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2009年2月 4日 (水)

「78」 吉田篤弘

78 (小学館文庫)

78 ナナハチ

吉田篤弘

小学館文庫 2009.1. 
(original 2005)

1月は吉田篤弘作品が2つも文庫化してくれて、小躍りしたくなるような状況だったのですが、そのうちの1冊。

小学生からの親友同士であるハイザラとバンシャク。ある夏の暑い日、2人は鉄道の終点に何があるのかを探るためにちょっとした冒険に出る。

やがて大人になった2人はSPレコードを専門に扱うレコード店で再会する。

レコード店に集った人々の物語が語られる中、楽団<ローリング・シェイキング&ジングルズ>の物語が静かに顔を出し、不思議な七人姉妹が様々なものを書く夜の塔の物語が続いていく。

78回転で回るSPレコードを巡り、駅と靴とハガキに彩られたちょっと不思議な連作短編集。

上の説明を見ても何がなにやらさっぱりだと思いますが、メインとなるハイザラとバンシャクの物語と平行して、毎回語り手を変えながらいくつかの物語が語られて、それぞれが微妙にリンクして共鳴するような構成になっているんです。

この人の書く文章は相変わらず抜群に心地が良くて、クラフト・エヴィング商會の装丁そのままのレトロモダンな世界観も健在。

どちらかという現実世界を描くエピソードが多かった前半のほうが面白かったように思います。特にハイザラとバンシャクの少年時代の話はとても良い。

一方で、後半は寓話的なエピソードが多くなってきて、悪くはないのだけれど、前半の空気とのギャップがアンバランスかなぁという気も。この後半部分は、文字だけではなくて、クラフト・エヴィング商會ならではの小物写真と一緒に読んでみたかったかなぁ。

一見すると関係ないようなエピソードが突如現れて、最初は面食らってしまったんですが、ラストに向けて、突如同じテーマが顔出して、エピソードがつながった時は、なんかとってもワクワクしてしまいました。

* * *

参考過去レビュ-

吉田篤弘作品のオススメはこれ!

「つむじ風食堂の夜」

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