「人間の運命」 ショーロホフ
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人間の運命 ミハイル・ショーロホフ 角川文庫 2008.11. |
角川文庫で復刊されたソビエトの文学作品。作者は名前だけは知っていたけれど、読んだことのなかった「静かなドン」で有名なノーベル賞作家。短編集ということで手に取りやすそうだと思い読んでみました。
全部で5作品が収録されているのですが、表題作以外の4作品が若いころに書かれたもので、そこに表題作を加えて構成された1冊。
ロシア文学というと、ずっしりと重い印象ですが、この本もまた、描写なんかが割とサラッとしている割には、非常に濃かったです。そもそものエピソードも重いんですが、感情表現が重いというかなんというか、とにかく濃い。
どんなにどん底にあってもそれでも粘り強く這い上がって(這いつくばって?)生きていく様は読み応えがありました。ソビエト政府のお気に入り作家だったそうで、それを感じさせる描写も多々出てくるものの、人々の粘り強く生きていく姿のほうがずっと印象に残る1冊でしたねー。
収録作品の中では表題作がダントツで読み応えがありましたが、これは、なんというか、とにかく重いですね。ただ、その重さの中に最後、小さな希望の光がそっとともっている感じが嬉しかったです。
一方で、収録作品中最も重い気持ちにさせられたのはなんといっても「子持ちの男」。読みながら、どんどん鬱な気持ちになっていく作品でした。
この作風で大長編「静かなドン」は果たしてどんな内容なのかというのがとても気になるんですけど、読むとなるとかなりの覚悟が必要そうだということだけはなんとなく推し量られますね・・・。
ロシア、お隣の国ながら、知らないことばかりなので、その歴史や、人々の暮らしや考え方なんかを小説から学ぶというのもなかなか面白いですね。
ところで、解説にて、本文をまるごと引用して(ややページの無駄のような気が・・・)ウォトカを飲む場面をとりあげていましたが、ここを読みながら、クリスマスにテキーラを4杯グイっとやったことを思い出しました。でも、おつまみ食べちゃいました。ま、酒の種類は違うんですが。ウォトカといえば、モスコミュールにして、2人で1瓶あけたこともあるんですけどね。(※ここだけ読むと、大層な酒好きのようですが、頻度としては月に1回飲めば良いほうだったりします。)
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コメント
>人々の粘り強く生きていく姿のほうがずっと印象に残る1冊
わたしも、そう感じました。
どこまでも庶民目線で描く作家だなぁ、と。
ロシア人というのは、広大な大地と厳しい自然、抑圧された歴史にさらされ、鍛えられているからか、“堪え忍ぶ”イメージが強いです。
ロシア(ソビエト)文学を読んだ後って、しばらくその重さを引きずってしまいますよね。
投稿: ぐら | 2009年1月12日 (月) 19時17分
>ぐらさん
コメントどうもありがとうございます。
この作品は特に
耐え忍ぶ感じが強かったように思います。
ロシア文学、
落語調のゴーゴリは楽しかったですけれど、
やはりこの重さこそが醍醐味ですよね。
ただ、後に引きずるものが多いので、
何も考えずにうっかり読んじゃうと
後で大変なんですが・・・。
気になる作品は多いんですけど、
覚悟を決めて読まないといけない感じがして
なかなか手が出せていません。
投稿: ANDRE | 2009年1月12日 (月) 23時51分