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2009年1月

2009年1月31日 (土)

映画「マンマ・ミーア!」

マンマ・ミーア!-ザ・ムーヴィー・サウンドトラック デラックス・エディション(DVD付)

mamma mia!

2008年

アメリカ イギリス ドイツ

09年1月公開 劇場鑑賞

映画版が作られるという話を聞いてからずーっと観たかった作品がようやく日本公開。勢いにのって初日に観にいってしまいました。

結婚式を控えた20歳のソフィ(アマンダ・セイフライド)は、母親ドナ(メリル・ストリープ)の20年前の日記を偶然発見し、これまで不明だった自分の父親の候補となる男が3人いることを知り、母親に内緒で3人に結婚式の招待状を送る。

こうして島にやってきた建築家のサム(ピアース・ブロスナン)、銀行マンのハリー(コリン・ファース)、冒険家のビル(ステラン・スカルスガルド)の3人は島にやってくるのだが・・・。

果たしてソフィの本当の父親は誰なのか?結婚式のために集った仲間たちを交えて、大騒動の2日間をABBAの楽曲にのせて描くミュージカル。

いやー、もう帰りはずっと歌っちゃってました♪

とにかく明るく楽しい作品で、もう細かいことなんかどうでも良いから、歌って踊って弾けたもの勝ちみたいな作品で、ノリでおしておしておしまくる感じの1本でした。

舞台版は劇団四季のを観たい観たいと思っているうちに、東京公演が終了してしまい見逃してしまっていたので、舞台との比較ができないのが残念なんですが、映画ならではの楽しみはやはり、エーゲ海の素晴らしい風景をたっぷりと堪能することができることではないでしょうか。それだけでも、この作品を映画化した価値は充分にあるように思います。ギリシア行きたい!

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2009年1月29日 (木)

映画「ジェリーフィッシュ」

ジェリーフィッシュ [DVD]

Meduzot
(JELLYFish)

2007年

イスラエル フランス

08年3月公開 DVD鑑賞

昨年公開されていてちょっと気になっていた1本。イスラエルの映画を見るのは多分これが初めて。

結婚式場でウェイトレスをしているバティアは、恋人と別れ、アパートは水漏れがひどく、両親との仲もギクシャクしていた。ある日、海岸で浮き輪をつけ、全く喋らない少女と出会い、福祉施設と連絡がとれるまで、彼女を預かることになる。

新婚夫婦のケレンとマイケル。結婚パーティの会場でケレンが足を怪我してしまい、楽しみにしていた新婚旅行へ行けなくなってしまい、仕方なく2人は市内の海辺のホテルで過ごすことに。宿泊先のホテルでマイケルはスイートルームに一人で宿泊している女性と出会う。

フィリピンから出稼ぎに来ている介護人のジョイは、舞台女優をしているガリアに頼まれ、病院から退院するガリアの母マルカの介護をすることになる。ヘブライ語を話せないジョイにマルカは苛立ちを覚えるのだが・・・。

海辺の町、テルアビブを舞台に3つの人生模様が静かに描かれる。

イスラエル近辺は政情不安が続いていますが、この映画では特にそういった社会的な面は描かれず、テルアビブに暮らす人々のどこか満たされないでいる人生模様を静かに味わい深く切り取っていきます。

特に緩急があるわけでもなくて、淡々とした作品ながら、90分にも満たない短さに3つの物語を同時進行させるので、何も起こらないようでいて、結構テンポ良く物語が進んでいく印象の不思議な作品。

タイトルのつけかたがなかなか上手くて、全編を通して水を印象的に使いながら、ユラユラと淋しげに漂う感じの物語はまさにクラゲそのもの。

ラストの余韻がそこまで良いわけではなくて、ラストのラストにはちょっと希望めいたものが示唆されるけれど、3つの物語をこのように収束させるとは思わなかったなぁという感じ。

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2009年1月28日 (水)

「エンデュミオンと叡智の書」 マシュー・スケルトン

エンデュミオンと叡智の書 (新潮文庫)

エンデュミオンと叡智の書
(Endymion Spring)

マシュー・スケルトン
(Matthew Skelton  )

新潮文庫 2008.8. 
(original 2006)

