作り方なんですけど、「真相が明らかになる」というよりかは、「事の顛末が明らかになる」という感じだったので、犯人は誰なのかみたいなドキドキ感がなくて、じれったく出し惜しみされる事実をヤキモキしながら見守るというタイプの映画なので、好き嫌いはあるかなぁと思うんですけど、僕は結構楽しめちゃいました。

同じ場面が何度も繰り返されるので、ちょっとくどいという意見もあるようですが、テンポよくサクサクと進んでいく作品なので、その分、観ながら、「これはもしや?」、「え?あの人が?」なんて、色々と推理して考えさせてくれる時間が作れて良かったかなと。

ただ、毎回毎回惨劇が起きてしまうので、それを食い止められないもどかしさみたいのを感じてしまった自分なのでした。

あと、良かったのはカーチェイスの迫力。製作者もかなり気合を入れたことをアピールしたいのか、このシーンはやたらと長かったしね。

てか、普通に描いたら全然内容の無いようなストーリーだよねぇ。ちょっと凝った手法にすることで、緊迫感とともにここまで見せてしまうのはなかなか上手かったと思います。

キャストも結構豪華で、ちょっと地味な主人公級のキャラ、SPのバーンズを演じるデニス・クエイドは年齢を感じさせない頑張りを見せていました。あとは、『ラストキング・オブ・スコットランド』での好演が記憶に新しいフォレスト・ウィッテカーが普通の観光客をこれまた熱演。

ちょっともったいなかったのはシガニー・ウィーバーが別に彼女である必要のない地味~な役だったことかなぁ。

さて、一通り褒めたところで、つっこみタ~イム!!

以下反転させてお楽しみください。

いや、仲間をバシバシ殺して、あれだけの爆弾テロをしかけたのにさ、子供を轢きそうになって・・・ってのはあまりにも説得力が。テロリストとはいえ、人の心がって感じなんでしょうか。なんか、この場面は子供を出してこないで、もうちょっと違う感じでまとめてほしかったかなぁなんて思います。

でもって、たった一人にやられてしまった本部って一体・・・。彼、きっと一人で弟助けられたよ。

さらにさらに、バーンズ(てか彼の運転する一般乗用車)が無敵すぎ!!

子供を置いて逃げる母って・・・。そしてそんな小さい子でもないのに、道路を渡ってしまうかっていう・・・。

登場人物が皆さん足速すぎ。

ただの観光客なのに執着しすぎでは・・・。

その場に居合わせたと電話で聞いただけで、心配になって仲直りってのも突然すぎな気が。

などなど割とツッコミどころの多い作品でしたね・・・。

あと、個人的には、自作自演的展開を期待したんですけど、割と普通にまとまってしまった(反転させてください)てのもやや物足りなかったかも。

ま、でも、エンタメとしては十分に楽しめたので、満足度は高め。

<参考過去レビュー>

映画「ボビー」
暗殺事件を巡る人間ドラマ。

映画「フォーンブース」
90分間、リアルタイムにハラハラさせてくれるアクションといえば。

映画「ラスト・キング・オブ・スコットランド」
ビデオを持っていたおっさんが独裁者を熱演。

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コメント

おっしゃるようにストーリーよりも展開で見せる映画でした。
子供をよけて、、、は私もちょっと無理では、と思いました。

何よりも日本版予告はひどい。ミスリードです。
チラシの文面も適当すぎます。

投稿: KGR | 2008年11月 2日 (日) 01時46分

>KGRさん

こちらにもTB/コメントどうもありがとうございます。

ストーリーは真面目に考え出すと、
色々と無理がありましたが、
それを考えさせない展開の面白さがあるというのも
なかなか面白い作品だったと思います。

予告編、確かにちょっと違いましたよね・・・。
ま、でもそんな予告に騙されて(?)観ようと思っていた自分なので
まんまと罠にはまってしまった感じです。
結果的に、結構楽しめる映画だったのでとりあえず満足してます。

投稿: ANDRE | 2008年11月 2日 (日) 01時53分

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