映画「ハロー・ドーリー!」
Hello, Dolly! 1969年 アメリカ 69年12月公開 DVD鑑賞 |
映画「WALL-E」の中で、ウォーリーが観ていたミュージカル映画。「WALL-E」鑑賞後からずーっと観よう!と決めていたものをようやく鑑賞しました。記事後半には「WALL-E」とからめた感想もありますよ!
何組もの男女の仲を取持ってきた世話好きのドーリーは田舎町で飼料店を営むホレスにNYで帽子屋をしているアイリーンを紹介するものの、自分がホレスに恋をしていることに気づいいてしまう。そこでホレスの店で留守を任されていた従業員のコーネリアスとバーナビーに声をかけ、アイリーンと彼女の店で働いているエミーに会いに行くよう2人をけしかける。ホレスに画家の恋人との交際を禁止されている姪アーメンガードも巻き込み、ドーリーにそそのかされて、田舎町からNYへとやってきた人々が巻き起こす恋の大騒動を描く物語。
この作品、ジーン・ケリーが監督ということもあて、ダンスシーンは見事だし、音楽は文句なしに良いし、楽しめる場面も沢山あるんだけど、2時間半弱というのは少し長すぎではないかと。ミュージカル映画好きの自分でもちょっと長いなぁと思ってしまいましたからね。
1つ1つのダンスシーンが不必要に長くて、結果、作品のテンポがとても悪くなってしまっているような印象を受けました。オリジナルの舞台版は「マイ・フェア・レディ」のロングラン記録を更新した舞台ということですし、もうちょっとコンパクトにまとめてくれたら名作映画としてもっと知られていたのではないでしょうか。
あと、サイドストーリーのほうがかなりメインにくいこんでしまって、そちらのほうがキャラも魅力的なため、本来のドーリーとホレスの物語がかなりかすんでしまってるのももったいないところ。
キャストでは、まずホレスを演じるウォルター・マッソーがなかなかのはまり役でしたね~。
そしてそして、味のある歌とダンスを見せてくれるコーネリアスを演じるのは、「オペラ座の怪人」のファントム役のオリジナルキャストで知られるマイケル・クロフォード。若い!ファントムにもこんな生き生きと夢みる若者だった時代があったんだねぇ。
さてさて、このマイケル・クロフォードが歌う「put on your Sunday clothes」、映画「WALL-E」のオープニングを飾り、劇中でも印象的に使われていた曲ですが、これは本当に名曲。聞いているだけで楽しい気分になります。
他に印象に残る曲は、なんといっても、突如現れるサプライズなキャスティング、ルイ・アームストロングが歌うドーリーを称える1曲「hello Dolly」。この人、本当に味わい深い渋みのある声で歌うよねぇ。
そんなわけで、面白い場面や良い曲がいっぱいあるのに、どうも間延びした冗長な演出が目立ってしまい、色々と惜しい感じのする1本でした。
* * *
映画「ウォーリー」(レビュー)と「ハロー・ドーリー!」
ウォーリー君が劇中で鑑賞する曲は2曲。
1曲目が上述した「日曜は晴れ着で」というナンバー。これは、田舎町でわき目もふらず真面目に働き続け28年間一度も恋人のいないコーネリアス青年が、女性とのキスを夢みて、町を飛び出そうと歌う内容。これ、見事にウォーリーのテーマそのものじゃないですか!
この場面はダンスシーンも見事で、ウォーリーならずとも、つい口ずさんで、帽子の1つも持って踊りたくなってしまいます☆
そして、NYに出てきたコーネリアスが素敵な女性に出会い、2人が歌う愛のデュエット、「It only takes a moment」。田舎からNYに飛び出してきた青年がそっと手を繋ぐシーンは本当に印象的で、これまたウォーリーならずとも誰かと手を繋ぎたくなること間違いなしです。
ところで、この2つのシーンの間は1時間半くらいあるんですが、ウォーリーの観ていたビデオは編集されてたんですかねぇ。それとも、毎回毎回しっかり全編鑑賞してたんでしょうか?
映画を観ながら、ウォーリーが700年間一人で、外の世界に飛び出した青年がついには恋人を得るというこの作品を観続けていたことを思うと、ますます彼の切なさを強く感じてしまいますねぇ。
どうやらこのミュージカルの使用は後から決まったようですが、それにしてはあまりにもストーリーにハマりすぎていますよね。まさに奇跡のコラボといった感じです。
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