本を題材にしたファンタジーということで、ちょっと気になった1冊。

主人公は研究者の母親と妹と共にオックスフォードに滞在している12歳のアメリカ人少年ブレーク。彼はあるとき、図書館で何も書かれていない不思議な本を発見し、やがて、その本の謎をめぐる事件に巻き込まれていく。

現在のオックスフォードを舞台にした物語と、不思議な本の謎にまつわるグーテンベルクの弟子をめぐる15世紀の物語が交互に語られ、隠された真実が明らかになっていく・・・。

うーん、あまり面白くなかったなぁ、というのが正直な感想。途中何度も挫折しそうになり、読むのにかなり時間がかかってしまいました。

自分は割と流行った「風の影」もまるで面白くなかったので、こういう1冊の本の謎をめぐる冒険というのがそもそも苦手なのかもしれません。

本を題材にファンタジーを描くという点では、解説に書かれているように、「はてしない物語」のように、物語世界そのものが舞台になっているのとは違って、「本」そのものがファンタジーのキーになってるってのは面白いと思うし、過去と現在の2つの物語の設定も結構好きなんですが、謎そのものにどうも興味がもてなかったというか・・・。

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2009年1月23日 (金)

2009冬ドラマ初回雑感

2009年新企画第1弾。

今までブログ上では年末のまとめのときくらいしか話題にしてませんが、TVの連続ドラマが結構好きです。

一般的なドラマだったら10話前後で1時間、朝の連ドラだったら1日15分でさらに1週間(6話ごと)で一つのまとまりを作るのを半年、などなど、割と自由に作れる映画とは違って、さまざまな縛りのある連続ドラマですが、その制約の中でどこまで素晴らしい作品が作れるのかというのを見るのはいつも楽しみです。

そんなわけで、毎クール、これはと思う作品の初回はできる限り見るようにしているんですが、とりあえず初回を見た今クールの作品の雑感をメモ代わりに残してみました。

初回を見たのは以下。

月9 ヴォイス ~命なきものの声

火10 トライアングル

水10 キイナ 不可能犯罪捜査官

木8 Q.E.D. 証明終了

木10 ありふれた奇跡

金10 ラブシャッフル

土深夜 妄想姉妹 文學という名のもとに

以下、ちょっとずつ感想。

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2009年1月19日 (月)

TVドラマ「ノーサンガー・アベイ」

ジェイン・オースティン・コレクション ノーサンガー・アベイ [DVD]

northanger abbey

2007年

イギリス

DVD鑑賞

イギリスで放送されたジェイン・オースティンの原作を2時間ドラマで映像化するシリーズから、「エマ」、「マンスフィールド・パーク」、そしてこの作品が昨年DVDでリリースされました。

とりあえず以前から気になっていたこの作品から鑑賞。ちなみにこの作品、脚本は超傑作ドラマとして名高いBBC版「高慢と偏見」や映画「ブリジット・ジョーンズの日記」のアンドリュー・デイヴィスが担当してます。

読書と空想を愛する少女キャサリンは10人兄弟を抱える決して裕福とはいえない家庭で育ち、あるとき、痛風の療養へ行くアレン夫妻にお供してバースへとついていくことになる。

バースの社交界に赴いたキャサリンはそこで、牧師のヘンリーと出会う。キャサリンは兄と親しいソープ兄妹と時間を過ごしていたが、キャサリンのことが気になっているソープ氏がアプローチしてくる中、彼女はヘンリーとその姉のエレノーとの交流をつづけていた。

そんなある時、ヘンリーの父親から彼の暮らす「ノーサンガー・アベイ」で過ごさないかと招待を受け、キャサリンは古くは僧院だったという不気味な建物へと向かうのだが・・・。

90分ちょっとのドラマなので、結構駆け足で展開して、あっという間に見終わってしまいました。きっと原作読んでたらダイジェストを見ているような感じなんだろうけど、予備知識のない自分は結構楽しめました。

ついでに毎度のことながら英国の風景を観ながら良いな~としみじみしてました。バースが舞台って珍しくないですか?

英国の文芸ものってテレビドラマとしてのクオリティがやたらと高いですよねぇ。今回はBBC製作ではないものの、やはり見ごたえのある作品に仕上がってたと思います(あくまでTV作品としてはですが)。馬車の映像が使いまわしっぽいのとかはちょっと気になったけど。

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2009年1月17日 (土)

「愚者が出てくる、城寨が見える」 マンシェット

愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える (光文社古典新訳文庫)

愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える
(Ô dingos, ô châteaux!)

