TVドラマ「ノーサンガー・アベイ」
northanger abbey 2007年 イギリス DVD鑑賞 |
イギリスで放送されたジェイン・オースティンの原作を2時間ドラマで映像化するシリーズから、「エマ」、「マンスフィールド・パーク」、そしてこの作品が昨年DVDでリリースされました。
とりあえず以前から気になっていたこの作品から鑑賞。ちなみにこの作品、脚本は超傑作ドラマとして名高いBBC版「高慢と偏見」や映画「ブリジット・ジョーンズの日記」のアンドリュー・デイヴィスが担当してます。
読書と空想を愛する少女キャサリンは10人兄弟を抱える決して裕福とはいえない家庭で育ち、あるとき、痛風の療養へ行くアレン夫妻にお供してバースへとついていくことになる。
バースの社交界に赴いたキャサリンはそこで、牧師のヘンリーと出会う。キャサリンは兄と親しいソープ兄妹と時間を過ごしていたが、キャサリンのことが気になっているソープ氏がアプローチしてくる中、彼女はヘンリーとその姉のエレノーとの交流をつづけていた。
そんなある時、ヘンリーの父親から彼の暮らす「ノーサンガー・アベイ」で過ごさないかと招待を受け、キャサリンは古くは僧院だったという不気味な建物へと向かうのだが・・・。
90分ちょっとのドラマなので、結構駆け足で展開して、あっという間に見終わってしまいました。きっと原作読んでたらダイジェストを見ているような感じなんだろうけど、予備知識のない自分は結構楽しめました。
ついでに毎度のことながら英国の風景を観ながら良いな~としみじみしてました。バースが舞台って珍しくないですか?
英国の文芸ものってテレビドラマとしてのクオリティがやたらと高いですよねぇ。今回はBBC製作ではないものの、やはり見ごたえのある作品に仕上がってたと思います(あくまでTV作品としてはですが)。馬車の映像が使いまわしっぽいのとかはちょっと気になったけど。
物語としては主人公のキャサリンのことよりも、その兄の恋の行方の方が気になってしまったんですが、主人公が確固たる恋心を持ってるというようなことがそこまで感じられなかったからもしれませんね。
オースティン作品は登場人物たちにはっきりとしたキャラクター設定が与えられていて、彼らが織り成す人間模様を楽しむのが醍醐味ですが、この作品では、ゴシックロマンな空想を愛する主人公の性格がかなりキーになって物語が展開しましたね~。
あと、色々と曲者のソープ兄妹が登場してから物語がググッと面白くなったように思います。彼らが何を考えているのかがよく分からないので、無駄にハラハラ感が増しました。
アベイの場面はもっとおどろおどろしいのかと思っていたんですが、割とあっさりしてましたね。でもあんなところで一人で寝るのはかなり怖そうです。ついでに、部屋の中にあったクローゼット(?)の高さに驚きました。暖炉も大きかったですよね。あのお屋敷を維持するのはそれだけで大変そうです。
いつかちゃんと原作読もうっと
そうそう、この作品、「紹介されるまで口をきいてはいけない」っていう、社交界のマナーがなかなか興味深かったです。
ところで、「アベイ」って何!?字幕も普通に「ノーサンガー・アベイ」になってるんですが、「僧院」とか「修道院」とかで良いじゃん!!「ウェストミンスター寺院」っていうじゃん!と思うのは僕だけでしょうか・・・。
* * *
参考過去レビュー
これはやっぱり最近観たコレでしょ。
これに出てきたSF好きの青年は姉もいたし、このヘンリーがベースになったキャラだったんですね。色々と納得。やっぱりこの映画はオースティン長編6冊の内容をちゃんと把握していればしているほど楽しめそうです。
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