「エンデュミオンと叡智の書」 マシュー・スケルトン
エンデュミオンと叡智の書 マシュー・スケルトン 新潮文庫 2008.8. |
本を題材にしたファンタジーということで、ちょっと気になった1冊。
主人公は研究者の母親と妹と共にオックスフォードに滞在している12歳のアメリカ人少年ブレーク。彼はあるとき、図書館で何も書かれていない不思議な本を発見し、やがて、その本の謎をめぐる事件に巻き込まれていく。
現在のオックスフォードを舞台にした物語と、不思議な本の謎にまつわるグーテンベルクの弟子をめぐる15世紀の物語が交互に語られ、隠された真実が明らかになっていく・・・。
うーん、あまり面白くなかったなぁ、というのが正直な感想。途中何度も挫折しそうになり、読むのにかなり時間がかかってしまいました。
自分は割と流行った「風の影」もまるで面白くなかったので、こういう1冊の本の謎をめぐる冒険というのがそもそも苦手なのかもしれません。
本を題材にファンタジーを描くという点では、解説に書かれているように、「はてしない物語」のように、物語世界そのものが舞台になっているのとは違って、「本」そのものがファンタジーのキーになってるってのは面白いと思うし、過去と現在の2つの物語の設定も結構好きなんですが、謎そのものにどうも興味がもてなかったというか・・・。
昔からずっとあるような古い図書館って何かとんでもないお宝が潜んでいるのではないかという思いが湧く環境ですよね。以前、大学の図書館で普通の棚に、100年以上前に発行の本が当たり前のように置いてあって、かなりビックリした経験があります。開いた瞬間にちょっとタイムトラベルをしたような気分でしたね。ヨーロッパだともっともっと古い本に出会えたりするんだろうなぁ。といいつつ、実は自分、図書館が大の苦手だったりしますが・・・(←語ると非常に長くなるので理由は省略)。
ところで、この作品、どうやら映画化するようですが、映画化するにはやや地味な物語だという気がしないでもないんですが、どんな感じなるんでしょうかねぇ。個人的には年齢的にも主人公はハイモア少年とかがやってくれるとちょっと観ても良いかなという感じです。
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