ジャン=パトリック・マンシェット
(Jean-Patrick Manchette  )

光文社古典新訳文庫 2009.1. 
(original 1972)

古典新訳文庫の今月の新作。フランスのハードボイルド作品ということで、新訳文庫の他のラインナップからするとやや異色な印象を受けるんですが、それがかえって気になって手に取りました。

精神病院に入院していたジュリーは、大富豪のアルトグ氏の甥のペテールの子守りをするために氏の家に行くことになる。ところが赴任した翌朝、買い物に出たペテールとジュリーは殺し屋トンプソン率いるギャング達にさらわれ、さらに、世間では、ジュリーがペテールを誘拐したということになってしまう。

その後、2人は命からがらギャングたちの下から逃げ出すのだが、幼少期のトラウマで警察アレルギーになっているジュリーは警察へは向かわず、ペテールを連れてアルトグ氏の別荘を目指して逃亡をはじめるのだが・・・。行く先々で凶行の限りを尽くす波乱の逃亡劇を描く。

テンポ良く進んでいくスピード感と、スリリングな展開、ユニークな登場人物たちに彩られた物語であっという間に最後まで読みきってしまいました。

この作品、何がすごいって、ギャング達よりも、精神を病んでいるという主人公のジュリーのキレっぷりの激しさ!行く先々で凶行の限りを尽くすのが殺し屋たちだけじゃなくて、ジュリーのほうもかなり派手に色々とやらかすので、もはや何が善で何が悪かなんて単純に割り切れない物語になっていて、なかなか面白い作品でした。

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2009年1月16日 (金)

映画「K-20 怪人二十面相・伝」

K-20 オリジナル・サウンドトラック

K-20 怪人二十面相・伝

2008年

日本

劇場鑑賞

乱歩が好きなので、なにやら二十面相が面白そうに映画化されてるなと思っていたら、どうやら乱歩をアレンジした原作の映画化ということで、ますます気になってしまった作品。昨年末公開でようやく観にいけました。

舞台は第2次大戦を回避し、19世紀からの華族制度が続く超格差社会となっているパラレルワールドの1949年の日本。

サーカスの花形スター遠藤平吉(金城武)は、怪しげな雑誌社の男に頼まれ、名探偵の明智小五郎(仲村トオル)と財閥の令嬢の羽柴葉子(松たか子)の結納式の写真を撮るよう頼まれる。式の当日、怪人二十面相が羽柴家が所有する絵画を盗むという犯行予告があり、羽柴家のビルの最上階のホールで行われる結納式は厳戒態勢となっていた。

そんなとき、何も知らない平吉が窓の外から式の様子を撮影しようとしたその瞬間、爆発が起こり、平吉は怪人二十面相として逮捕されてしまう。サーカスのからくりを作っていた源治(國村隼)の助けで脱獄に成功した平吉は、自分を罠にはめた二十面相への復讐を誓うのだが・・・。

いやはや、良家の子女、最強ですね~。って、それが第一の感想かいっ!

ここまでアレンジされちゃうと乱歩とは全くの別物として楽しめて良いですねー。邦画のこういう系列のエンタメ映画ってTVの戦隊モノのレベルの域を越えない妙に安っぽいものが多い印象なんですが、ハリウッド並のクオリティで大人の鑑賞にも堪えるレベルまで持ってきたのは素晴らしかったです。2時間以上、全く飽きさせることなく楽しませてくれました!

19世紀的世界に発達した科学技術がある世界観は自分的にはかなりツボで(スチームパンクとか好きなんです)、設定だけで無駄にワクワクしちゃいました。

ただ、なーんかどこかで観たことあるような映像やシーンが多くて、ハリウッドのアメコミ系作品を上手いこと取り入れたといえば聞こえが良いんだろうけど、もうちょっと乱歩テイストというか大正~昭和初期の浪漫あふれるなオリジナルティがあると嬉しかったかなぁ。

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2009年1月15日 (木)

「バスジャック」 三崎亜記

バスジャック (集英社文庫)

バスジャック

三崎亜記

集英社文庫 2008.11. 
(original 2005)

「となり町戦争」でアイデアが面白いなぁと思った三崎亜記の短編集。

全部で7編が収録されているんですが、どれも、TVの「世にも~」でドラマ化されてもおかしくないような作品ばかりですね。「となり町戦争」のときと同じで、日常の中に、少しだけ異物が混入したような世界を描くこの作家の発想の面白さは今後も注目したいところ。

