« 「バスジャック」 三崎亜記 | トップページ | 「愚者が出てくる、城寨が見える」 マンシェット »

2009年1月16日 (金)

映画「K-20 怪人二十面相・伝」

K-20 オリジナル・サウンドトラック

K-20 怪人二十面相・伝

2008年

日本

劇場鑑賞

乱歩が好きなので、なにやら二十面相が面白そうに映画化されてるなと思っていたら、どうやら乱歩をアレンジした原作の映画化ということで、ますます気になってしまった作品。昨年末公開でようやく観にいけました。

舞台は第2次大戦を回避し、19世紀からの華族制度が続く超格差社会となっているパラレルワールドの1949年の日本。

サーカスの花形スター遠藤平吉(金城武)は、怪しげな雑誌社の男に頼まれ、名探偵の明智小五郎(仲村トオル)と財閥の令嬢の羽柴葉子(松たか子)の結納式の写真を撮るよう頼まれる。式の当日、怪人二十面相が羽柴家が所有する絵画を盗むという犯行予告があり、羽柴家のビルの最上階のホールで行われる結納式は厳戒態勢となっていた。

そんなとき、何も知らない平吉が窓の外から式の様子を撮影しようとしたその瞬間、爆発が起こり、平吉は怪人二十面相として逮捕されてしまう。サーカスのからくりを作っていた源治(國村隼)の助けで脱獄に成功した平吉は、自分を罠にはめた二十面相への復讐を誓うのだが・・・。

いやはや、良家の子女、最強ですね~。って、それが第一の感想かいっ!

ここまでアレンジされちゃうと乱歩とは全くの別物として楽しめて良いですねー。邦画のこういう系列のエンタメ映画ってTVの戦隊モノのレベルの域を越えない妙に安っぽいものが多い印象なんですが、ハリウッド並のクオリティで大人の鑑賞にも堪えるレベルまで持ってきたのは素晴らしかったです。2時間以上、全く飽きさせることなく楽しませてくれました!

19世紀的世界に発達した科学技術がある世界観は自分的にはかなりツボで(スチームパンクとか好きなんです)、設定だけで無駄にワクワクしちゃいました。

ただ、なーんかどこかで観たことあるような映像やシーンが多くて、ハリウッドのアメコミ系作品を上手いこと取り入れたといえば聞こえが良いんだろうけど、もうちょっと乱歩テイストというか大正~昭和初期の浪漫あふれるなオリジナルティがあると嬉しかったかなぁ。

最後のオチ、この映画、二十面相ものなのにあのシーンがないなぁとは思っていたんですが、それがそのままオチにつながってました。乱歩原作では絶対にできないオチですよね~。ただ、この映画の設定ならこういうオチはありだと思うんですが、個人的には二十面相は謎めいた不死身男であって欲しいので、実はこのラストはちょっと不満だったりします。

あとちょっとよく分からなかったのは、主人公の平吉が最後にあの決心をする部分。そこに至ることを納得させるだけの説得力があまりなかったように思うので、やや唐突に感じてしまいました。

つっこみついでなんですが、指名手配されてる割には自由に外歩きすぎじゃないかとか、源治はどうやって脱出したのかとか色々謎なシーンは多かったですよねぇ・・・。ま、ある程度は仕方ないのかもしれませんが、結構出来が良い作品なだけにこういう部分もしっかりと作って欲しかったかなぁ。

キャスティングはおおむね良い感じなんですけど、なんか全体的に年齢層高めですよね。小林少年でさえ18歳の本郷奏多ですからねぇ。本当はもうちょっと若めのキャストのほうがイメージは合うんだけど、全体の雰囲気が落ち着いて、チャラチャラした感じがなかったのは良かったと思います

あと個人的には仲村トオルがとある施設にてちょっとお茶目な演技をしているのがかなり面白かったです。クールな役よりもこの路線の方が上手いんじゃないかとか思ってみたり。

そうそう、この映画、主題歌が何かとか全然知らないで観てたんですけど、いきなり聞き覚えのある曲が流れてかなりビックリ。OASISの「the shock of the lightning」じゃないですか!!不釣合いな気がしないでもないけど、好きな曲なのでOKです。

あと、あの寄木細工のパズルが欲しくなりました。

* * *

参考過去レビュー

乱歩のオリジナルを。

「怪人二十面相」 江戸川乱歩

この文庫版の全集、最近は書店でもあまり見かけなくなりましたよねぇ。

後、この映画の原作になった北村想さんの小説も読んでみたいなと思いました。

|

« 「バスジャック」 三崎亜記 | トップページ | 「愚者が出てくる、城寨が見える」 マンシェット »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

TB/コメントありがとうございます。

仲村トオルのあのシーン、私もツボでした。

そのほかにもチラチラっと笑わせてくれるシーンが、
緩急があって全体に長さを感じさせない作りでした。

投稿: KGR | 2009年1月17日 (土) 21時50分

>KGRさん

TB/コメントどうもありがとうございます!