ただ、これも「となり町~」のとき同じなんですが、設定勝ちみたいな感じになってしまってて、結局それ以上の楽しみがあまり感じられないというか、小説というよりも、それこそ「世にも~」なんかのノベライズみたいな雰囲気になってしまってるというか。

それでも結構楽しんで読めたので、気軽に読書したいときにはオススメだと思います。

そんなわけで以下作品ごとに一口感想。

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2009年1月13日 (火)

映画「テネイシャスD 運命のピックをさがせ!」

テネイシャスD 運命のピックをさがせ!プレミアム・エディション [DVD]

tenacious D in the pick of desitiny

2006年

アメリカ

08年7月公開 DVD鑑賞

劇場で見るまでもないかと思いつつ、かなり気になってた作品をDVDで鑑賞。

ロックの神に導かれ旅に出てハリウッドへとやってきたJB(ジャック・ブラック)は、ストリートで演奏していたKG(カイル・ガス)と出会い、なんやかんやの騒動の末に、2人はテネイシャスDというバンドを結成。有名ミュージシャンたちが皆同じピックを使っていることに気づいた2人は、悪魔の歯から作られたというそのピックを手に入れるために、大成功を夢見て、それが所蔵されている博物館を目指して旅に出るのだが・・・。

テネイシャスDというのは実際にコメディ俳優JBとKGの2人が結成してるバンドの名前で、TV番組などで人気を博しているらしく、ファンサービスで作られた作品といった感じの作品でしたね。本人達がとても楽しそうに演じているのが良かったです。

タレントもの映画というとお遊戯会みたいな感じになりかねたいところを、そこは流石のジャック・ブラックで、B級っぽい安っぽさも作品の魅力にしちゃって、楽しい1本だったと思います。

ただ、下ネタが結構激しい部分もあるのでその辺で嫌悪感を感じてしまうと、ちょっときつい作品かもしれませんね。

ロックにかける思いはかなり本格的で、冒頭のロックオペラなプロローグなんかは見ごたえたっぷりだし、ところどころミュージカル調にロックするシーンも笑いのネタとしてではなくて、かなり本気に作られているのも見ていて気持ちが良かったです。これは劇場の音響で観たかったかなとちょっとおもってしまうくらいでした。

でもねでもねでもね、これはロックって言ってるけど、メタル色強めなんだよね・・・。悪魔的イラストもそうだし。

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2009年1月12日 (月)

映画「あいつはママのボーイフレンド」

あいつはママのボーイフレンド [DVD]

my mom's new boyfriend

2008年

アメリカ

未公開 DVD鑑賞

レンタル店でふと目にとまったメグ・ライアンとアントニオ・バンデラス。こんなに豪華キャストなのに未公開作品。ちょっと気になってしまって観てみることに。

FBI捜査官のヘンリー(コリン・ハンクス)は、幼い頃に父を亡くし、母のマーティ(メグ・ライアン)と2人で暮らしていた。あるときヘンリーが婚約者エミリーを連れて3年間の海外赴任を終えて戻ってくると、母のマーティが激痩せして美人になり、不特定多数の男友だちと遊び回っていたからさぁ大変。そんなある日、ヘンリーたちはトミー(アントニオ・バンデラス)という男性と出会い、マーティはたちまち恋に落ちてしまう。

そんな折、ヘンリーは美術館の盗難事件を担当することになるのだが、その窃盗団の首謀者がトミーだということが発覚。彼は母にばれないようにして、トミーの監視をすることになるのだが・・・。

ストーリーは、ま、可もなく不可もなくで、軽~いコメディとしてはそこそこに楽しめるんですが、メグ・ライアン&アントニオ・バンデラスの2人が老けてたよなぁという哀愁を激しく感じさせる一方で、この2人のカリスマ的オーラによってかなり支えられてる作品だよなぁという印象も。ただし、この2人、あくまで脇役です。

カットが非常に多くてシーンとシーンのつなぎがかなりサクサクと進んでいくものの、サクサクすぎて逆に見辛く感じしまう部分もチョコチョコとありましたね。かえってテンポが悪くなっちゃってるというか。

観ていると、なんとなく未公開な理由は分かるんですが、そこまでひどくつまらない作品というわけでもないので、軽い感じで楽しむには良いのではないでしょうか。特にかつてのラブコメの女王の座に必死でしがみつくかのようなメグのちょっと無理を感じしまうくらいの頑張りっぷりは必見です。

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2009年1月10日 (土)

「人間の運命」 ショーロホフ

人間の運命 (角川文庫)

人間の運命
(Судьба человека)

ミハイル・ショーロホフ
Михаил  Шолохов

角川文庫 2008.11. 
(original 1956-57)

角川文庫で復刊されたソビエトの文学作品。作者は名前だけは知っていたけれど、読んだことのなかった「静かなドン」で有名なノーベル賞作家。短編集ということで手に取りやすそうだと思い読んでみました。

全部で5作品が収録されているのですが、表題作以外の4作品が若いころに書かれたもので、そこに表題作を加えて構成された1冊。

ロシア文学というと、ずっしりと重い印象ですが、この本もまた、描写なんかが割とサラッとしている割には、非常に濃かったです。そもそものエピソードも重いんですが、感情表現が重いというかなんというか、とにかく濃い。

どんなにどん底にあってもそれでも粘り強く這い上がって(這いつくばって?)生きていく様は読み応えがありました。ソビエト政府のお気に入り作家だったそうで、それを感じさせる描写も多々出てくるものの、人々の粘り強く生きていく姿のほうがずっと印象に残る1冊でしたねー。

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2009年1月 9日 (金)

映画「ハロー・ドーリー!」

ハロー・ドーリー!  スタジオ・クラシック・シリーズ [DVD]

Hello, Dolly!

1969年

アメリカ

69年12月公開 DVD鑑賞

映画「WALL-E」の中で、ウォーリーが観ていたミュージカル映画。「WALL-E」鑑賞後からずーっと観よう!と決めていたものをようやく鑑賞しました。記事後半には「WALL-E」とからめた感想もありますよ!

何組もの男女の仲を取持ってきた世話好きのドーリーは田舎町で飼料店を営むホレスにNYで帽子屋をしているアイリーンを紹介するものの、自分がホレスに恋をしていることに気づいいてしまう。そこでホレスの店で留守を任されていた従業員のコーネリアスとバーナビーに声をかけ、アイリーンと彼女の店で働いているエミーに会いに行くよう2人をけしかける。ホレスに画家の恋人との交際を禁止されている姪アーメンガードも巻き込み、ドーリーにそそのかされて、田舎町からNYへとやってきた人々が巻き起こす恋の大騒動を描く物語。

この作品、ジーン・ケリーが監督ということもあて、ダンスシーンは見事だし、音楽は文句なしに良いし、楽しめる場面も沢山あるんだけど、2時間半弱というのは少し長すぎではないかと。ミュージカル映画好きの自分でもちょっと長いなぁと思ってしまいましたからね。

1つ1つのダンスシーンが不必要に長くて、結果、作品のテンポがとても悪くなってしまっているような印象を受けました。オリジナルの舞台版は「マイ・フェア・レディ」のロングラン記録を更新した舞台ということですし、もうちょっとコンパクトにまとめてくれたら名作映画としてもっと知られていたのではないでしょうか。

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映画「Dear フランキー」

Dearフランキー [DVD]

dear Frankie

2004年

イギリス

05年6月公開 TV録画鑑賞

以前から見たかった作品が昨年BS2で放送されたのを録画していたのをようやく鑑賞。

別れた夫から逃げるように母と耳に障害のある一人息子のフランキーと共に住居を転々としていたリジー(エミリー・モーティマー)はグラスゴー近くの港町へと引っ越してくる。フランキーは自分の父が船乗りだと信じ、父親宛に手紙を書いては、その返事が来るのを楽しみにしていたのだが、実際はリジーが父親になりすまし返事を書いていた。

ある日、学校の友人から父の船が港にくるという情報を聞いたフランキーは、父親に会えることを喜び、真実を打ち明ける機会を失ったリジーは、近所で店を営むマリーに相談し、彼女の知人の男性(ジェラルド・バトラー)を紹介してもらい、1日だけ父親の役をやってもらうことになったのだが・・・。