この映画の仲村トオル、かなり良かったですよね。

本当に全体的なバランスもよく取れいていて、
エンタメ映画としては文句なしに楽しめる1本だったと思います。

投稿: ANDRE | 2009年1月17日 (土) 23時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145222/43760281

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「K-20 怪人二十面相・伝」:

» K-20 怪人二十面相・伝 [そーれりぽーと]
2008年の最後の週末と新年にかけて、今年は何故か新しく公開される映画の本数が少ないんですよね。 いつもは公開される映画の本数が多すぎて次の週に持ち越してしまわない限り、その週末に公開される映画を中心に観ているのですが、この連休に観たい映画が無かったので、なんとなく先週公開された『K-20 怪人二十面相・伝』を観てきました。 ★★★★★ 観逃さなくて良かった! こんな日本の冒険活劇を待ってました! 『スパイダーマン』と『バットマン』の影響を色濃く受けた日本のヒーロー映画が誕生しました。 万人にお勧... [続きを読む]

受信: 2009年1月17日 (土) 17時25分

» K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝 [★YUKAの気ままな有閑日記★]
近頃とっても気になる金城さんを目当てに鑑賞(笑)いそいそ【story】1949年、格差社会の架空の都市“帝都”では、富裕層のみを狙い、美術品や骨董品を鮮やかに盗み出す“K-20”こと怪人二十面相が世間を騒がせていた。ある日、サーカスの曲芸師・遠藤平吉(金城武)は、財閥令嬢・葉子(松たか子)と名探偵・明智小五郎(仲村トオル)との結納の儀に潜入して写真を撮ってくる依頼を引き受けるが、それは怪人20面相が仕掛けた罠だった―     監督・脚本 : 佐藤嗣麻子【comment】&nb... [続きを読む]

受信: 2009年1月17日 (土) 18時23分

» 『K-20(TWENTY)怪人二十面相・伝』 (2008)/日本 [NiceOne!!]
監督・脚本:佐藤嗣麻子出演:金城武、松たか子、仲村トオル、國村隼、高島礼子公式サイトはこちら。<Story>1949年の架空都市<帝都>。19世紀から続く華族制度により、極端な格差社会が生じる日本で、世間を脅かしている強盗がいた。“怪人20面相”と呼ばれるその...... [続きを読む]

受信: 2009年1月17日 (土) 21時38分

» 試写会「K-20 怪人二十面相・伝」 [ITニュース、ほか何でもあり。by KGR]
2008/12/11 新宿厚生年金会館での開催。 珍しく、17:30開場、開映は18:30。 18時過ぎに到着。 入場の列はすでになく、そのまま入れたが、 係員の「1階席はほぼ満員です。2階席をご利用ください。」の声に押されて、 2階へ行き、中段のほぼ中央に陣取る。 会場が暗転し、映画が始まってからも入場してくる人がいて、迷惑になっていた。 **** さて、映画は江戸川乱歩による「怪人二十面相」の映画化、ではなく、 怪人二十面相の真相に迫る小説である北村想の「怪人二十面相・伝」の映画化。 ... [続きを読む]

受信: 2009年1月17日 (土) 21時48分

» ★「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」 [★☆ひらりん的映画ブログ☆★]
今週の週末レイトショウ第二弾は、 「チネチッタ川崎」で初日の22:20の回。 レイトショウにしてはまあまあの入りで50人くらいかなぁ。 [続きを読む]

受信: 2009年1月18日 (日) 03時32分

» K-20 怪人二十面相・伝 [ネタバレ映画館]
ロケは北九州が中心?こ、こ、小倉は少年探偵団・・・ [続きを読む]

受信: 2009年1月18日 (日) 10時09分

» K−20 怪人二十面相・伝 [UkiUkiれいんぼーデイ]
JUGEMテーマ:映画 2008年12月20日 公開 ★★★☆☆ 星3っつです! 二十面相じゃないよぉ!平ちゃんと呼んでね♪ 今年初の劇場鑑賞作品となりました。 これはねぇ、予告の段階でん〜どうなんかなと思ってた作品だったんですよね。 じゃっかん、上滑りしてるような感じがしたもんですから。 それがどーでしょ! 皆さま方の評価は概ね良い感じなんですよねぇ。 それじゃ観てみようかなと思い直しまして・・・。 ROBOTが企画・制作... [続きを読む]

受信: 2009年1月19日 (月) 08時37分

» 『K-20 怪人二十面相・伝』 試写会鑑賞 [映画な日々。読書な日々。]
1949年、帝都。社会は、19世紀から連綿と続く華族制度によって富める者と貧しき者の二極化がなされていた。曲芸手妻師・遠藤平吉は、小さなサーカス小屋で人気を博していた。サーカス団のメンバーは、皆貧民街で暮らす人々だ。羽柴財閥の跡取り・羽柴葉子は、名探偵・明智小... [続きを読む]

受信: 2009年1月24日 (土) 01時21分

» 映画:K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝 [よしなしごと]
 K-20 怪人二十面相・伝を観てきましたが、記事にするのが相変わらず遅くなっちゃいました。 [続きを読む]

受信: 2009年1月25日 (日) 15時09分

« 「バスジャック」 三崎亜記 | トップページ | 「愚者が出てくる、城寨が見える」 マンシェット »