イギリス映画ということで、ハリウッド的な感動の押し売りもなく、じんわりと心に染み入る良い作品でした。

あと個人的には英国好きとして、一瞬英語かどうかもはっきりと理解できないようなスコットランド訛りやら、作品の雰囲気とよく合っているどんよりとした空模様やらを楽しめたのも良かったですね。

この作品、まっすぐに生きているフランキー少年の健気さに胸を打たれるのかなぁと思いながら見ていたのですが、それよりもずっとずっとリジーの抱える様々な葛藤にこれでもかというくらいに打ちのめされてしまいました。彼女が直面する様々な問題の数々は、どれも正解なんてないということが分かるだけに、その1つ1つの決断の行く末が良い方向へと向かって欲しいと願わずにはいられませんでしたねぇ。

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2009年1月 7日 (水)

「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦

角川文庫 2008.12. 
(original 2006)

07年の本屋大賞で僅差で2位になった作品が早くも文庫化。タイトルがやたらと頭に残って気になっていました。

サークルの後輩に恋をした主人公は偶然をよそおって何度も彼女に接近する。先斗町、古本市、学園祭、そして、風邪が大流行する京都の町を舞台に突っ走る妄想男子学生と、ほんわか天然少女が巻き込まれていく騒動を、男の子、女の子それぞれの視点から描き出していく。

森見作品を読むのはこれで3冊目ですが、相変わらず、もてない京大生がインテリぶった語りで妄想を爆発させる内容ですね。ただし今回は、男の子目線と女の子目線の両方で物語が進むところがちょっと新鮮。

今回は京都を舞台に見事なまでにファンタジーを成立させているところがなかなか面白くて、不可思議な人々と出会いながら方々を彷徨っていく様は「不思議の国のアリス」的な面白さもあってなかなか面白かったです。

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2009年1月 2日 (金)

映画「ジェイン・オースティンの読書会」

ジェイン・オースティンの読書会 コレクターズ・エディション [DVD]

the Jane Austen book club

2007年

アメリカ

08年4月公開 DVD鑑賞

これ原作本が出版されたときからずーーっと気になっていた作品です。

思えば数年前、「今年はオースティンを読破!」などと強気な発言をしていたんですが、結局それは実現されず、大量のオースティンが積読されていて、この映画も、オースティン読破後に原作を読んで、さらに映画をと思っていたのですが、待ちきれずにとりあえず映画だけ観てしまいました。

ジェーン・オースティンを愛する6回の離婚経験を持つバーナデットは、愛犬を亡くし落ち込んでいたジョスリンを励まそうと、長年連れ添った夫に別れを告げられたシルヴィアとその娘のアレグラを誘いオースティン好きの友人達で読書会をしよう企画する。

全6作品を1人1冊担当するためには、6人のメンバーが必要で、バーナデットは映画館で声をかけた高校教師のプルーディーを誘い、ジョスリンはエレベーターで出会ったSF好きの男グリッグに声をかける。ジョスリンの思惑はシルヴィアとグリッグを一緒にすることだったのだが・・・。そして、夫のいるプルーディーは高校の生徒に惹かれるようになり・・・。

読書会の参加者6人が6冊の著作を読む読書会の6ヶ月を描きながら、オースティンの作品に彼女たちの人生が重ねられていく・・・。

観終わった感想。とりあえず、「読書会」って面白そうだと思う。そしてやっぱり、オースティンを読破してから見ればよかった・・・。原作読むのはオースティン読破後にしておきます。

自分のオースティン経験は「高慢と偏見」(原作・BBCドラマ・映画)、「感性と知性」(原作・映画)、「エマ」(原作途中まで・映画)と決して深くはないのですが、それでも、この作品の登場人物たちがオースティン作品のキャラクターを重ねたものだというのが分かる内容で、恐らく、全作品を読んでいる人にとっては、キャラクター設定も、劇中での作品に関する議論も非常に楽しめる内容なんだろうなと思います。これ、オースティンをもっとちゃんと知ってたら、神業的な完成度の高さなのではないかという気がするんですよね。

しかし、この作品の良いところは、オースティンなんて聞いたこともないというような人がみても、恐らく面白いと感じられるであろう、しっかりとした人間ドラマが構築されている点。ま、これも、オースティン作品がベースになっているので当たり前なのかもしれませんが。

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2009年1月 1日 (木)

2009年

本年、喪中のため、新年の挨拶は控えさせていただきますが、

とりあえず、皆様、今年もよろしくお願いします。

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